Base Ball Bearの若さ漲る
傑作『C』に
パッケージされた熱情と疾走感
剥き出しのサウンドとアンサンブル
オープニングはM1「CRAZY FOR YOUの季節」。この『C』に収録されているのは<Album ver.>となっていて、本作に先駆けて“Introducing Album”としてリリースされた『バンドBについて』でもオープニングを飾ったナンバーの別バージョンである。だが、それこそパンクがレゲエになったような大きな変化は感じられず、というか、この楽曲の特徴のひとつと言える疾走感はあえて変えてないようだ。とにかくグイグイくる。ギターは細かい単音弾きで様々なフレーズを聴かせてくれているし、ベースも結構激しく動いている。ドラムはAメロではハイハットを細かく刻みつつ、サビ前ではタムを多用するなど、こちらもなかなか忙しい。各々はなかなか手数が多いのだが、パッと聴いた感じは全員が全員、前のめりにガンガンと進んでいく感じで、そこがかなり特徴的だと思う。何か難しいことをやっているという印象はほぼなくて(実際には決してそんなことはなく、前述の通り、各々いろいろとやっているのだが、)、とにかく各メンバーが音をかき鳴らしている印象の方が強い。みんな、音を出したくて仕方がなくて出しているーーそんな感じだ。
その疾走感は続くM2「GIRL FRIEND」でも衰えない。厳密に言えば、M1よりは若干BPMは下がってはいるようだが、落ち着いたところはまったくない。イントロ~Aメロではエレキ、ベース、ドラムのユニゾンで一丸となったバンドサウンドが楽曲を引っ張りつつ、Bメロ以降はパンク的なリズムも聴こえてくる。歌は転調もするが、演奏にはあまりギミックは感じられず、いい意味で剥き出しのサウンドとアンサンブルである。テクニカルではないけれど、だからこその良さが確実にある。
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1stアルバムらしいアルバムアーティスト
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