【PrizmaX 清水大樹 インタビュー】
PrizmaXの曲じゃなくて
ラッパーの曲になりました(笑)
PrizmaX 清水大樹
PrizmaXの各メンバーがプロデュースした楽曲を4カ月連続リリース! その第一弾となる「Candy」はグループでラップを担当する清水大樹がプロデュースした楽曲だ。PrizmaXとは違ったアプローチで自由に作れたと語る今作について大樹に話を訊いた。
ソロで楽曲をプロデュースするにあたって、具体的にどういったところから手を付け始めましたか?
スタッフさんと“こういった感じがいいよね”とか話して曲のテーマとかイメージを固めたんですけど、今までのPrizmaXとはかけ離れたサウンドだったので、最初は“えっ、こういうのもやっていいの!?”っていう感じでした。
PrizmaXとは違ったことができたということですか?
そうですね。これまで自分が見てなかった部分でもあったんで、初めての感じにわくわくしました。そのイメージを伝えたトラックが上がってきて、そこから歌詞に取り掛かったんですけど、PrizmaXの楽曲は踊ることが前提であるから、構成としてAメロ~Bメロ~サビとかそういう変化があるんですよね。僕が作ろうと思っていたのはループするような楽曲だったので、振り付けやダンスをどうやって展開していくのかがいろいろと未知すぎて不安でした。歌詞を書くのはすごく自由で楽しかったですけどね。PrizmaXでの曲は基本的にテーマや歌部分の歌詞があって、それを見た上で僕がラップのパートを作っていくんですけど、今回はゼロというか、もはや自分のソロ曲みたいなものなので。自由に空を羽ばたいているような感じで、大樹カラーみたいなのを出せたかなと思います。
やっぱり大樹さんはラップを担当しているので、ラップがメインの曲になるというのは想像できましたけど(笑)。
メインというか、もはやラップの曲になった(笑)。嬉しいですよね。グループの中でこういう好きなことをさせてもらえるのは。
さっき言ったように自身でこれまでもリリックは書いてはきましたけど、今回挑戦したことはどのようなことでしたか?
楽曲の構成ですね。僕がほぼフルで歌っているっていうのはやりたかったことなので。あと、歌詞には括弧でホリック(ファンの呼称)に叫んでほしいパートを入れました。今時の女の子たちが“Aye Aye”って叫んでるのは面白いだろうなって(笑)。最初から最後まで結構入っているんで覚えるのが大変なんですけど、ホリックならやってくれると思います。
歌詞には他にもメンバーの名前を入れた部分があったりもして。
僕の中では結構チェックポイントなんですけど、肝心のメンバーはあまりしっくり来てないみたいなんですよね(笑)。粋でいいじゃんと思って、歌詞を書き始めた段階でこれは書こうと決めていて。“ホリック”も入っているし。初めての人にも聴いてほしいというのはあるので、グループカラーというかPrizmaXからホリックに向けてという強調はあまりしないようにしましたけど。
サビではヴォーカルの森崎ウィンさんも参加していますけど。
シンセヴォイスみたいな感じなんですけど、ウィンの声も分かりやすいように試行錯誤しましたね。このメロディーにどうやって歌詞をはめようかな?ってなった時に、サビの《Candy Candy Crazy》がはまりすぎて。浮かんだ瞬間、これ以外ない!と思って、タイトルも速攻で“Candy”にしました。結構考えたんですよね、シンプルなのとかも。これでもないな、あれでもないな、しっくりこないなって。
全体的には鋭い感じの歌詞になっていますよね。
普段はあまり棘とかないんですけど、ちょっと荒々しくいきたい感じがありました(笑)。女の子のことをヒップホップに例えて歌っていて…ヒップホップにラブというテーマですね。
それはやはり自分のルーツがヒップホップだから?
やっぱりヒップホップは自分を光らせてくれるものというか。
なるほど。そんな大樹さんがヒップホップを聴き始めたり、ラップを始めたのっていつ頃からだったのですか?
僕はもともと大阪のダンスヴォーカルスクールに通っていたんですけど、歌で上手に音程がとれなくて。その時に社長さんから“大樹はラップをしてみたら?”って言われたんですよね。それをきっかけで始めて。13歳か14歳ですかね。最初は今ほどのめり込んでなかったんですけど、16歳くらいの時にKICK THE CAN CREW、KREVAさんのライヴ映像を観たんですよ。その時に“カッコ良い!”って衝撃を受けて。そこからですかね、本当に好きになったのは。それで20歳くらいから自分で歌詞を書いたりし始めたんですよね。
それが今のPrizmaXでは活かされてるってことですよね。
そうなんですよね。でも、ある意味今が一番成長期だと感じてます。
成長期というのはどういうところで感じています?
意識的な問題ですかね。どう言えばいいんだろう…なんか、今、自分の粗探しのようなことをすることが多くて。前は自分のいいところを見つけるようにしていることが多かったんですけど、今は“ここはもっとできるな”とか“ここが駄目だな”とかのほうに向いているような気がして。だから、制作を重ねていく度に精度が上がっているというのは自分で実感できてるし。ちゃんと自分の普段からの意識がついてきているのがすごく実感できてるかな。
そういった中での今回のソロプロデュースは良いタイミングだったとも思いますが。
そうですね。これもひとつ僕の大きな成長になりました。もちろん今の自分のベストなものではあるんですけど、音楽を作ってて100点満点ってないと思うんですよね。しばらくしたら“ああしておけば良かった”って気分が変わるかもしれないけど、ベストタイミングだったかもしれないです。
では、トラックはどこにこだわりました?
とりあえず、テンポ感のイメージが大きかったですね。あとは、曲が長くてまったりしたテンポなので、32小節あるようなイメージで歌詞を書きました。だから、歌詞が長いんですよね(笑)。でも、これをフルで聴いた時にどれだけ飽きさせずに、なおかつちゃんときれいに収められるかというところで結構悩みましたね。
「Candy」を聴いたメンバーからの反応はどうでしたか?
つばっちゃん(島田の愛称)がすごく良い反応をしてくれて良かったです(笑)。ラジオの初解禁の時に僕は行けなくて、その時の生の声も聞きたかったなぁというのもあるんですけど。僕のことを好きでいてくれる人は“大樹のやるものだから好き”って言ってくれる人も多くて、それはありがたいことなんですけど、それ以外の人がどう思ってくれるかも知りたいんですよね。コメント欄で感想を書かない人のコメントを知りたいです(笑)。
PrizmaXのライヴではどういうふうに披露されるのか楽しみです。
まだ振り付けとかもやってないんですけど、曲を初めて聴いた人の反応が思ったより受け入れ態勢というか。そこで不安はなくなってますし、よりライヴが楽しみになりましたね。やっぱり僕の息子なので可愛がってほしいなっていうのはあるんですけど、PrizmaXの曲じゃなくてラッパーの曲になりましたから(笑)。普段こういう曲を聴かない人も、とにもかくにもいっぱい聴いてほしい。ライヴではみんなが歌う役割も作ってあるし。聴いてもらう人っていうよりも自分のために作った曲なんですけどね(笑)。良い意味で自由に作らせてもらえました。
今作の他にも大樹さんはX-traとしてラッパーの活動をさらに広げてますけど、今後はどういった野望がありますか?
ダンサーを付けてみたい! 楽器隊とかDJとかがいてもいいかも。初めは変にこだわって、踊らずにラップ一本っていう感じがありましたけど、そうじゃなくて、僕は踊ることもできるんだし、いいところは出していったほうがいいなと思っています。最近いろいろなライヴを観て自分の固めていたイメージが良い意味で潰されることも多くて。今度はこういうアプローチをしてみたいとか、どんどん頭の中も広がっていっているところですね。
取材:高良美咲
「Candy」LYRIC VIDEO
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