その道のエンターテイナーが集結。一
つ一つのライブがドラマを筒繰り出す
イベント「Unlimited You」公演の模
様をレポート!!
華野ルイ
天へ駈け上がるようなテンポ良い楽曲でも、気持ちは速いビートにシンクロしながらも、歌声は聞き手の心にねっとりと絡みつく。むしろその濃さが、華野ルイというシンガーの歌声に惹かれる要素になっている。いわゆる昭和歌謡やムード歌謡などの艶めいた楽曲に乗せるとハマりそうだが、あえてそこではない華やかな色を求め、異なる色を加えて生まれる化学反応を華野ルイは楽しんでいた。その歌声、耳にこびりついて離れない。最後に歌ったトリップホップ系の楽曲に乗せ美しい声を響かせたときの艶やかさも、とても心地好かった。
華野ルイ
https://twitter.com/louis_kano_rui
https://www.youtube.com/watch?v=hCSp8ngQJ44
主謀者翔馬
主謀者翔馬は、自らを演説家と名乗っている。同時に彼は、浪漫に溺れる詩人でもある。だから主謀者翔馬の歌は、ただ煽動したり、哲学的な問答をぶつけるだけではなく、ロマンチストな面も見せてゆく。もしかしたらナルシスト?!もちろん、そうだろう。だからこそ、自身の世界へ没頭しながら、伝え、届けたい思いを何倍にも増幅した輝きに変えていけるのだろうから。
他者を自身の世界へ巻き込み、思いを共有したり共鳴させてこそ、自らも恍惚に浸れる。自他共に満たされてこそ悦楽に浸れれば、聞き手にも深い感銘を主謀者翔馬は与えてゆく。激しいサウンドで観客たちを跳ねさせながらも、心を論理と浪漫が共存する世界へと連れ出す主謀者翔馬。とても色濃く、癖の強い煽動者だ。
主謀者翔馬
https://twitter.com/shubousha_shoma
https://www.youtube.com/watch?v=yMg_QKqn0vg
士魂流水
最初は佐藤友春が一人で殺陣を披露していたが、途中より女流剣士の遥も登場。厳かな和の音色に乗せ、それぞれが。その後は、互いに刀を交える形で、剣舞を披露していた。2人が刀を交えるうえでも、互いの存在感を生かしたうえでのやりとりを、最初はゆっくりと円舞。その後、実際の勝負に見立て、早い動きで、互いに刀を交える姿を見せてゆく。殺陣の講習を受けながら、それを徐々に実践へと発展させてゆく流れを士魂流水はパートナーを交える形で示していた。
時代劇映画やドラマでよく見る戦いの場面の真剣さを、舞うというパフォーマンスを交えた形で士魂流水は見せてゆく。後半には扇子を用いた円舞も登場。その一挙手一投足から目が離せなかった。
士魂流水
https://twitter.com/shikonryuusui
https://www.youtube.com/watch?v=uZRdb6cvQao
ILLUSION FORCE
MC では、Yuya Shiroumaru がとにかくよくしゃべっていた。ギターの卓越したテクニシャンぶりもさることながら、卓越した?話術も備えているギタリストだ。
メロディックなメタルバンドの特筆すべき点を示すかのように、アコースティックなスタイルにしたことで、よりメロディーの良さやヴォーカリストとギタリストのテクニシャンぶりが露になったのも嬉しい見どころであり、聞きどころ。細かい変拍子繰り出す展開もさらに明瞭に見えてきたのも、この編成だからこその特色だ。北欧系の香り見える民族音楽的な要素を折り込んだ勇壮な曲調も示せば、最後はオケを背景に Jinn が熱唱。このライブを見たことで、ますます ILLUSION FORCE としてあるべき姿でのライブが見たくなった。
ILLUSION FORCE (Acoustic)
https://twitter.com/ILLUSIONFORCE
https://www.youtube.com/watch?v=1OtnunJi-M4
GeeSLY
実力派のパフォーマーたちが集結したグループというのを示すように、一人一人の動きがとにかくダイナミック。細かい様々なフォーメーションを見せながら、目にも鮮やかな一体化したダンスパフォーマンスを彼女たちはドラマチックに描き出す。もちろん歌唱面でも、激しい動きにも関わらず音程乱れぬ歌声を響かせれば、とても挑発的かつ魅惑的な歌としても心を騒がせる。楽曲も、耳心地好いメロディアスさを持ちながらも、低音ビートも効いた強烈で刺激的なスタイル。ライブを見ていると、とてもセクシーで大人っぽいが、MC では可愛らしいアイドル然とした面も見せてゆく。そのギャップも GeeSLY の魅力だ。
かなりレベルの高いダンスを見せながらも、真似しやすい振りもしっかり組み込んでゆくように、どんな人でもすぐに彼女たちの動きを真似ながら、一緒にライブへ参加していけるのが嬉しい。どの楽曲も、身体を騒がせる刺激を持ちながら。同時に、キャッチーな歌も魅力にしているように、とても身近な存在として接していける。
後半には、タオルを用いた楽曲も披露。見せるだけではなく、常に観客たちとの一体感を大切にしたライブを GeeSLY は作りあげてゆく。最後に披露した「DESTINY LOVE」のようなチャーミングな楽曲を通し、彼女たちの等身大さを感じていた。格好いいから愛らしいまで、多様な表情を見せる GeeSLY。彼女たち、まだまだ奥が深そうだ。
GeeSLY
https://twitter.com/GeeSLY_official
https://www.youtube.com/watch?v=UkzAPdlhHFU
狐火
物腰柔らかいトークも魅力的。でも、一度音楽に乗せ始めたとたん、狐火は人生という物語を語るように、早口で次々と思いをぶつけだす。嬉しいのが、とても言葉が明瞭なこと。思いを伝えたいからこそ,ラップという思いをたくさん詰め込んだスタイルを狐火は選んだんだと思う。あとで歌詞を読めではなく、その場で、初めて触れる人にも、しっかりと思いを伝えるラップを彼は見せていた。狐火はラッパーであり、メッセンジャーだ。自分の不格好な生き方を、狐火は赤裸々にぶつけてゆく。届ける楽曲に込めた思いも MC で語りつつ、30 分という与えられた時間の中、狐火は自分の生きざまを吐き出していた。どんな人にも、人生というドラマがある。決して人生に秀でた存在ではない。でも、自分を光らせるラップという術を得たことで、彼は自分の人生に輝きを当てることが出来た。どの楽曲も、とても生々しい。だからこそ、彼のひと言ひと言を寸分も聞き漏らしたくなかった。
狐火がライムしているのは、とてもプライベートな人生だ。でも、そこへ自分の人生も重ねて耳を傾けてしまうのは、彼が”その他大勢”の人たちの生き方をリアルに歌の中へ映し出しているからだ。狐火のライブを見ながら、いつしか狐火の姿が滲んで見えていたのは、きっとそういうことだ。 自ら涙を流しながらライムする姿が、とても格好いい。心を揺さぶる言霊が、狐火のライブにはたくさんあふれている。その言葉をすべて零すことなく受け止めていたかった。
狐火
https://twitter.com/kitune_bi
https://www.youtube.com/watch?v=ognxYXyMwCQ
Yo-Yo Entertainer TOMMY
ライブでは、自らヨーヨー技法の様々な技の説明し,技の名前を連呼しながら、目にも鮮やかで卓越したヨーヨープレイを実施。Yo-Yo Entertainer TOMMY は、競技用のヨーヨーはもちろん、木のヨーヨーを用い、普通の人なら難しいプレイも難なくこなしてゆく。しかもプレイしながら、さりげなく笑いを取ってゆくところがエンターテイナーな面。
最初はオーソドックスな、でも、素人からすると驚異的なプレイから始まり、どんどんプレイの難度を上げてゆく。どのプレイもすごい。すごすぎて、圧倒されっぱなしだ。特に、難易度の高いプレイを音楽に乗せ立て続けにプレイしてゆく面では、誰もがその技へ釘付けになっていた。人は不思議なもので、自分の理解の範疇を超えたプレイを次々目撃していくと、何を驚異的な基準にして良いのかわからず、ただただ圧倒されるまま目の前の世界へ見入ってゆく。 Yo-Yo Entertainer TOMMY は芝居仕立てのプレイとして見せてゆくこともあり、いわゆるマジックショーと同系列の驚異的なエンターテイメントショーとして楽しめたのも、見ていて嬉しいこと。中でも、タワーにしたグラスを上に置いたテーブルクロスを、ヨーヨーでテーブルクロスだけを引き抜く技には、場内からもつい「おーっ!」と声が漏れていた。ヨーヨーの両刀使いなど、終始、視線が舞台に惹きつけられていた。
Yo-Yo Entertainer TOMMY
https://twitter.com/tommy_yoyo
https://www.youtube.com/watch?v=yMg_QKqn0vg
カラフルパレット
途中、三線とアコギとのデュエット演奏も登場。誰もが日々心の中に抱えている小さな悩みにこそ、カラフルパレットの歌は寄り添ってくれる。歌に必要なことは決して壮大なテーマではない。むしろ、弱い心にそっと手を伸ばしてくれる身近な相談相手のような歌にこそ安心を覚えるし、気持ちが救われる。だから、カラフルパレットの歌を耳が、心が追いかけてゆくのかも知れない。楽曲に込めた思いをMCで聞きながら、そのうえで曲に触れると、さらに一つ一つの歌が心揺さぶるドラマとして胸に響いてきた。しかも 2 人のハーモニーが、人生のドラマに美しい色を寄りそえてゆく。いつしか瞼が潤っていたのも、彼らの真っ直ぐな思いに心打たれていたから。今日は最高の日だ!!
カラフルパレット
https://twitter.com/calapale_info
https://www.youtube.com/watch?v=e11BbLRumBM
Hexa Beat
後半には音楽を用いず、タップダンスのみのハーモニーで楽曲を作り出すパフォーマンス面も登場。タップダンスという魅力を、いろんな角度から Hexa Beatは伝えてゆく。「紅蓮華」など、様々な人気曲を用いながら、タップダンスはとても身近にある音楽表現であり、見ている人たちの心をほっこりさせるエンターテイメントなショーであることを Hexa Beat は伝えてくれた。
Hexa Beat
https://twitter.com/Hexa_Beat
https://www.youtube.com/watch?v=Os1fQS3Y_mQ
TEXT:長澤智典
【概要】
https://club-science.com/
Hexa Beat presents
「Unlimited You vol.3」
※有観客&生配信
<出演者 Teaser 動画>
https://www.youtube.com/watch?v=h0rKmQJ1_k0
配信 3,000 円(ツイキャス プレミア配信)
https://twitcasting.tv/c:clubscience/shopcart/105446
(公演後、2 週間アーカイブ視聴可能)
※文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
主催:Hexa Beat
制作:株式会社レゾナンスクリエーション協力:胎動LABEL
Tags: Unlimited You vol.3
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