【LACCO TOWER インタビュー】
どれだけ新しい
エンターテインメントを
届けていけるかが大事
L→R 松川ケイスケ(Vo)、塩﨑啓示(Ba)、真一ジェット(Key)、重田雅俊(Dr)、細川大介(Gu)
メジャーデビュー5周年を迎えたLACCO TOWERが、完全生産限定の黒白極撰曲集『闇夜に烏、雪に鷺』をリリースする。メジャーデビュー後の楽曲をDisc1【黒盤】とDisc2【白盤】に11曲ずつ選び抜き、リマスタリングして収録。さらに16曲のMVを収めたDisc3もついた豪華な作品について、松川ケイスケ(Vo)と細川大介(Gu)が語ってくれた。
LACCO TOWERが思う
LACCO TOWERってこうなんです!
コロナ禍においても配信ライヴをはじめとして、工夫を凝らした活動をしているLACCO TOWERですが、ご本人たちにとってはどんな一年でしたか?
松川
これまでは全速力で走ってきたがゆえに見えないことがたくさんあったんですけど、それを強制的に止められたので、周りがちゃんと見えたというか。そういうのを見ようとしていなかったので、“ちゃんと見なさいよ”って言われたような一年でしたね。
細川
僕たちってバンドマンであると同時に、会社(LACCO TOWERの事務所、アイロックス)を設立しているので会社員でもあるんです。コロナ禍以前は、ツアーをやっていれば、仕事をしているっていう自己満足になっていたんですけれど、それができなくなっちゃって。そうなった時に“会社員として何ができるか?”っていう。事務所としてLACCO TOWERをどう存続させていくかを考えた一年でした。
バンドの地元の群馬で主催されているフェス『I ROCKS 2020』は中止になりましたが、早々に『I ROCKS 20&21』を2021年に開催することを、2020年の6月ぐらいに発表されていたじゃないですか。音楽ファンに向けて一年後の希望を見せる決断が素晴らしいと思ったんですが、あれはどういった考えによるものだったんですか?
松川
希望を見せたいっていうのもありましたし、自分たちが見たいっていうのもありましたね。来月、再来月のことが社会的に分からない状況で、一年先のことを決めるか決めないかっていう判断を迫られたわけですけど、やっぱり来月にディズニーランドに行くとか、来週に誰かの誕生日があるとか、そういうことで人って頑張れるので。結構ドラマチックでした、あの時は。思い切って先の予定まで決めちゃったことが、チーム的には功を奏したのかな?
また、2020年は新曲もコンスタントにリリースしていたじゃないですか。コロナ禍は創作にも影響を及ぼしましたか?
松川
今回からスケジューリングとかも含めて、制作は全て大介が引っ張ってくれることになったんですよ。メンバー同士なあなあでやっているところも正直あったんですけど、そこが変わりましたね。
細川
もともと会社なので、みんな役割があるわけですよ。それこそメンバーの中に経理もいますし、僕は広報を重点的にやっていたんです。でも、スタッフが広報チームに入ってくれたので、広報をお願いする代わりに、これから制作がバンドの中で大事になってくると思ったから、自分からやらせてほしいってお願いして。例えば、コロナ禍になっても絶対に曲は作るんですよ。それしかできないから。でも、ただ新曲を出すだけだと、その先につながっていかない。だから、“こういうアルバムを出していこう”や“この新曲は今回のアルバムには入れない”とか、そういうことを早い段階からスケジューリングしていきましたね。
とても建設的ですね。曲や歌詞、そのものに関するコロナ禍の影響は感じますか?
松川
歌詞は感じますね。バンド活動がコロナ禍でできなくなって…みんな困っているように見えますけど、本当に困っているバンドって見えてこないんですよね。第三者の力が大きいバンドは企画やイベントで白羽の矢が立つことも多いですけれど、そうじゃないバンド…ライヴハウスで頑張っている奴らが困っている局面を目の当たりにしたというか。僕らはその中間にいるので、そういう状況や立場でしか書けない歌詞があるとは感じていました。
そういうバンドにとっても『I ROCKS 20&21』を開催するという予定は光になったんじゃないんでしょうか?
松川
そう言っていただけるとありがたいです。
細川
歌詞って一番届きやすいじゃないですか。「歩調」(2020年4月配信)も本当は配信の予定はなかったんです。でも、あの歌詞ができて、コロナのこともあるから、すぐにリリースしようよってなったんです。あの歌詞じゃなかったらリリースは遅くなっていたかもしれません。
「歩調」も含めてコロナ禍だからこそ響く歌詞がLACCO TOWERは多いと、私も改めて感じていました。
松川
「歩調」はコロナ禍前に書いたんですけどね。日本語で“これはこれ”って言い切らない表現が好きだったりするので、その時の状況に合わせて、みんながいろいろと変換してくれるのかな?
バンド自身にとってもメジャーデビュー5周年という節目なんですよね。今回の黒白極撰曲集『闇夜に烏、雪に鷺』はコロナ禍以前からリリースが決まっていたものなんでしょうか?
細川
ではないです。実はニューアルバムを出す予定もあったんですが、状況が状況なので変えていかなければならないと。こういった事態や災害があった時って、みんな生活が一番になってエンタメは後回しになりますよね。そういう意味で、今はニューアルバムを出す時期ではないと。そこで、2021年はどうやって戦っていくかっていう時に、原点に立ち返るじゃないですけど、LACCO TOWERってこういうバンドなんだっていうことを、もう一回みんなに周知してもらいたいと思ったんです。5周年っていうのもあるし、“LACCO TOWERが思うLACCO TOWERってこうなんです!”っていうアルバムを提示したかったんですよね。だから、コロナ禍以前に決まっていたものではないし、ベスト盤でもないんです。
ベスト盤と明記していないところには、そういう理由があったんですね。その上で、黒盤と白盤の2枚組にして、楽曲を色分けするというのも必然だったんでしょうか?
細川
そうですね。
昨年の配信ライヴ『黒白歌合戦』も黒と白に楽曲やイメージを分けた2デイズで行なわれ、黒と白というのは今のLACCO TOWERにとって大きなコンセプトになっていますが、そもそもこれはいつぐらいから生まれたんでしょうか?
松川
じわじわですね。長く活動させていただいているので、なるべく俯瞰で自分たちを見た時に、“こう切り取って表現すると分かりやすかったりするのかな?”っていうので生まれてきた感じです。
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