【THE PINBALLS インタビュー】
セルフタイトルと同じくらい
強い言葉を掲げた
L→R 中屋智裕(Gu)、森下拓貴(Ba)、石原 天(Dr)、古川貴之(Vo)
新境地も印象付けるメジャー2ndシングル「WIZARD」は古川貴之(Vo)の喉の不調から1カ月間、ライヴ活動を休んでいたバンドの復活を高らかに宣言するものに。古川が作品の裏テーマを紐解きながら、そこに込めた想いを語ってくれた。
裏テーマを含め、
いろいろ考えながら作った
復帰おめでとうございます。ライヴ活動の休止が1カ月でほんと良かったと思うのですが、ライヴ活動を休むにあたって古川さんが発表したコメントから察すると、声が出なくなったショックは大きかったようですね。
あそこまで声が出なくなったのは初めてだったので、すごく恐怖感がありました。結果的には治るものだったので大丈夫だったんですけど、原因が分かるまでは、“なんで声が出ないんだろう。もしかしたらもう歌えないのかな”って不安でしたね。
メンバーの反応はいかがでしたか?
それが全然心配してなくて(笑)。もともと“大丈夫? 大丈夫?”って言ってくるような奴らではないんで。
メンバーから心配されすぎると、逆に不安になっちゃいますからね。
でも、ライヴをキャンセルしなきゃいけないかもしれないって時に“セトリを変えて時間を短くしてでもやりたい”って言ったら、メンバーから止められたんですよ。心配しているような言い方ではなかったけど、“あれ? 俺のこと心配してくれてるの?”って(笑)。
それが嬉しかった?(笑)
ちょっとニヤッとしました(笑)。
でも、他の3人も古川さんの存在の大きさを改めて実感したんじゃないですか?
実感してほしいですよね。そんなことは全然言いませんけど(笑)。
さて、そんな活動休止明けだけに今回の4曲は聴こえ方がちょっと違ってくる気もします。表題曲の「WIZARD」はキャンセルになってしまった自主企画ライヴのタイトルにもなっていたくらいだから、かなり重要な曲なのかなと。
セルフタイトルと同じくらいの意味合いがあります。ほんとはセルフタイトルにしたかったんですけど、すでにやっているので、それに並ぶような強い言葉はないかってところで、ザ・フーの「ピンボールの魔術師(原題:Pinball Wizard)」が思い浮かんで。セルフタイトルを付けたいと思う時って、“やるぞ!”って気合だけが入っていて、そんなに頭で考えていないことが多くて(笑)。だから、深い意味はなくて、ただやる気に満ちあふれているってイメージなんです。
やる気に満ちあふれていたのは、やっぱりバンドの状況が良くなってきたってことが大きかったのですか?
それもあると思うんですけど、特に理由があったわけではなく。良く言えば、心で動いている。悪く言えば、何も考えてなかった(笑)。『時の肋骨』(2018年11月発表)はいろいろ考えてコンセプチュアルに作りましたけど、今回は純粋に“いい曲を作ろう!”って思ってたからっていう。でも、そうは言っても、考える癖があるから、『WIZARD』 も結局は裏テーマを含め、いろいろ考えながら作ったんですけど(笑)。
裏テーマ?
はい。“WIZARD”ってタイトルを付けてから“ウィザードって魔法使いだよな”と思って、魔法についていろいろ調べている中で一番しっくりきたのが『オズの魔法使い(原題:The Wonderful Wizard of Oz)』で。その主人公グループ4人をイメージした4曲にしたら面白いんじゃないかって。「WIZARD」は誰かひとりと言うよりは、ドロシーを中心にした4人のイメージなんですけど、他の3曲はお供3人をイメージしてみようと思いました
なるほど。ということは、「統治せよ支配せよ」が臆病なライオンで、「bad brain」がスケアクローで、「ばらの蕾」がブリキのきこり?
そうですね。
じゃあ、それぞれのキャラを決めてから歌詞も書いていったのですか?
はい。でも、いつもそうなんですけど、同時進行というか、相互的に作用させながら書いていく感じがあるので、曲と歌詞はどっちが先なのか記憶は曖昧です。
自分と向き合いながら歌詞を書いているという意味では、これまでと変わらないと思うのですが、今回は物語仕立てにせず、いつも以上にストレートに自分の気持ちを歌っているような印象がありました。
そうですね。特に「bad brain」を書いている時は、この曲は和やかさを担っているんですけど、“頭が良いってどういうことなのかな”って考えていて。物をいっぱい知っているとか、上手に作品が作れるとかよりは、相手にちゃんと意味が分かるように伝えることが本当の頭の良さなんじゃないかと思って…だから、「bad brain」の歌詞は俺っぽくなくてもいいから、なるべく平易な言葉で書こうと思いました。ほんとは今までの俺っぽい、もっと格言っぽい言い回しもあったんですけど、あえて作文風に書いてみたんですよ。
アーティスト
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