【angela インタビュー】
“angela=シリアス”っていう
イメージを持ってる人にも
愛してほしい
L→R atsuko(Vo)、KATSU(Key&Gu)
約1年振りとなるシングルは乙女ゲームの世界に転生したヒロインの生き様を描いたポップチューン「乙女のルートはひとつじゃない!」。タイアップ元の作品からさまざまなアイディアを引き出して、インパクト抜群に仕上げる手腕は“さすが”のひと言だ。
“乙女=キャンディ・キャンディ”で、アニソンの原点を伝えたい!
『蒼穹のファフナー』や『K』などシリアスな作品とのタイアップも多いangelaですが、新曲はある意味“面白いほうのangela”ですね。コミカルな要素もありつつ、ジェットコースターのように展開が激しい!
atsuko
どんなタイアップでも作品に寄り添ったものを作りたいという気持ちは同じですけど、今回は“面白いことをやれるな”っていう空気感を察知したんです(笑)。で、原作小説を読みながら、明るいのもいいし、キャッチーなのもいいし、主人公のドタバタ感も出したいし、中世ヨーロッパみたいな世界に転生する話だから貴族の舞踏会みたいなのもいいし…といろいろ考えていって。
乙女ゲームの世界を舞台にしたアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のオープニングテーマですもんね。
atsuko
そこから“舞踏会と言えば三拍子だよね”とか、“ヒロインが破滅ルートに行きそうになった時に流れる曲って何だろう? ベートーヴェンの「運命」かな?”とか、自分の中に浮かんできたいろんな断片を拾っていったんですよ。その断片を集めたのが、この「乙女のルートはひとつじゃない!」なんです。
となると、もしやイントロは『キャンディ・キャンディ』から?
KATSU
気づきました? 年代的に“乙女=キャンディ・キャンディ”なんですよね。ストーリーとかは、あまり分かってないですけど…。
孤児院で育った主人公が富豪の養女になって、全寮制の学園に行き…というストーリーを考えたら、乙女ゲームとかラノベっぽい感じもあるかもしれませんね。
atsuko
そういう話だったんだ!
KATSU
そんな中途半端な知識しかなくても、ハープシコードのああいうフレーズを入れただけで“これ、『キャンディ・キャンディ』?”“ですよね!”って通じるのが、昔のアニソンのすごいところなんですよ! あの頃のアニソンって今のアニソンの原点なんですよね。水木一郎さんとか…それこそ『キャンディ・キャンディ』の主題歌を歌っていた堀江美都子さんとかが、日本のアニメソングという文化の原点というか、それこそ出発点だし。今、僕らが海外で普通にライヴをやれているのも、そういった先人たちが海外に出て、例えばマイクがない中でライヴしたりとかっていう苦労をしてきてくれてたおかげで。だから、“これがアニソンなんだよ!”っていうのを後輩に伝えていかなきゃいけないっていう使命感からの…まぁ、パクリっちゃパクリなんですけど、これはリスペクトです!
そんなイントロで始まり、ワルツが流れる華やかなBメロから突然「運命」の♪ジャジャジャジャーン〜というフレーズで突き落とされるという流れになってますが、そもそも転生モノの小説って、なんで中世ヨーロッパっぽい世界設定が多いんでしょうね。
KATSU
やっぱり女性は王子様が好きなんでしょうね。まったく知らないですけど(笑)。
atsuko
マリー・アントワネットとか、たぶん好きなんですよ。
でも、マリー・アントワネットとか宮廷文化が華やかなりし時代って、実は中世じゃなくて近世らしいですよ。中世はもっと昔…ペストとかの時代ですから。
atsuko
じゃあ、“近世ヨーロッパ”って言えばいいんですね。勉強になった!
KATSU
あの「運命」は最初の段階からatsukoさんが“入れたい”って言ってたんです。ただ、その前後をどうきれいに持っていくかが大変だった。
atsuko
実は「運命」のところのキーと、そこまでのA、Bメロのキーは違うんですよ。で、♪ジャジャジャジャーン〜が終わると、今度は最初のキーから半音下がってサビが始まるっていう。
KATSU
デモ段階では別に転調してなかったんですけど、なんだか面白くなくて。“一番違和感のある面白い転調って何だろう?”って考えた時に、半音下げようと思いついたんです。転調って普通はキーが上がるから盛り上がるんですけど、そういうセオリー通りの手法ってやり尽くされているんですよね。裏を返せば、半音下げるなんて音楽理論的にはタブーな手法なんで、意識して聴くと気持ち悪い。でも、これ以上のインパクトのつけ方はないだろうってことで、atsukoさんを説得しました。“ほんとに大丈夫かな?”って、自分でも半信半疑になりながら(笑)。
別に気持ち悪さは感じなかったですよ。転調の境目に「運命」のフレーズが入ってきて、ガラッと場面が変わりますから、特に違和感はなかったです。
KATSU
そうなんです! 「運命」を挟むことによって、もうキーとか分かんなくなっちゃうんですよ。実際、面白い感じになったし。ただ、ヴォーカルの難易度は高い。
atsuko
でも、♪ジャジャジャジャーン〜は弦とクラリネットだけなんで、そこでちょっと切り替えられるかな。最初は私も一緒に歌う予定だったんですけど、やってみたらものすごくギャグになっちゃって…。
KATSU
コーラスの人にも歌ってもらったんだよね。でも、ちょっと狙いすぎてる感じになったんで入れないことにしたんです。そしたら焼肉のタレの『ジャン』のCMで同じことをやってた!
atsuko
ライヴでお客さんに♪ジャジャジャジャーン〜って歌ってもらったら面白いだろうけど、そんな光景を観たら、私、笑って歌えなくなりそう(笑)。
そう言えば、サビにもコーラス隊が入ってますよね。『蒼穹のファフナー』のタイアップ曲では珍しくありませんが、この手のポップな曲に入っているのは斬新だなと。
KATSU
教会で歌ってるような雰囲気を出したかったんです。ただ、みなさんクラシックでやってる方たちなんで、ちょっと違和感があったというか…
atsuko
しっかりと声楽の勉強されてる方たちに♪ちょっと想像ナナメ上~とか、こんな歌詞歌わせちゃってすみません!(笑)
KATSU
終盤には子供のコーラスも入れたくて、ミュージカルとかをやってる小学生くらいの子たちに集まってもらいました。本編の中に出てくる主人公のカタリナの幼少期とか、そういうワチャワチャ感みたいなものを表現する方法として、大人のコーラスではなく歌える子供たちが良かったんですよね。
アーティスト
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