【スキマスイッチ ライヴレポート】
『SUKIMASWITCH 15th Anniversary S
pecial at YOKOHAMA ARENA
~Reversible~』
2018年11月11日 at 横浜アリーナ
2018年11月11日 at 横浜アリーナ
センター席をぐるりと取り巻く周回通路を歩きながら、15年間の四方山話に花を咲かせるふたりは、まるで近所の居酒屋にいるようなリラックスモード。あぁ、それで次の曲が「飲みに来ないか」なのか…というのはただの偶然だが、弦カルテットを加えた「僕と傘と日曜日」「life×life×life」と、アコースティックセットでのふくよかな演奏、力の抜けた大橋の歌の心地良い軽みに、15年の年輪がのぞく。簡単に言えば大人のグルーブだ。
映像によるインターミッションを挟み、今度は大橋が白、常田が青へと衣装替え。ドラマチックなミドルバラード「奏(かなで)」「藍」の二連発は、間違いなくこの日のハイライトのひとつだ。アニメ映像と幻想的なレーザーを駆使した演出と、大橋の心のこもった歌が素晴らしくエモい。一転して“後半戦行きますよ!”と叫び、しなやかなグルーブを刻む「Revival」からファンキーに突っ走る「螺旋(らせん)」、ホーンが大活躍する「トラベラーズ・ハイ」と、まるでソウルミュージックのレビューのような華やかさ。これもまたスキマスイッチ15年間の年輪のたまものだ。
“行くぞ横浜!”と大橋が叫んだと思ったら走り出し、周回通路で「ユリーカ」を歌う姿を大歓声と手拍子が包み込む。「Ah Yeah!!」ではついにセンター席にまで飛び込み、なかなか帰って来ない。常田が笑ってる。みんな笑ってる。一体感とよく言うが、それは手振りが揃うことではない。音楽で心がひとつになる、それがスキマスイッチの一体感だ。
アンコール。デビューから今日までの15年間、“5604日”を歌詞に織り込んだ「Hello Especially」は、トランペット田中充のコミカルな演技付きで。「ガラナ」を経て最後のMCで、大橋は“15年間、その時の正直な気持ちをかたちにしてきました。正直にやってきて今ここでできることを心から嬉しく思います”と、音楽家としての矜持を語った。常田は、“みんなの気持ちが同じ方向を向かないと、15年間続かないと思います”と、ファンへの感謝の思いを伝えた。ラスト曲「リアライズ」のいつまでも続く14,000人のコーラスは、スキマスイッチを愛するファンからの返答だった。鳴りやまない拍手の中、“続けて良かった”と常田がつぶやく。
この日のセットリスト本編は、前日の曲順を真逆にひっくり返したものだとあとで知った。なるほど、だから“Reversible”か。常に面白いこと、楽しいことに挑戦し続ける思いがある限り、スキマスイッチは続く。15年ありがとう。そしてこれからもよろしく。
撮影:岩佐篤樹、古賀恒雄/取材:宮本英夫
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