【突然少年 インタビュー】
僕らがやんちゃしているところに
人を巻き込んでいきたい

L→R 大武茜一郎(Vo&Gu)、良原涼太(Dr&Cho)、戸田源一郎(Ba&Cho)、カニユウヤ(Gu)

2012年、高校の軽音楽部で結成された突然少年。多くの人を惹き付ける衝動的でパワフルなライヴについてや、ニューアルバム『サンキュー・マイ・フレンド・アンド・マイ・ファミリー』にも落とし込まれたバンドの現状についてじっくり訊いた。

好きなことをやるという
ファイトスタイルは一貫して持っている

突然少年はSNSでもライヴに対しての口コミが多い印象があって。今回が初めてのフルアルバムというのが意外に感じたのも、コンスタントなライヴ活動が軸にあるからだと思うんですけど、ライヴへの意識が高まったきっかけはありますか?

戸田

意識はずっと変わってないんですけど、地方にも行けるようになってからは共演するバンドとかライヴハウスの人の姿勢を知ったり、地元のご飯屋さんに行くことでも感動することが多かったから、無意識にバンドのテンションとか底上げにつながったんだと思います。人との関わりはめちゃめちゃ影響してますね。

ライヴに関して、今まで変わらずに大切にしていることって何ですか?

カニ

その大切なことをずっと探しているっていう感じがありますね。模索しながらやり続けているというか。演劇とかと違って僕たちのライヴには決まった脚本も演出もないし、一回のライヴで何もかもガラッと変えられるという自由度があるからこそ、目標を決めて旗を立てるようなことはしないほうがいいんじゃないかなって思ってます。音源は出したけど、今でも新曲中心のライヴをやっているし。それも変わっていない部分で、新曲を作ってどう伝えるかってことは常に考えています。

戸田

セットリストはライヴごとに全然違いますね。このアルバム以外の曲でもライヴでできる曲が15曲くらいあるから、その中から毎回選んでいる感じなんですけど。その時の対バンで求められている感じとか、お客さんが求めていることとかを自分たちなりに考えてみて、どんな場所に行ってもバンドのかたちを変えられるっていうのが一番の理想なんです。いかに求められている以上のものを提供できるか。考えてダメなら諦めもつくし次の課題になるから。

カニ

周りが求めているものをやっている感覚もあるんですけど、自分は自分で培ってきたものとか好きなことをやるっていうファイトスタイルは一貫して持ちたいと思います。求められているものと自分のやりたいことのバランスは大切だと思いますね。“このフレーズは誰にも褒められなくてもいい”と思ってやる時もありますし。

良原

ドラムを少し走らせたほうがいいのか、引いてみたほうがいいのかっていうのはその場その場で意識するようにしてます。メンバーとお客さんの様子を見て合わせたり、その間をとって浮いてみることもありますね。

大武

前まではとにかくどんな時でも全力で歌うし、思いっ切りギターを掻き鳴らして“これがライヴだろ”って感覚だったんです。でも、今はバンドが和気藹々としている日もあればそうじゃない日もあるし、自分たちにも晴れの日や雨の日があるんだなって感じるようになって。自分やバンドがどんな雰囲気なのかを無理にまとめるんじゃなくて、その時々で何をどういうふうに観せたら一番いいのかっていうのをライヴ前に話してから臨んだりとか、その日一番のライヴができるように考えるようになりました。

毎回メンバー同士の意識を確かめ合っているんですね。

戸田

確認というか雑談みたいな感じなんですけど、それはよくしていますね。

大武

2日も会わないと音がばらけちゃったりもするし。

カニ

でも、意識してするようになったのは最近かもしれないです。何気ない会話の中でライヴの話をするのは結成当初から変わっていないんですけど、例えば自分が他のメンバーのことも考えて、こういうことを言ったほうがいいんじゃないかって意識するようになったのは最近というか。

戸田

うん。ライヴをしていくうちにそういう時間は絶対に必要だという感覚がでてきましたね。

カニ

どんどん繊細になっているイメージがあります。長く一緒にいると適当になる部分って絶対あると思うんですけど、ライヴは感覚を尖らせて繊細にやっていかないとっていう意識があるので。

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