【ONE N' ONLY ライヴレポート】
『1N' 2N' ONE N' ONLY!!
~Special Live~』
2020年9月23日 at 配信ライヴ
2020年9月23日 at 配信ライヴ
2018年の始動から、わずか1年でシングル2作連続オリコンウィークリーチャート1位の偉業を成し遂げ、公式YouTubeで公開されたMVには海外からのアクセスが殺到。合計再生回数が1000万回を突破するなど、国内外から注目を集める6人組ダンス&ヴォーカルユニットの最大の魅力は、情感豊かなヴォーカルと躍動感あふれるラップ、さらにそれらを巧みに織り込んだ、攻撃的でスキルの高いダンスパフォーマンスだ。しなやかなモーションに野獣のような危険な香りを漂わせ、メンバーがふた手に分かれてダンスバトルする間奏に入ると、画面は照明の光で真っ赤に。そして、HAYATOの咳払いをきっかけに2曲目の「Dark Knight」が始まるや、画面は一気にフルカラーへと転換! 間髪入れずパワフルなラップが爆発し、全身黒の衣装に緑、紫、ピンク、オレンジ、茶色、黒と、それぞれに色の異なるヘアカラーが目に飛び込んでくるという目にも鮮やかな演出に、完全に心を鷲掴みにされてしまう。
ゆるやかな助走から一気にアクセルを踏み込むような展開で、KENSHINが“暴れろ、お前ら!”と一喝し、《ヤバすぎるShow timeヒラけ》という歌詞を現実のものとすると、続く「Breathe」では一転。息もできないほどの恋情を歌うエモーショナルな世界観とうなじを撫でつけるような仕草で、観る者を釘付けにしてゆく。ちなみに4月に発売された1stアルバム『ON’O』に収録されている本曲は、この日がライヴ初披露。直後のMCでNAOYAが“香水つけてるように見えた”という視聴者のコメントを拾った通り、サビの動きは香水をつける動きを模しているとのことで、メンバーも“香水ダンスって流行りそう”“バズらせていこう”と盛り上がるのが微笑ましい。
“(配信ライヴの)2回目ができるのは、1回目でみんなが観てくれたから”とNAOYAが感謝を表しての「Don’t worry」では、流れるようなマイクリレーで切ない感情を途切れることなく歌い上げ、クライマックスではTETTAの美しいファルセットで聴く者の胸を締めつける。そんな自らの心象風景に入り込んだかのような表現で魅せる一方、「LA DI DA」では紫のライトで妖しく不穏なムードを醸し、ステージに上がってメンバーを接写するカメラに向かって次々と挑発的な表情を向けるという、真逆のベクトルで魅了。これだけのギャップを一瞬にして具現化できるのも、配信ライヴならではだろう。
ここで照明が明るくなり、1週間前に結成が発表されたばかりの11人組ダンス&ヴォーカルグループ・BUDDiiSが登場。リーダーのFUMINORI(ex.PRIZMAX)が“Everybody楽しんでいきましょう!”と号令をかけて、なんとONE N’ ONLYの「Everything’s Changing」をカバー披露して驚かせる。KEVINとMORRIE(ともにex.PRIZMAX)の伸びやかな歌声を軸に初々しく、けれど確かなパフォーマンススキルを感じさせる彼らは、ONE N’ ONLYの弟分として、このステージをお披露目に選んだとのこと。曲終わりでいつもEIKUが笑顔を向けるターンでは、最年少15歳のFUMIYAがフレッシュにピースして、最高に爽やかなスタートダッシュをしてみせた。
そして、グリッターなジャケット&デニムパンツに着替えたONE N’ ONLYの6人が、会場のライヴハウスに「POP! POP!」を歌いながら再び入場。客席フロアを広々と使いながらカメラに笑顔を向け、まるで恋人に甘い言葉を囁くように歌いかけてくれるのだからたまらない。かと思いきや“画面越しのみんなも騒いでいこうぜ!”というREIの掛け声で始まった「JUST LIKE ME」では、色気たっぷりの歌とユニゾン、さらにセクシーなダンスで視聴者を悩殺。やさしい彼氏が突然、激情を露わにしてきたような展開で戸惑いとギャップ萌えを与えてくれるのだから、SNS上にも興奮気味のコメントがあふれ返る。ちなみに「JUST LIKE ME」はもともとTETTA、REI、NAOYAが所属するEBiSSHの楽曲だったが、この6人でのONE N’ ONLYバージョンに生まれ変わって10月14日に配信リリースされることも後のMCで発表。特に2番のAメロは大幅改変され、HAYATO&KENSHINのラップが牙を剥いているので要チェックだ。
続いてアルバムのリード曲「Shut Up! BREAKER」では、社会の不条理への憤りを歌ったリリックがステージ上でダイナミックに躍動する6人に被り、その怒りをダイレクトに伝えて、ここでも配信の強みを発揮。汗だくになりながらNAOYAが読み上げる“盛りだくさんすぎて感情が追いつかない”“見入ってコール忘れてた”“演出ヤバすぎる”といった視聴者コメントにも、まったく同意するほかない。さらに“オンラインライヴ、全国で盛り上がっていきましょう!”というTETTAの呼びかけを叶えるべく、メンバーコールを繰り返した「HOLIDAY」ではEIKUが“みんな一緒にクラップしよう!”と誘ったり、KENSHINがフロアーでライヴ見学中のBUDDiiSメンバーに呼びかけるシーンも。そして、“みんなに僕たちのハート届けるね”とNAOYAが前置いた名曲「My Love」では、REI、TETTA、EIKUの3ボーカルが心蕩けそうな極上の歌声を聴かせ、最後には6人で大きなハートを作り、大きな愛のうちに本編を締め括ってみせた。
映像が終わってもやまない“アンコール!”の声ならぬコメントに応え、再びカメラがステージを映し出すと、蒼い光に照らされた6人は「Bla Bla Bla」をパフォーマンス。失った人への想いを歌うバラードでREIの振り絞るような歌唱が切なさを嫌でもかき立て、フロアーへ降りたメンバーの背後には、星空のようにきらめく電飾が。本編のさわやかなエンディングから一気に感傷的なストーリーへと沈む流れは、まるで夏から秋へと移り行く季節とシンクロするかのようで、大きな感動を湧き起こしてくれる。そして、“早くみんなに会いたい”と切望しつつ、今回のライヴが海外に向けても発信されていることを踏まえ、HAYATOは“世界のみなさんにも愛されるようなグループになっていきたいので、これからも応援よろしくお願いします!”と決意表明。最後は海外人気も高いONE N’ ONLYのキラーチューン「Category」でブチ上がり、掛け声がリアルに耳に飛び込むエネルギッシュなパフォーマンスで“やり切った!”と声を発したメンバーの顔には、確かな達成感と充実感が浮かんでいた。
アルバム発売後に予定されていた春の全国ツアーも中止になり、ステージに立つ機会を失いながらも、着実な成長を見せる6人の姿にSNS上でも驚きの声が数多く上がっていたのは、今回のライヴで特に印象的だったこと。ライヴ中にHAYATOは“みんなの前で1日でも早くライヴができるように、僕たちと一緒に頑張っていこう”と告げていたが、再会の日までのどれだけの進化を遂げてくれるのか、今から心待ちにしていたい。
取材:清水素子
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