【嘘とカメレオン ライヴレポート】
『ここHOLEヲトシアナTOUR』
2018年10月27日
at 渋谷CLUB QUATTRO
2018年10月27日 at 渋谷CLUB QUATTRO Photo by RUI HASHIMOTO (SOUND SHOOTER)
ワンマン恒例の映像はメンバー扮する凶悪犯罪集団が拘置所より脱獄し、このクアトロに潜伏したという内容。それらと入れ替わりすでにステージではメンバーがスタンバイ。“1日まとめて遊ぼうぜ~!”と渡辺壮亮(Gu&Cho)のシャウトを呼び声に「百鬼夜行」が放射される。菅野悠太と渡辺のツインギターによる疾走感と青山拓心(Dr)が叩き出すラテンポップ、躍動感あふれる渋江アサヒの5弦ベースが魑魅魍魎の世界へと誘えば、「フェイトンに告ぐ」では2本のギターがパラレルに広がり、チャム(.△)(Vo)も歌世界を体やジェスチャーを交え表現していく。
“曇り止めも効かない熱気だよ”とは渡辺。序盤後半ではハネる曲が目立ち、「JOHN DOE」ではミクスチャーさ、「鳴る鱗」ではファンキーさが味わえた。また、中盤ではダイナミズムのある曲が耳を惹いた。「テトラポットニューウラシマ」ではチャム(.△)の歌声が切なさと天空さを広げていけば、スリリングさと怒涛性と神秘さが同居した「輝夜華ぐ夜」、6/8リズムの「うみねこの鳴く街で」では艶っぽくその歌物語を広げていった。
後半は盛り上がり曲が連射された。チャム(.△)の腕組みヘドバンも飛び出した、サビのストレート部も気持ち良い「N氏について」がさらに一体感を育んでいけば、この日一番の盛り上がりを魅せた「されど奇術師は賽を振る」では踊れや歌えと宴を煽り、火に油が注がれていくのを見た。本編最後は「キンイロノ」が明るく希望を携えて歌われ、その込められた想いが会場のひとりひとりに贈られた。
アンコールは“最高の景色をこれからも作っていくから付いてきてくれ!”(渡辺)の言葉のあと、激しさと叙情性、ダイナミズムをブレンドした「盤下の詩人」が会場全体をギュッと抱き締め、この長くて短い全国ツアーは無事幕を閉じた。
撮影:RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)/取材:池田スカオ和宏
アーティスト
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