【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
音楽クラウドファンディング
『sprayer』が提示する
新たなファン体験
Editor's Talk Session
音楽業界でも新たな流れが
作れると思っていた
千々和
まずはフューチャーレコーズがどのような会社であるのかを教えていただけますか?
morisake
当社は社名のとおり“未来のレコード会社を作り出す”ということをミッションとしていて、“新しいサービスを作り出したい”という想いで株式会社フェイスのグループ会社として設立されました。会社自体は12年前からありましたが、運営がストップしていた期間もあり、2018年頃から再始動しています。私は再始動時から所属しているのですが、当時は暗号資産やブロックチェーンが盛り上がっていたので、そこで新たなWebサービスやプラットフォームを立ち上げるために動いていました。
石田
ブロックチェーンもそうですが、ビットコインなども流行る前から注目されていたんですか?
morisake
会社として常にアンテナを張れる動きをしていたので、早くから事業展開を進めていました。代表がレコード会社で働いていたというより、どちらかと言えばエンジニア畑の方なので、他のレーベルとは視点が違う会社かもしれないです。
石田
それらを音楽ビジネスに結びつけるという発想が面白いです。
千々和
音楽業界は新しいことを取り入れるのが遅い印象があるので、難しいところもあると思いますが。
morisake
そうですね。2018年頃はビットコインを利用した『VALU』など、自分のタレントとしての価値や創作の価値を分割して売れるサービスが出てきましたが、それを最初に大きく展開し始めたのがYouTuberの方だったりして。でも、YouTuberの方が音楽活動をされるケースも多いので、その影響もあって音楽業界でも新たな流れが作れるとは思っていました。
千々和
そんな中で『sprayer』が立ち上がったのはどんな経緯だったのでしょうか?
morisake
私自身もそうなのですが、ストリーミングサービスが主流になって音楽作品を買う人が少なくなったために、音楽作品の経済圏が小さくなっているという課題があると思っていて。一方で、ファンが自発的にSNSで好きなアーティストの宣伝をするようになっていて、それが今で言う“推し活”のひとつですよね。具体的な話で言えば、BTSのファンは推し活の力がすごいんですよ。彼らがアメリカでも売れたのは、各州にいるBTSコミュニティーの方がラジオ局へ毎週のようにBTSの楽曲をリクエストしていたことも大きくて。
千々和
日本はアーティスト側が作った公式のファンクラブに入るのが主流ですが、韓国ではファンの人がお金を集めて広告を出すなど、有志での宣伝活動が活発なイメージはあります。もともと日本にもあった文化ですし、Jリーグにコールリーダーがいたり、プロ野球に応援団がいるのも似た仕組みなんじゃないかと思います。
石田
ソニー・ミュージックが乃木坂にあった頃は、乃木坂46のファンが駅貼りの広告枠を買っていたと聞いたことがありますよ。
kii
日本では少なくなっていた動きなので、今ではファンが有志で動くことが新しいものとして広がっているんですよね。
morisake
そうです。ファンが自主的に熱量を持ってオンライン上で動く時代になっていることと、NFTが市場に出たのも『sprayer』が生まれたきっかけです。音楽作品、もといアーティストとファンをつなぐ新しいサービスを目指しています。ただ、NFTを買うとなると敷居が高いと思い、クラウドファンディングとしてアーティストの想いに賛同した方がNFTを獲得できる自然な流れを大切にしています。
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音楽ファンは常に新しい出会いを求めているアーティスト
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