【INTERVIEW:TENDOUJI】
出会った音楽が今、
自分の人生になっている
TENDOUJI
モリタナオヒコ(以下、モリタ):先輩アーティストとか有名な方々が出演されているイベントというイメージがあったので、“俺たち売れてるのかな?”って思って嬉しかったですね(笑)。
ーー出演されてみていかがでした?
アサノケンジ(以下、アサノ):みなさんすごく良くしてくれて、楽しいし気持ちよかったですね。芸能人になったみたいな(笑)。
ヨシダタカマサ(以下、ヨシダ):先生方も学生さんもほんとに熱量がすごい。ああいうのを見ていると熱を持って何かに取り組む姿ってかっこいいし、それが正義だなって思います。
オオイナオユキ(以下、オオイ):準備のためにスタッフさんがたくさん動いてて、終わったら片付けも大変だよなって、色々考えることがあって逆に勉強になりましたね。みなさんがプロになった時にどこかで逢えるかなって思ったら楽しみです。
モリタ:古いパンクサウンドみたいな感じが好きで作りました。歌詞は昔から思ってたことを引っ張り出して、自分の感情を取り戻すみたいなテーマですね。
ーー取り戻したかった感情というのは?
モリタ:自分は周りの人間の評価とかをすごく気にするタイプなんですけど、20代の時に感情が押しつぶされていたような時期があったんですよね。その時の元々あった自分の感覚を取り戻したい、返せって感じの怒りですね。
ーー自分の過去に対する怒りの曲なんですか?
モリタ:音楽ってどうしても世の中への恨み辛みから出来てたりするものが多いんですよね。だけど、そういった10代、20代で思う反骨心のような貴重な感情は歳を重ねると減ってくるし、悲しいことに戻ってくるものでも無くて…。そういう過去の感覚をいくつになっても引っ張り出して、今の自分に還元できる人が優れたアーティストだと思っているので、自分でも昔の感情を思い出す作業を結構やってたりしますね。
ーーそういうことなんですね。普段、楽曲を制作するときのメンバー間での役割分担はどのように決めているんですか?
モリタ:メインとなるのはモリタ、アサノの2人が書いてて、書いた方が歌う、作詞もする、アレンジもなんとなく考える、プロデューサーとも話し合って完成に向かっていくって感じで、基本的には作った人が歌うっていうスタイルですね。
ーー歌詞が全て英語で印象的ですが、意識されていることは?
ヨシダ:最初の頃はあんまり無かったんですけど、印象的な歌いやすい言葉を入れるってことは考えていますね。日本人が発音しやすい英語とか、普段しゃべっててよく使う英語は必ず入れるようにしてますね。
モリタ:初めてドラムのオオイが作曲をします。
オオイ:まだ途中なんですけど、色々と考えています。
アサノ:あと、全く出してない曲がたくさんあるので、新曲がいっぱい入っているアルバムになると思います。そこは期待して欲しいですね。
ーー自分たちの作品をどんな人に聞いてもらいたいとか考えることはありますか?
モリタ:誰にでも聞いて欲しいですけど、暇な人ですかね。自分は暇な学生時代に音楽をたくさん聞いて、その時に出会った音楽が今、自分の人生になっているので。
ーーライブに関してもお聞きしたいのですが、コロナ禍のライブでは制限があると思いますが、歓声が聞こえないライブではどのようなことを感じていますか?
モリタ:その質問すばらしいですね。最初はすごい違和感がありました。だけど、人間って慣れていくもので、これはこれで一個の形というふうになりました。復活して歓声を浴びた時のとんでもないエネルギーに、果たして自分がまともに立っていられるのか考えちゃいますね。リハビリが必要というか…。とはいえ早く戻って欲しいですよね。
オオイ:僕は頭で歓声が鳴ってるんですよね。ドラムなんで、普段から一番客席から遠くてあんまり見えてないっていうのもあり。
アサノ:ライブって声を出したり身体を動かすことでエネルギーが発散されて成り立っているんですけど、それがなくても満足できるものを4人でやろうと考えられるようになったのは良かったことかな。
アサノ: 4人ともめちゃくちゃ目立ちたがり屋でもないし、ひとりでエンターテイナーとして立っていられる人間でもないんです。だけど、TENDOUJIを知らない人が沢山いるライブとかもよくあるので、そういう時にも負けない心を持つっていうことは常に課題ではあると思います。メンタルが弱いので、4人とも(笑)。
モリタ:最後に普通にライブができたのって去年の2月なんです。口では“今日死んでもいいくらいやるぞ”とか言っていたんですけど、コロナの影響で本当にその日が最後になるかもしれないって可能性を知りました。いつも来てくれるお客さんがいつ来れなくなるかもわからない、見てくれる最後のチャンスかもしれない、と感じるようになってからは一回一回スペシャルなものにしようと思いますし、さらに覚悟を強めて、常に最高のパフォーマンスをしようと考えてやっています。
ーーそのようなバンド活動や音楽を通じて、学生や若い人に対して伝えたいメッセージはありますか?
モリタ:“バンド活動を遅く始めて(28歳)怖くなかったですか?”とよく言われるんですけど、本当に全く怖くなくて。むしろ好きなことをやっていなかった時間の方が怖いんですよ。その時の思い出が抜けていて、記憶にもないんです。だから、年齢とか関係なく一番興味のあることに進んでいく方が間違いなくいいと思います。特にこれから学生の皆さんは就職したり、自分で何か始めるなど色んな選択があると思いますが、自分の感覚を大切にして好きなものに素直でいることが大事だと思いますね。
ーー励みになりますね。では最後の質問になりますが、あなたにとって音楽とは?
モリタ:俺は坂本慎太郎さんというミュージシャンの方が言っていた“音楽っていうのは、無駄なものである”という言葉が好きで。音楽はあってもなくてもいいものだけど、無駄なものがたくさんある世界はすごく素敵で平和であるってことだと思っていて。だから音楽は平和の象徴的なものでもあると思っています。良い意味で今は音楽や芸術は無駄だなと思っていますね。
ヨシダ:僕を人間として成立させてくれる大きな要素の一つです。音楽がなかったら僕は本当に感情がないんです。漫画とか映画でも感動はするけど、音楽が結構大きなところを占めていますね。音楽がなかったらもっとつまらなかったですね。
アサノ:僕は音楽を作るのが好きだし、バンドもやりたいしっていうので、自分が好きな人と一緒に楽しむために必要なものって感じですね。
オオイ:僕にとって音楽は、パーティーグッズです。人によってはすごく大事だ、核であるっていう人もいるけど、俺にはそうでもなくて。人が居てなんぼだなと思っています。楽しくなればいいじゃん! のひとつの遊び道具みたいなものだと思っています。
モリタ:そういうところがお前のいいところだよね。
アサノ:音楽の楽は楽しいって書くしな(笑)。
撮影:キセキミチコ
アーティスト
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