【Psycho le Cému インタビュー】
バンドイメージを
超えていける何かを、
また新しく作っていきたい
L→R Lida(Gu)、AYA(Dance&Gu)、DAISHI(Vo)、YURAサマ(Dance&Vo&Dr)、seek(Ba)
Psycho le Cémuがメジャーデビュー20周年記念配信シングルを表題曲に据え、ライヴ音源もパッケージしたミニアルバム『もう一度、くちづけを』をリリースする。今年は“RESISTANCE”をテーマにビジュアルイメージや楽曲、ライヴスタイルと全方向で新たな挑戦をしている彼ら。新鮮な印象を受けるサウンドに色気あふれるDAISHI(Vo)の歌声が映える楽曲や周年について訊くべく、DAISHI、seek(Ba)、Lida(Gu)の3人を直撃! 20年目のサイコサウンドに震えろ!
曲に込めた愛の幅は
広がっていると思う
メジャーデビュー20周年おめでとうございます! 20周年を迎えての率直な感想はいかがですか?
seek
本当にあっと言う間でしたね。メジャーデビュー記念日の10月2日は日曜日やったんで、“やっぱりライヴがやりたいな”という話になりまして。20年前のデビュー当日に新宿アルタ前のステーションスクエアでゲリラライヴをやらせていただいたので、メンバー全員が“やっぱり新宿がいいな”という想いがあり、新宿BLAZEでライヴをやらせていただきつつ、同日に「もう一度、くちづけを」を配信リリースさせていただきました。
DAISHI
その流れが美しかったよね。
seek
ライヴの最後はデビュー曲の「愛の唄」(2002年10月発表)をやったんですけど、その日だけの特別アレンジで披露したりして。ここまで紆余曲折があるバンドやったんで、当時のことをいろいろ思い出してグッとくるものがありましたね。まぁ、当日はいろんなトラブルがあったので、そんなところもうちのバンドっぽいと思ったんですけど(笑)。
DAISHI
楽屋に入ったら、準備が大変やったと思われるseekがめちゃくちゃイライラしていたもんな(笑)。でも、滑り込みセーフってところでライヴも配信リリースもなんとかなったから、結果オーライですね。
seek
あの日はライヴも面白くて。ギターのAYAくんがいつもステージから早く帰っちゃうという話をMCでしていて、“たまには最後まで残っとけ!”と言ったんですね。“じゃあ、誰が先に帰るか決めよう”みたいなことになり、ステージ上でじゃんけんをしたら、まさかの全員がチョキを出して(笑)。みんなの出した手で星を作っているみたいになっちゃったんですよ。
あははは! めちゃくちゃ仲良しじゃないですか(笑)。
seek
最近、ちょっとシリアスな雰囲気のライヴをやってるんですけど、僕らは結局、にこやかな感じになっちゃうんだなと思いました。
DAISHI
しかも、結構ピリピリした感じでやっていた前半ブロックでAYAくんのギターがトラブったから、“MCでつないで!”とAYAくんに言われて、みんなでしゃべっていたらじゃんけんの流れになっていました。でも、そういうトラブルが起きても何も動じないところも“流石20周年やな”と思いましたね。
多少のことじゃ動じないし、いざとなったらメンバーに任せられるっていう信頼感もありますしね。だから、20年経ってもこうして変わらぬメンバーでやれていて。それをお祝いしてくれるファンがいてというのが何より嬉しいですよね。
Lida
そうですね、本当にありがたいです。20年後の同じ日に新宿に集まってくれて、この5人でデビュー曲を演奏できるというのが一番ありがたい。
20年目の「愛の唄」、DAISHIさんはどんな気持ちで歌いました?
DAISHI
20年経つと同期で残っているバンドってなかなかいないし、ましてや初期メンバーでやっているバンドなんてほとんどいない中、僕らは奇跡的にメンバーが誰も辞めずにやってこられているので、すごく幸せだと思いました。そんな想いを噛み締めながら歌いましたね。
seek
Lidaさんが当時作ったメロディーだったり、歌詞だったりというのは普遍的なテーマだと思うし、そこに古さも感じさせないのは、ずっとやり続けてきているからだと思うし、必ずセットリストに組み込まれている曲だからだとも思うし。演奏しながら“20年間、常に育ってきた曲なんだよな”という気持ちもありました。
DAISHI
20年もやってるんで、「愛の唄」の幅も広がっていると思うんですよ。僕らは男性なので女性に向けた歌ではありますけど、メンバー間の愛であったり、ファンへの愛であったり、曲に込めた愛の幅は広がっていると思います。
すごく素敵な話です。そして、今回はメジャーデビュー20周年ライヴを無事に開催できましたが、2019年の結成20周年イヤーには20周年プロジェクト『TWENTY STORY』を立ち上げて、20のイベントに臨んでいる最中にコロナの流行があって。ツアーやファイナル公演が延期になってしまったり、悔しい思いもたくさんされたと思います。
seek
僕らだけじゃなくて全バンドマンが初めて経験することでしたけど、そんな時にも歩みを止めなかったことがバンド的には良かったんじゃないかと思います。“今の状況の中でどんな活動ができるのか?”っていうところで、今回のシングルもそうですけど、あの時期だから作れた曲もあったりして。あの中で何か新しいことを生み出せるというのも、バンドとしての強みだと思いますね。
今回、『もう一度、くちづけを』のお話を訊くに当たって、あの時期の話や「アカツキ」(2021年11月発売のシングル)の話は外せないと思ったんです。
seek
そうですね。昨年8月に延期になっていた20周年プロジェクトの集大成となるライヴを地元の姫路で2年越しにやることになって、発表した段階では来たいと思っていた人がみんな来れたわけじゃなかったんですね。なので、“今日で僕らの20周年は終わります”というライヴにしたくないと思った時に、“ここから始まるツアーのテーマソングを作ろう”って話になり、そのライヴの最後の最後に出来立てほやほやの「アカツキ」を聴いてもらう演出にしたんです。あの時期、「アカツキ」はテーマ曲として、僕らにとってすごく必要でした。
Lida
「アカツキ」は2020年10月頃にできたんですよ。同時期に他も何曲か作ったんですけど、当時は「アカツキ」と同じような方向に向いた言葉しか出てこなくて。バンドが配信とかで活動してきて、有観客に乗り代わっていった時、僕らにとってもお客さんにとってもひと筋の光を提示する曲が必要だと思ったんです。それが「アカツキ」で。もちろん自分に向けても歌ってる曲でもあるんですけど。
『TWENTY STORY』を2年越しで完結させて、自分たちの中ではひと区切りついた感はありました?
DAISHI
気持ち的には整理できたよね?
seek
そうやね。整理できたし、そのあとすぐ日本全国にライヴで行かせていただけたのも、バンドにとってすごく良かったですね。こういう時期でもライヴを待っていてくれる人がいて、生でライヴを観ていただけるというのが嬉しかったし、また新しいことをやろうという気持ちにもなれた。そこからビジュアルイメージとかいろんなことを引っくるめて、“新しいPsycho le Cémuを作っていこう!”というテーマも見えてきたんです。20周年プロジェクトの時は『勇者物語』というツアーで、デビューした頃の衣装をメインで着てみたりして。みなさんにはPsycho le Cémuに対して、ゲームの世界観であったり、カラフルな衣装であったりというイメージを持っていただけていると思ったので、あえてそういう演出をしましたね。そのバンドイメージを超えていける何かを、また新しく作っていきたいというのが、今年からのテーマなんです。“RESISTANCE”と銘打ってさまざまなチャレンジをやっている最中ですね。クリエイティブなところはメンバーも楽しみながらやれています。
『勇者物語』は結成20周年を迎えた時にかなり強い中ボスに遭遇して、苦戦しながらなんとか倒して新章突入した…といった感じでしたが、今のレベルはいくつくらいだと思います?(笑)
DAISHI
23周年やからレベル23じゃないですか? 『ドラゴンクエスト』で言ってももう中盤くらいやし、結構強くなっていますよね(笑)。ただ、まだまだすごい先輩たちがたくさんいますから。20周年ライヴの日も河村隆一さんから“おめでとう”っていう連絡をいただいたんですが、現役で頑張られている先輩を見ると“まだまだ頑張らないと!”と思いますね。
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自分たちだけで、ここまでできるようになったアーティスト
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