【ザ・クロマニヨンズ
インタビュー】
作って、録って、聴いて楽しい、
その連鎖だけなんです。
L→R 小林 勝(Ba)、甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(Gu)、桐田勝治(Dr)
13枚目のアルバム『PUNCH』を10月9日にリリースするザ・クロマニヨンズ。揺るぎないロックンロールをベースに、磨き抜かれた言葉とサウンドで前進し続ける彼らの最新作は、シンプルでありながら突き刺さる全12曲を収録!
動きながら歌う。
じっとしたままは歌えないですよ。
制作ペースを変えることなく、コンスタントにアルバムをリリースしていますけれど、今回もその流れと捉えていいんでしょうか?
甲本
自然にそうなるんです。
ツアーが終わって少し休憩してから次に取り掛かるというパターンですね。今回の休憩は長かったんですか?
甲本
3週間ぐらいかな。長めですね。というのも、今年はゴールデンウィークが挟まれていて。世間では今年のゴールデンウィークはすごいという前評判で、その間は何もしないで家にこもっていようと。それで伸びちゃったんです。世間の人が出歩いている時は、なるべく家でじっとしていたほうがいいじゃないですか。
時間があったことで、曲作りに影響は?
甲本
それはなかったんじゃないかな…分かんない。
曲はその期間に書いていたんですか? それとも以前からあった曲を引っ張り出してきて?
甲本
以前からあったものをその期間に磨いたりはしたよ。ちょっと手直ししたりして。
真島
それもいつもと同じじゃないかな。磨いて曲にしたり、磨かなくていいものもあったし、いろいろです。
完全な新曲はなくて?
真島
あったかもしれないけれど、分からないですね。“さぁ、曲を作ろう”って作らないので。
今の気分で作って仕上げていく?
甲本
覚えてないんですよね。特別なことじゃないから。
“次のアルバムにこれを入れよう”というような候補曲は早くから決まっているんですか?
甲本
曲が出来上がってくると“これ、次のアルバムに入れよう”と思うけど、出来上がるまではいつできたのかよく分からない。
そもそも、曲ができたという納得の基準はどこにあるんですか?
甲本
気が付くと何かあるんです。もしかしたら誰かが作って勝手に置いていってるんじゃないかと思うことがあって(笑)。
“ここまでできたら完成だな”というような実感は?
真島
どういう状態だろう…難しいですよ。だって、スタジオに持って行って、みんなで合わせて、ヒロトが歌って、“あっ、この歌詞、やっぱり違う”って思うこともあるんです。歌詞のワンフレーズが“こうしたほうがいいかな”って、バンドでやってみて初めて分かることもあるから。なんとなく違和感があったりするんです、“何か違うな”っていう。
今回もありました?
真島
1曲あったかな。“ここ、歌詞変えたよ、よろしく”って。どの曲かは覚えてないな。
甲本
何かあったね、1行。で、僕は僕で“分かった”って。
その1行で違和感を感じることがあるんですね。
真島
うん。
甲本
マーシーが“ヒロト、こっちにしなよ”って新しい1行を持って来るじゃない? でも、また何年か経つと、前のほうが良かったと思うかもしれない。どれが完成か僕ら自身もよく分からないんですよ。スゲえいいアルバムができても、何年か経つと“あそこはもうちょっとできたな”って思ったりするし。それをやるとキリがない。これはこれって、スパン!と置いていかないと。
真島
そうしないと生涯で作る曲が1曲になってしまう(笑)。
レコーディングは今回も短期集中でした?
甲本
それも今まで通りです。ひとつ変わったのは、僕のマイク。いつも使っているマイクじゃなくて、ちょっと値段が高い。それはエンジニアの人が用意してくれたの。いつもはライヴで使っているマイクをレコーディングでも握って歌っているんだけど、今回は握らないで、いいマイクが顔の前にぶら下がってて。それは今までと違う。
握って歌うのと直立で歌うのとではかなり違いますよね?
甲本
直立では歌わないよ、動きながら歌う。じっとしたままは歌えないですよ。
気合いとか感情の入り方が違いませんか?
甲本
違ったとしても、どれが正解かまだ分かっていないので。“なんか高そうなマイクがぶら下がってる。楽しい!”って、それで面白かったから。
実際に感じは変わりました?
甲本
僕が思ったのは、結局ひとつの部屋で全員で演奏するから、全員のマイクに全員の音が入ってる…被ってるんですよ。僕がマイクを変えたことで、僕のマイクに被るギター、ドラム、ベースの音が変わったかもしれない。ほんのちょっとだけど、高級な音になったかもしれない(笑)。
「リリイ」「長い赤信号」でアコギが入ってますけど、曲が上がった時からアコギのイメージがあったんですか?
真島
アコギを入れる曲は最初から決まっていて。
甲本
アコギを録るマイクを買ったんだよね。
真島
そう、それがきっかけ。
甲本
エンジニアさんが“このマイク、カッコ良いでしょ?”って。値段もそんなに高くなかったから、“じゃあ、買おう!”って。そうするとマイクに興味が出てきたんです。“歌もいいマイクないの?”って訊いたら、エンジニアさんが用意してくれた。アコギのマイク、大活躍だよ。手拍子もそれで録ったもん。
生音に向いているマイクなんですね。
甲本
そうそう、カッコ良い。形がいい。
形なんですか!?
甲本
シビれる。物として欲しくないと買わないもん、いくらいい音で録れるって言われても。
録ってる側が気持ち良いと作業も違いますか?
甲本
オーケーが出るのが早い。音決めがね。テイクじゃなくて、音を決めるのが早い。
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歌詞の意味で整合性をとる気は最初からないです。アーティスト
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