カーラ・ボノフの
ソロデビューアルバム
『カーラ・ボノフ』は
傾聴すべき名曲が満載
ストーン・ポニーズとブリンドル
ブリンドルはアンドリュー・ゴールド、ウェンディ・ウォルドマン、そしてカーラ・ボノフ、ケニー・エドワーズの4人組である。メンバー全員が個性的なシンガーソングライターであり、楽器やコーラスも巧みにこなせる新しいタイプのユニットであった。ブリンドルは大手レコード会社のA&Mと契約、70年にはシングル1枚をリリースするのだが、クロスビー・スティルス&ナッシュの『クロスビー・スティルス&ナッシュ』(‘69)、ジェームス・テイラーの『スイート・ベイビー・ジェームス』(‘70)、キャロル・キングの『つづれおり』(‘71)などと同時期のレコーディングであり、SSW系サウンドに注目が集まる直前のことであったから、ポップス中心のアーティストを取り扱うA&Mでは彼らをうまく売り出すことができず、グループは解散してしまう。
コーディネーター、ケニー・エドワーズ
すでにロンシュタット作品に参加していたウォルドマンと同じく、仲間のカーラ・ボノフが優れたソングライターであることを証明しようと、エドワーズとゴールドはロンシュタットにボノフの曲を聴かせてみた。するとすぐに「他にはないの?」と催促され、ボノフ本人にデモ演奏を依頼している。そして、『風にさらわれた恋』で3曲も起用されることになるのである。これはエドワーズのコーディネーター的手腕が存分に発揮されたエピソードだと思う。結果、ロンシュタット作品にブリンドルのメンバー全員が関わることになる。
ゴールドとエドワーズはこの後も継続してロンシュタットのバックを務め、ウォルドマンはワーナーと、ボノフはコロンビアとそれぞれ契約が決まるのである。多彩な音楽性を持つウォルドマンがワーナーというのは理解できるのだが、ボノフがアサイラム向きのSSWなのは明らかなのに、なぜアサイラムと契約しなかったのか、僕は今でも不思議に思っている。
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本作『カーラ・ボノフ』についてアーティスト
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