伊坂幸太郎原作小説の舞台化 萩原聖
人、植田圭輔、細見大輔、ラサール石
井ら出演の舞台『死神の精度~7Days
Judgement』公開ゲネプロ・囲み取材
が開催

2018年8月30日(木)~9月9日(日)まで東京・あうるすぽっとにて、その後倉敷、名古屋、兵庫、山形、仙台、盛岡にて、舞台『死神の精度~7Days Judgement』が上演される。初日公演に先駆けて、本日、公開ゲネプロと囲み取材が開催され、出演の萩原聖人植田圭輔、細見大輔、ラサール石井のコメント、舞台写真が届いた。
(右から)ラサール石井、植田圭輔、萩原聖人
右 :萩原聖人、左:植田圭輔
本作は2009年8月に初演された伊坂幸太郎氏の同名小説の舞台化作品で、エンターテインメント性溢れる現実離れした設定から映画化が主流の伊坂作品が初舞台化を果たした作品だ。活字として読み継がれる小説と違い、時間と空間を共有する”ライブ”ならではの作品として、伊坂ファンからも演劇ファンからも好評を得ていた。初演から9年、東京公演を皮切りに地方ツアー6都市を回るスケールアップで、この度再演している。
ラサール石井

左:細見大輔・右:萩原聖人

【ストーリー】
「死神の精度」主人公は死神。その姿は毎回“仕事”がしやすいように設定されている。
「死」を実行される対象となった人間を一週間、つまり7日間調査し、その実行が「可」か「見送り」か 判断し報告する。
調査員の死神は、実行がどのような形でなされるかを知らないが、8日目、死神はそれ を自ら確認する。そうして、死神のひとつの仕事が終わる。
調査と言ってもたいそうなことではない。1週間前に相手に接触し、2,3度話を聞くだけ。判断基準は個々の裁量にまかされているが、よほどのことがない限りは「可」の報告をすることになっている。 死神たちは人間やその死には興味がないが、人間界のミュージックはこよなく愛している。これは死神に共通して言える事で、CDショップに行けば必ずといっていいほど他の死神と出会う事が出来る。
主人公である「死神」が仕事のために人間界へ赴くと必ず雨が降っており、彼は青空を見たことがない。今回、彼が担当するのは、藤田という中年の男だった。事前に渡された情報によれば、やくざ、ということらしい。
死神の千葉(萩原聖人)は指令を受けてヤクザの藤田(ラサール石井)のところにやってきた。今回の彼の姿は40代の中年男。藤田は兄貴分を敵対する栗木に殺され、その敵を取ろうと舎弟分の阿久津(植田圭輔)に探らせていた。死神を派遣する情報部の予定通り、阿久津は千葉と巡り会う。藤田が匿われている部屋に潜入した千葉は藤田を観察し始める。馬鹿正直なくらいの任侠の男、藤田。その藤田に心底惚れ込んでいる阿久津。死神・千葉が加わったことで、彼らの運命は加速する。ストーンズの能天気なブラウンシュガーがBGM代りに鳴り響く。
左:萩原聖人、右:ラサール石井
萩原聖人 コメント
四半世紀ぶりに和田憲明さんの演出作に出させていただきます。和田さんの濃密な演出を久しぶりに受けてみて変わったな、成長できたかなと思うところもあれば、25年経っても良いところはそのまま変わらない和田ワールドでした。稽古場で、はじめ僕の考えた千葉のイメージとは違う千葉を和田さんから要求され、やりたい芝居と良い芝居は違うんだなと感じましたが、和田ワールドとして成功した作品だと思っています。
(先日、ドラフト任命されプロ雀士になりましたが)
“俳優”にどっぷり浸からなければできない作品だと思っています。一度リセットした気持ちで真剣に向き合うことができました。俳優とプロ雀士という2つの仕事に対して向き合うのにとても相応しい作品だと思っています。
(この作品を麻雀に例えるとどんな役になりますか?)純チャン三色(純全帯ヤオ九三色同順)ですね。しかも捨て牌が2枚出てて待ちが悪いやつ(笑)。
植田圭輔 コメント
僕は皆さんよりもずっと年下で、大先輩たちとの稽古でしたが、どれだけ一生懸命食らいついていけるか、余計なことを考えず、素直にぶつかってきました。飲み込むこともあれば、なにくそ!と思うこともありましたが、今思うと楽しいお稽古場でした。僕の演じる阿久津は、人間臭くて屈折していて、ちょっとまぬけなところがあります。阿久津の人間くささが好きだし、僕自身と似ている部分を感じていたので、演じやすかったです。
観終わったあと、雨も晴れの天気も好きになっていただけるんじゃないかな。皆さんからどんな反応や感想がいただけるか楽しみです。
細見大輔 コメント
永遠に初日が来ないのでは、というぐらい緻密な稽古をしてきました。和田さんを信じて、本番を迎えたいです。僕は、実は劇中着替えが大変なのですが、和田さんが最後までこだわった衣装にも注目していただきたいです。華がない男ばかりのキャストですが、僕は植田くんはこの作品のヒロインだと思っています(笑)。彼の頑張っている姿をぜひ観に来てください。
ラサール石井 コメント
初演から9年が経ちましたが、また新たに1から創り上げてきました。ゲネプロではドキドキで緊張はしましたが、失敗せずできたかなと、一安心しています。初演の時は、上演期間中にセリフや演技がまとまって安定してきたかなという時に、和田さんから「常に“今”を演じているんだからもっと流動的に!」とダメ出しを受けたこともあって。安定を望まない演出家さんなので、今回、幕が開いてからもあるんじゃないかな。
伊坂幸太郎ファン、演劇ファン、そしてエンタメ作品のファンの方でも楽しめる作品ですので、ぜひ観に来てください。