□字ック最新作『掬う』に佐津川愛美
、山下リオ、馬渕英里何、千葉雅子ら
が出演、初の3都市ツアーも

劇団、□字ックは、1年半ぶりの最新作『掬う』を2019年11月9日(土)から17日(日)まで東京・シアタートラムで上演することが決定した。11月22日(金)から23日(土)に豊橋・穂の国とよはし芸術劇場PLATアートスペース、11月29日(金)から12月1日(日)にかけて大阪・HEP HALLで上演され、劇団初の東京、豊橋、大阪の3都市ツアーとなる。
本作は、愛情の見返りを求める家族に疲弊する主人公が、「かつての友人」「父の知り合いと名乗る女子高生」との奇妙な共同生活を経て、他者を赦す過程を描く。余命わずかの父をもつ主人公・ミズエ役にテレビ朝日 7月クール木曜ドラマ「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」、映画「コンフィデンスマンJP」など数多くの映像・演劇作品で活躍している女優 佐津川愛美、ミズエのかつての友人と名乗り、共同生活をおくるマキ役にドラマ「フルーツ宅配便」(放送文化基金賞受賞作)、映画「寝ても覚めても」など活躍が目覚ましい山下リオが初のストレートプレイに挑む。また主人公を悩ます家族に馬渕英里何・千葉雅子と錚々たる客演陣が名を連ねる。
□字ック(ロジック)は、主宰の山田佳奈がレコード会社のプロモーターを経て、2010 年に立ち上げた劇団。ライフスタイルが自由化された現代社会においてのコミュニケ―ション欠如や、大人になりきれない年齢不相応な自我に対して葛藤する人間を描いている。20代、30代の男女の深層をリアルに描く『人間のナナメ読み』によるエッジの効いた戯曲と、ポップで疾走感ある演出が持ち味で、閉塞的な人間関係の中で紡ぎだされる等身大の女性の本音を深く迫る作品に、同年代の女性からの共感を得ている。
音楽と親和性も高く、過去にさまざまなミュージシャンなどから楽曲提供を受けており、団体としても演劇と音楽を融合させたリーディングバンドという新たなスタイルを確立し、音楽イベント「下北沢にて‘」や猪苗代湖畔で行われているカルチャーミックスフェスティバル「オハラ☆ブレイク」などに演劇団体として連続で出演。2019年夏には怒髪天の楽曲「オトナノススメ」を戯曲化し上演するなど演劇界を飛び越えた活動を行っている。
2014年第八回本公演「荒川、神キラーチューン」にて演劇ポータルサイト「Corich 舞台芸術まつり!2014」グランプリ受賞・サンモールスタジオ最優秀団体賞受賞、2018 年 1 月本多劇場進出公演「滅びの国」では公演期間 5 日間で 2300 人動員した。2020年には10周年を迎える□字ック、本公演はその前夜祭企画とのことなので、期待したい。
【脚本・演出 山田佳奈プロフィール】
2010 年 3 月に□字ックを旗揚げ。以降全ての脚本を手掛ける。元レコード会社社員・舞台演出家・脚本家・映像監督・俳優など、さまざまな肩書を持つ。2016年『夜、逃げる』で本格的に監督デビューし、映像作品2作品目である『今夜新宿で、彼女は、』が多くの映画祭にて受賞、ショートショートフィルムフェスティバル&ASIA2018に選出されるなど話題になった。近年はNetflixオリジナルドラマ「全裸監督」脚本、ABC テレビ・テレビ朝日『神ちゅーんず』脚本、舞台・吉本神保町花月 しずる✕□字ック『演劇♡顧問』脚本・演出・出演など外部作品への書き下ろしも積極的に行っており、内田英治監督のプロデュース(「下衆の愛」「獣道」)による自身初の商業監督作品が待機中であったりと作品が多数控えている。

あらすじ:
30代半ばのミズエには余命幾ばくかの父がいる。父が余命宣告を受けてからと言うものの、ミズエのもとに母からの常軌を逸したメールが連日届く。しかも兄の嫁は母との折り合いが悪く、母に執拗に攻撃されているとミズエに相談してきている。正直言うと、ミズエは辟易としていた。何を言っても母には伝わらないだろうし、ミズエは義姉のことも受け止めきれずにいる。ミズエは孤独を感じていた。だからどっちつかずの関係を持ってしまった男に連絡をする。だが、彼は自分のことなんて興味ないのだとミズエは知っている。それは離婚を話し合っている旦那もそうだ。旦那はミズエが不在の際に、家に知らない女を同情心から宿泊させ体の関係を持った。ミズエはそれが許せなかった。そんなある日、中学生の頃の友人が何十年ぶりかに彼女の家を訪ねてきて、同居を申し立てる。さらには父と関係があったという女子高生までもが家に押しかけてきて...。

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