【佐咲紗花 インタビュー】
ファンとともに歩んだ10年は
ダイアモンドに輝く日々の記録

佐咲紗花

今年1月にデビュー10周年を迎えた佐咲紗花が、初のベストアルバム『SAYABEST 2010-2020』をリリースした。彼女が歌ってきた人気のアニソンやゲーソン、さらに本人が作詞を手がけた新曲「ダイアログ」も収録した3枚組全50曲。10年の感謝の気持ちが込められた新曲について、10年の想いとともに語ってもらった。

手をつないで地平線みたいに
並んでいるイメージ

デビュー10周年ですが、どんな10年でしたか?

順風満帆ではなかったと思います。水前寺清子さんの「365歩のマーチ」の歌詞のように、“三歩進んで二歩下がる”みたいな。自分の中では“今、すごくいい感じだ”と思っていたら、全然そうじゃなかったとか。どんどん前に進んでいるなぁという感じはなかったです。

その状況は苦しいものでした?

苦しいというか、悩みはしましたね。“私に足りないものは何だろう?”って。なので、いろんな方のライヴを観に行ったり、ジャンルに関係なくその時に活躍されている方のインタビューなどの発言に注目したり、どなたからでもいいから何かを吸収したいと思っていて、とにかく研究の日々という感じでした。

それによって前に進むことはできましたか?

…進めていればいいなって。今も自問自答しているし、今も正解が分からないし。例えばひとつのお知らせを伝えるにしても、どういう伝え方をすれば一番喜んでもらえるのかをすごく考えます。ただ伝えるとか、ただ私の気持ちを伝えるだけじゃなくて、みんながドキドキワクワクしてくれる言い回しはないかと。みんなが何を望んでいるのか、もっと分かるようになりたいです。

全てはファンの喜ぶ顔が見たいがためなんでしょうね。今の佐咲さんにとってファンの存在はどういうものですか? 力を与えてくれる源みたいな感じですかね。

2枚目のアルバム『Daybreaker』(2013年5月発表)を出した時に“みんなを引っ張って、夜明けを連れてくるような存在になりたい”と言っていたんですけど、振り返ると“引っ張ってきた”と言うよりも、みんなと一緒に歩いてきたと思うんです。だから、ファンがパワーの源というよりも、みんながいてくれることが私の世界になっています。仲間とか家族とかと同じで、一緒に歩いていきたいと思う存在です。それも後ろに引き連れるのではなく、真横に手をつないで地平線みたいに並んでいるみたいなイメージです(笑)。

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