【遠藤正明 インタビュー】
歴史あるシリーズの主題歌を
担当させてもらえて光栄

遠藤正明

ニューシングルは『ウルトラマンZ』の主題歌「ご唱和ください 我の名を!」。少年時代はテレビの前に釘付けになっていたほどウルトラマンのファンだったと話す遠藤正明。大切なものを教わったというヒーローへの愛があふれ出すアツいナンバーについて想いの丈を語ってくれた。

主題歌の話に運命を感じたし、
ウルトラマンに恩返しする番だと思った

『ウルトラマンZ』の主題歌「ご唱和ください 我の名を!」はパワフルでアツい曲ですよね。

アツいですよね〜。土曜日の朝9時からにはアツすぎだなってちょっと反省しています(笑)。

主題歌を書いて歌うことになったお気持ちを聞かせていただけますか?

最初に話を聞いた時はすごく嬉しかったし、光栄だと思いましたね。僕自身、『ウルトラマン』を観て育って、友達とウルトラマンごっこをして遊んでいたので、今でも主題歌は歌詞を見ないで歌えるんですよ。最初に観たのは『帰ってきたウルトラマン』で、『ウルトラマンエース』『ウルトラマンレオ』『ウルトラマンタロウ』ぐらいまで夢中になって観ていました。そこから遡って『ウルトラセブン』が大好きになるんですが、そのセブンは僕が生まれた1967年に放送が始まったんですよ。そういう歴史あるシリーズの主題歌を担当させてもらえるのは、日本人として、アニソンシンガーとしてすごく光栄です。

“いつか主題歌を歌う日が来るよ”って小学生の遠藤さんに言ってあげたくなりますね。

いつもテレビの前でワクワクしながら番組が始まるのを待っていたので、“お前、ウルトラマンシリーズの主題歌を歌うようになるよ”って言ってあげたい。びっくりするでしょうね。ほんとウルトラマンを通していろんな大切なことを教わったんですよ。

ぜひ、当時のエピソードを教えてください。

多感な時期だったので、諦めないことも信じることも思いやる心もウルトラマンから教わった気がしますね。確か『帰ってきたウルトラマン』だったと思うんですけど、ウルトラマンが怪獣に負けたんですよ。子供心に“こんなヒーローも負けるんだ!?”」って驚いて(笑)。でも、その時に無敵だと思っていたウルトラマンをすごく身近に感じて共感したんですよ。そういう思い出もあるし、曲で言ったら『ウルトラセブン』の主題歌(「ウルトラセブンの歌」)とか歌詞を変えたら国歌になるんじゃないかっていうぐらいいい歌だと思うし、『ウルトラマンタロウ』の主題歌なんて《ウルトラの父がいる ウルトラの母がいる そしてタロウがここにいる》で始まりますからね。子供心に“何なんだ、この歌詞は!?”って衝撃を受けましたね(笑)。

ウルトラマンは遠藤さんの人生と切っても切り離せませんね。

そうなんですよ。なので、今回のお話をいただいた時は運命を感じたし、育ててもらったウルトラマンに今度は僕が歌で恩返しする番だと思いましたね。

そんな想いも落とし込まれたのが「ご唱和ください 我の名を!」だと思いますが、曲を書いた時のエピソードを教えてください。

“ご唱和ください 我の名を”はウルトラマンゼットが変身する時のキメ台詞なんですが、すごくインパクトのある言葉じゃないですか。なので、最初はこの言葉を歌詞に入れるのを避けてたんですよ。でも、作っている最中に逃げちゃダメだと思って、“ご唱和ください”から始めて、この言葉をタイトルにしようって。『ウルトラマンタロウ』の主題歌を僕が初めて聴いた時みたいな衝撃を与えたかったし、逃げずに子供たちに真っ直ぐにぶつかっていこうという想いで書きました。

真っ直ぐという意味では《この地球-ほし-を守りたい その笑顔が見たい》という箇所でグッときました。

子供たちもこの歌を聴いて、ウルトラマンゼットを応援してくれたらいいなと思って。なので、テンポの速い攻撃的な曲調ですけど、歌詞に関してはあまり暴力的な言葉は使いたくなかったんです。

新たな世代のヒーローのゼットだからこそ入れたかったエッセンスはありましたか?

主人公のナツカワ ハルキもすごくアツい男なので、歌も小細工しないで歌ったほうが曲に合うと思ったから、そこはウルトラマンゼットとハルキに寄り添いました。

遠藤さんの突き抜けるヴォーカルがぴったりです。番組を観て絵と曲が合わさった時にどんなことを感じました?

感動しましたね。アニソンシンガーとしては曲も歌詞も歌い方も声の質も作品に寄り添うのが使命だと思っているんですが、オープニングテーマとエンディングテーマは作品のほうが歌に合わせてくれるので贅沢というか、“こういう絵を合わせてくれたんだ”って感慨深かったです。

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