【SUPER★DRAGON インタビュー】
メンバー全員が
“俺たちSUPER★DRAGONが
好きだな”と再確認した
写真上段左より時計回りに、伊藤壮吾、志村玲於、古川 毅、池田彪馬、飯島 颯、ジャン海渡、柴崎 楽、田中洸希、松村和哉
2年半振りのフルアルバムとなる4thアルバム『Force to Forth』。4番目を意味する“fourth”をもじった、そのタイトルが表すテーマは“未来へ進む力”だ。メンバー自身が作詞作曲や制作に深く携わり、海外アーティストとのコラボレーションという挑戦も加わった洗練された10曲には、ストイックに己の道を進み続ける彼らの進化、そしてファンであるBLUEへの愛情がしっかりと表れている。
音楽に対するストイックな追求が
間違っていなかったと再確認できた
2年半振りのフルアルバムは明らかな進化がうかがえるものになりましたね。
古川
月並みですけど自信作です。自分たちのこだわりや理想も年々増しているので、コロナ禍になってからの2年間もとにかくストイックにやってきて、その道のりが間違っていなかったというのを、この一枚で再確認することができました。
飯島
楽曲制作だったり、作詞だったりという面で、メンバー自身がプロデュースしている部分も増えましたし、コロナ禍の期間を使って自分たちのオリジナルの音楽というものを突き詰めていった結果、いろんな楽曲をメンバーの想いも乗せて作ることができたんですよね。
ええ。半分以上の楽曲でメンバーが作詞作曲やプロデュースにかかわっているのには驚きました。
柴崎
1曲目の「Welcome to my hell」は主にジャンくんがかかわった曲なんですけど、ここまで世界観を作った曲は今までになくて、僕も新鮮でした。個人的にもこういったダークな感じは好きですし、ジャンくんワールドが全開ですね。
ジャン
僕の世界観が強いものをSUPER★DRAGON(以下、スパドラ)に落とし込んだら面白いものができるんじゃないかという提案をスタッフさんにいただいて、Geek Kids Clubに声をかけたんです。今までのアルバムやシングルでは自分たちの想いだったり、先に見据えているものをストレートな歌詞で伝えることが多かったんですけど、それをあえてメルヘンの世界に置き換えて。僕ら9人をサーカスショーの団員ととらえて、舐めた気持ちで迷い込んでしまった少年にスパドラの自信だったり、いわゆるすごさを分からせるという裏テーマを持ったものにしたら、今までにないものができるんじゃないだろうかと。そういう曲で始まることで僕らの前に進んでいく姿勢を見せられるし、従来のリスナーにはこの先の展開に対する期待を、初めて聴く方にはインパクトを与えられるんじゃないかということで、1曲目に持ってきたんです。
ファンタジーの世界で地獄へのカウントダウンをしているような世界観ですよね。今回はそんな曲で幕を開けるし、全体的に見てもパブリックイメージであったヘヴィロックとは違う路線を打ち出していて。
池田
もともと僕は“エレクトロダンスミュージックをやりたい”という希望があって、スバドラのコンセプトは“ミクスチャー”だから、できるはずだという確信はずっと持っていたんです。ただ、それを単純なEDMでやるとありきたりな感じになるので、2曲目の「Pioneer(Keep It Real)」は韓国のトラックメイカーNAMELESS aka NLさんと実際に対面で“こういう音がいいです”と提案しながら作っていきました。歌詞に関しても“先駆者であり、軸をぶらさずに自分らしくあれ”ということを表現したいとお伝えしたので、その気持ちを汲んでもらったかたちです。
若干ロマンティックなムードを漂わせつつ、歌詞には“竜の尻尾”や“Go Super Dragon”というワードも出てきますし、他の曲でも“龍”や“SUPER DRAGON”というワードが散見されて、グループへの想いがいっそう強くなったようにも感じました。
松村
まさにそのとおりです。コロナ禍で自分たちの音楽を見つめ直す機会もありましたし、ようやく有観客でライヴができるとなった時に、メンバー全員が“俺たちSUPER★DRAGONが好きだな”と再確認したので。
それこそ「Purple Moon」なんて、明らかにライヴの情景を描いた曲ですもんね。
田中
この曲は僕たちとBLUEに向けた曲で、トラックは彪馬が選んでくれたんですよ。その上で歌詞の世界観はリリックをよく書く和哉だったりジャンくんが率先して、制作サイドに内容を伝えていったんです。
池田
“キャッチーでありつつミクスチャー”という軸のぶれない楽曲が欲しいと考えていた時に、いろいろいただいたデモの中でこのトラックが刺さったんですよね。僕らとBLUEの関係性を歌うこういったリリックは、スパドラの入口になりやすいんじゃないかな?
ちなみに《選ばれし者たち“BLUE”》を受けて《我らは“RED”》とありますが、みなさんはREDだったんですか?
池田
いや、分かんないです。
全員
あははは。
ジャン
まぁ、青と赤が合わさって紫になるっていう、この楽曲のテーマに合わせての表現ですよね。昔からライヴでは青のペンライトを振ってもらっていて、その景色がファンのみんなの存在を一番実感させてくれるものだったから、それで僕らはファンのことを“BLUE”と呼んでいるんです。
じゃあ、メンバーの中で一番REDっぽいのはどなたでしょう?
松村
颯くんかな
柴崎
赤、好きだしね。
ジャン
ついこの間も赤い文房具ケースを持ってきてて、開けたら定規もシャープペンシルも赤だった!
志村
そうだったの!? すごいね!
古川
赤のエアジョーダンも持ってたもんね。
伊藤
確かに!
飯島
赤は昔から大好きなので。一応《我らは“RED”》なんですけど、REDの中のREDかもしれないです!
古川
うちの赤レンジャー(笑)。
意外な事実が(笑)。意外と言えば、タイの人気デュオ・Anatomy Rabbitを迎えた「love or like(Tokyo)」は幻想的かつオリエンタルで、個人的には“SUPER★DRAGONがこんな曲をやるんだ!?”と一番驚きましたね。
伊藤
スパドラっぽい曲から意外に思う曲までいろいろ入っているんですけど、個人的に「love or like(Tokyo)」は好きですね。海外アーティストとの初のコラボ楽曲ということで、従来のリスナー層以外の方々にも聴いてもらいたいですし、東京の街で撮ったMVも好きな感じに仕上がっているので楽しみにしていただけたらと思います。
古川
Anatomy Rabbitは歌にも参戦しているので、いつかステージでも共演できればなと思っています。今、タイとかのアジア圏やヨーロッパで日本のシティポップが再評価されているじゃないですか。その流れもあって昨年は「君は1000%」や「ダーリング」といった1970~80年代楽曲のカバーを出したんです。それは“海外に向けて”という意図が強かったんですけど、MVを出したら意外にも当時のファンの人たちが反応してくれたりもして。
ええ。私も「君は1000%」はリアルタイムで聴いていた世代ですが、サビの《君は1000%》の歌い方が素晴らしくて!
古川
ははは!(笑)そこは確かにレコーディングでも、どれだけ濃ゆくやれるかってこだわりましたね。もちろんBLUEのみんなには“なんでスパドラがこういう曲を?”と疑問もあったと思いますし、「love or like(Tokyo)」はその伏線の答え合わせの意味もあります。こうやって海外の方としっかりコラボして、それを自分たちのものにしていくんだっていう。だから、「君は1000%」もアルバムにはカバーとして最初に出したバージョンじゃなく、フランス人DJのVantageがリミックスしたものを収録しましたし、日本の歌謡文化や日本の良さみたいなものを歌唱でもちゃんと表現しなきゃいけないという気持ちは強かったです。ただ、この曲が最初に送られてきた時は、本当に難しくて! タイのアーティストが作っているので譜割が独特で、日本語バージョンになってからは日本の歌謡曲っぽさもしっかり出たんですけど、かなり試行錯誤しながら歌いましたね。
アーティスト
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