【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
“新潟発信”の
『ロクスタ.ためになる話』に懸ける
制作者の想い
Editor's Talk Session
新潟のシーンを
“守る”というよりは“恩返し”
石田
『ロクスタ.ためになる話』は6 studio.(以下、ロクスタ.)で開催されているわけですが、ロクスタ.ってどんな場所なんですか?
イチロウ
もともとはRISKY DRUG STOREというインディーズショップをやっていたんですよね。
帆苅
その前はUK EDISONですもんね?
本間
UK EDISON、輸入盤屋をやっていて、当時はX(現在のX JAPAN)とかの流通もやっていましたね。UK EDISONが全国的になくなってLike an Edisonになったのですが、その前に僕は独立していたので影響はなかったとはいえ、やっぱり地方でこういった文化がないとダメだろうと。hideさんからも“地方をよろしく”って言われていたので、“ちょっと頑張ろうかな”と思ったんです。
石田
もともとはインディーズのアイテムを扱うショップだったんですね。
本間
そうですね。商品を売るためには本人に来てもらったほうが分かりやすいということでライヴのブッキングをガンガンやるようになって、“何で新潟でこんなにお客さんが入るんだ!?”というところまでは作り上げて。当然CDもちゃんと売れるし、せっかく新潟に来たんだから仙台や金沢や山形にも行こうということなり、アーティストのプロモーションを僕が担当して、ショップはショップのスタッフが頑張ってくれていました。だから、僕はブッキングというか、コーディネーターでしたね。
イチロウ
で、そのCDショップをたたんで。でも、ロクスタ.は配信とかをやるお店ではなかったんですよね。
本間
全然そういう感じではなかった。ライヴハウスの近くにお客さんがライヴの前にちょっと寄れるようなお店がなくなっちゃったんですよ。だから、“今までお世話になってきたお客さんのために何かいい方法はないかな?”と考えて、サロンみたいな感じでモニターで映像を流して、ライヴの前に集まって、着替えて、ライヴが終わったらここで打ち上げをするというようなことをやっています。
石田
そうなんですね。帆苅さんに『ロクスタ.ためになる話』を始めると教えてもらい、GargoyleのKIBAさんの回を観て“これは面白いことをやっているぞ”と思って今回の座談会に登場していただいたのですが、このトークイベントを始めた動機はなんだったのですか?
イチロウ
僕がコロナ禍にロクスタ.へ遊びに行った時に趣味がてらツイキャスをやっていたので、場所を利用させてもらったのがトークライヴの走りですね。
石田
そこから今のかたちに発展していった?
本間
そうですね。ここはお客さんが20人入ったらちょっと厳しいくらいのスペースなんですけど、隣に第二スタジオがあって、そこは椅子で24人、立ち見で80人くらいは入れるんですね。そこで配信をやったり、ライヴハウスの半額以下でライヴもやれるので、お客さんが少なくてもメンバーにお金が入るシステムを作らないと、新潟って土地柄的にヤバいかなって。
石田
新潟のシーンを作るため、守るために始めたわけですね。
本間
はい。でも、“守る”というよりは“恩返し”ですね。今まですごくお世話になったアーティストとお客さんなので、継続できる一個の手段です。選択してくれるのはお客さんかもしれないけど、選択されるように努力は続けております。
イチロウ
僕ら的には地方で新宿LOFT/PLUS ONE的なこともやりたいという(笑)。
石田
そこでツイキャスから配信番組に切り替えて、大々的に発信するようになったということですね。
イチロウ
そうですね。最初はトークだけをやっていて、ちょっとアコースティックライヴをやり始めたら、今までのゲンさんの流れでMALICE MIZERのKöziさんとか、Psycho le Cémuのseekさんとか、いろいろな方が出てくれるようになって。
石田
そんな中で帆苅さんはお声がかかった時にどう思いました?
帆苅
まずはゲンさんからお話をいただいたんです。私はTwitterを過去にやっていたんですが随分前にやめまして、イチロウさんはFacebookをやっていたんですが随分前にやめまして、お互いに連絡がつかなくなったんですよ。その後、ゲンさんから“実はドクテロ・イチロウさんと一緒にやってるので、一回会ってくれないか?”という話があって久しぶりにお会いしたんです。ちょっと裏話をすると、ご本人も認めていらっしゃるので言ってもいいと思いますけど、おふたりはあまり仲が良くなかったんですよ(笑)。なぜかと言うと、ゲンさんがRISKY DRUG STOREをやっていて、アーティストのマネジメント的な機能もいくつかやられていて、『ロクスタ.ためになる話』にも出ていただいたL'luvia、Lastierというバンドのマネージメントもやっていらっしゃったんですね。イチロウさんはそのL'luviaやLastierと同時期に活動をしていたんですが、同じビジュアル系でも黒いビジュアル系というんですかね? わりとこういう…
イチロウ
邪道なほうですね?(笑)
帆苅
はい(笑)。L'luviaとLastierは艶のあるビジュアル系だったので、“あんなまともなビジュアル系をやっているところのオーナーとは反りが合わん!”と。逆にゲンさんにしてみると、イチロウさんは全然違うところで活動されているので接点もあまりなく、お互い反目していたわけではないんですけど、微妙な空気感があったとうかがっています。だから、正直言って最初にゲンさんとお会いした時は、“どうしてイチロウさんが一緒にやっているのかな?”という疑念がありました。
イチロウ
新潟でコロナ禍前に『アノラックフェス』というのがありまして(2019年9月に新潟GOLDEN PIGS RED STAGEで開催された『UNKNOWN LUCK FES in NIIGATA2019』)、BUCK-TICKのマニュピレーターの横山和俊さんが主催しているイベントなんですけど、横山さんが新潟出身なので新潟にゆかりのある方が出演していて、僕もゲストで呼んでいただいて、その時にゲンさんが仲介に入っていて久々に再開したんです。その直後にコロナ禍になって会っていなかったんですけど、仲間と“ゲンさんは今何をしてるんだろう?”って話になり、ロクスタ.に顔を出しに行ったんですね。そこでしゃべっているうちに“ここでツイキャスできるんじゃない?”って。これだけいい場所があるのにコロナ禍で何もしないのはもったいないし。そんなところから、ryoくん(HOLLOWGRAM,TAG,DALLE,KEEL)を呼んでトークを始めたのが最初でしたね。それを何回かやって、GASTUNKがニューアルバムを出す時にBABYさんを呼んだんですけど、“だったら本格的にインタビュアーさんを呼んだほうがいいんじゃない?”ってことになってゲンさんが帆苅さんに声をかけたんですよね。
帆苅
私としてみれば、ゲンさんからお声がかかって、イチロウさんもいるのであれば断れるわけがないんですよ。とにかく20代から30代前半はRISKY DRUG STOREでいろんなアーティストの方を招いていたということで一緒に仕事をさせていただきましたし、ゲンさんがいなければ今の私はいないというくらいなので。だから、今回も微力ながら“やらせていただきます”と。イチロウさんともすごくつき合いが長くて、雑誌をやっていた頃に新潟のライヴハウスのページを担当していたのでそこからのつながりで、いろんな楽しい話をしていただきましたし、バンドの紹介もしましたし、結婚式の二次会にも来てもらいました(笑)。そんなふたりなのでふたつ返事で引き受けたという感じであります。
トークライブ&配信
『ロクスタ.ためになる話・第一話』
2021.11.17配信。
ゲスト:マースケ(ex.L'luvia)
MC:帆苅智之、ドクテロイチロウ、
蒼空梯子(パシュミナ)
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他では聞けない話が出くるのが面白いところアーティスト
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