【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#226
作曲家・渡辺宙明の言葉
時間がないからエネルギーをすべてを出し切ったのです
アニメ・特撮音楽の神様と呼ばれる作曲家・渡辺宙明が94歳の時に発刊された『スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全』。インタビューをはじめ本人による楽曲解説、作品リスト、ジャケット写真ギャラリーなど濃い情報が満載で、アニメ・特撮ファンならずとも音楽ファン必読の一冊。今回の名言は、アニメ『マジンガーZ』(1972年〜1974年)の音楽制作秘話からの抜粋である。当初、主題歌は「Zのテーマ」という曲に決まり録音も終わっていた。しかし、急遽ボツになり、渡辺は主題歌をたった1日で作曲する必要に迫られたという。そこで完成したのが、主題歌「マジンガーZ」だった。渡辺は「時間がないからエネルギーをすべてを出し切ったのです。(中略)でも、今使われている主題歌のほうが、たしかに『マジンガーZ』には合っていると思うので、作り直してよかったと思いますね」「かえって、そういう時に良いものができるのかもしれません」と振り返っている。同曲は、今や世界中で愛され歌い継がれるアニメソングの代表曲だ。同著には、歌唱を担当した水木一郎と渡辺の対談も掲載されている。その中で渡辺は「『今度もまた、いい曲を書いてやるぞ』という気持ちはいつでもあります」と語っている。今後も渡辺の活躍を熱望せずにいられない。
1925年8月19日生まれ、愛知県名古屋市出身。作曲家、編曲家。東京大学文学部心理学科卒業後、中部日本放送のラジオドラマ『アトムボーイ』にて作曲家としての活動を開始。1956年、映画『人形佐七捕物帖 妖艶六死美人』にて映画音楽作曲家としての活動を本格化。1950年代後半から1960年代にかけて多くの映画音楽に携わる。1964年、特撮テレビ番組『忍者部隊月光』の音楽を担当。それ以降、『人造人間キカイダー』(1972年〜1973年)、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年〜1977年)、『宇宙刑事ギャバン』(1982年〜1983年)など、スーパー戦隊シリーズ、特撮ヒーロー番組、アニメの分野で膨大な数の楽曲を手掛ける。1967年、サックス奏者・渡辺貞夫に師事しジャズの理論を学ぶ。1972年、テレビアニメ『マジンガーZ』の音楽を担当。その後も数々の名作を残し続けている。2016年、『第25回日本映画批評家大賞・アニメ部門功労賞』を受賞。2019年、文化庁映画賞受賞(映画功労部門)。現在も日本最高齢の現役作曲家として意欲的に音楽活動を続けている。2020年、リズムゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』にて新曲「ヒーローヴァーサスレイナンジョー」(作詞:藤林聖 作曲:渡辺宙明 編曲:大石憲一郎)を95歳にして提供。2021年、『機界戦隊ゼンカイジャー』で『ゴーグルファイブ』から39年ぶりとなるスーパー戦隊シリーズの劇伴を担当。
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