「空想庭園依存症」の歌詞を考察。理
想にすがり続ける少女の結末とは?
「空想庭園依存症」の歌詞を考察。理想にすがり続ける少女の結末とは?
受け入れられなくなる少女の「理想」
この曲の主人公は、自らの望む世界を求めて空想庭園に足を踏み入れた1人の少女。
MVをみると、左手には羽でできたペンらしき物を持っています。
その姿から、少女は物語などの作品を作る人なのではないかと想像できます。
自分が作る作品の世界、それこそが「理想郷」なのではないでしょうか。
その理想郷が、他の人には受け入れられず、自分の世界を壊さなければならない状況に立たされているのではないかと思います。
建前は流行に流されたくないとありますが、では本音は一体何なのでしょう?
その答えは、今受け入れられている世界を明確に否定することで、自分の理想郷を守り抜くという強固な意思ではないでしょうか。
「首を刎ねとばす」という非常に強い言葉が使われている事から、意思の強さが伺えますね。
自分の作った理想郷に強く固執しているこの少女ですが、2番に入るとある変化が訪れます。
理想郷の転換を拒み続けている少女の、その勢いは止まることがありません。
しかし、とうとう少女は否定するという行動に後ろめたさを感じるようになってしまいます。
歌詞の表記が一部カタカナになっており、心情を揺れ動いている様子が現れている所にも注目です。
少女もこの転換が間違いではないと、とうとう認めました。
しかし、転換すると自分の理想郷はどうなってしまうのか、この世界にいる意味は何なのかという葛藤も見え隠れしているのでしょう。
空想庭園依存症 歌詞 「cosMo@暴走P feat. 鏡音リン」
https://utaten.com/lyric/ni20060812
https://utaten.com/lyric/ni20060812
最後の望みとして、少女はある人にこの状況をどうすればいいかを尋ねます。
そのある人とは、少女を空想庭園に足を踏み入れさせた張本人、少女が信頼していた人物のようです。
しかし、その答えはとても残酷なものでした。
「流行物」はアクセサリーと読まれ、飽きが来れば排斥されてしまうものだという現実を突きつけたのです。
その悲しい現実を分かっていながらも目を背け続けていた彼女は、ついにどん底に落ちてしまいます。
個性を抜き取られた少女の「最期」
空想庭園依存症 歌詞 「cosMo@暴走P feat. 鏡音リン」
https://utaten.com/lyric/ni20060812
https://utaten.com/lyric/ni20060812
とうとう自分の理想郷が全て転換され、個性が抜き取られてしまいました。
自分の理想から遠くかけ離れたものを無理やり強要される少女は、抜け殻のようになってしまいます。
少女のセリフが全てひらがなになっている様子は、この空想庭園に絶望していることを表しているのでしょう。
彼女は自らの希望によってこの世界に足を踏み入れたので、ここから逃げ出すという選択肢はありません。
これからもずっとこの「現実」に向き合い続けるのです。
「居場所がないから」という最後の高音部分は、少女の悲しみが存分ににじみ出ていると感じられます。
『空想庭園依存症』は「空想庭園シリーズ」の1つのバッドエンド。
しかしこのシリーズには、別の終り方をしている楽曲もあります。
この曲を聞いたあとは、他の「空想庭園シリーズ」の楽曲を聞いて、別の終わり方はどんなものなのかを、是非ご自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
TEXT こびぃ
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