【SWAY インタビュー】
SWAYの新才能たちが
朋友や仲間ラッパーと共に繚乱に開花
SWAY
SWAY(DOBERMAN INFINITY、HONEST BOYZ、MIGHTY WARRIORS、劇団EXILE)がヒップホップの信頼厚レーベルDef Jam Recordingsより1stソロアルバム『UNCHAINED』を発表した。各方面で多彩な才能を発揮している彼だが、この作品では所縁のあるプロデューサーやトラックメイカー、客演者たちと共創し、彼の才能のマルチ化をより色濃くすると同時にさらなる新しい可能性を引き出すのに成功している。ラッパー&シンガーとしてまさに役者の如くさまざまなシチュエーションやトラック毎に演じ分けている面も聴きどころだ。
DOBERMAN INFINITYでの活動とソロでの活動とでは、自身の中で何か意識的に違えていることはあったりしますか?
改めて切り替えたりといったものは特にはないんですが、責任感とプレッシャーはまったく違いますね。やはりDOBERMAN INFINITYはみんなでひとつのものを作り上げる。その分、成功も5分の1だし、失敗もシェアしたりカバーし合ったりできる。対してソロは100パーセント自分ですからね。
SWAYさんはDOBERMAN INFINITY以前にもソロで活動をされていましたが、今回のソロの再開に際し、当初何か“これをやるぞ!”といった明確なものがあったのですか?
明確ではないですが、やりたいことはありました。それがさまざまな人たちと一緒に自分の楽曲を作っていくという行為でした。やはりDOBERMAN INFINITYをやっている中でも、“こうなったらいいのにな”“こういったことがやりたいな”というものが芽生えてきたんですよね。その辺りをソロで活かせたらなって。あとは、DOBERMAN INFINITYでは出せないけど、自分ひとりなら出せる…そういったものを出してみたかったんです。
やはりDOBERMAN INFINITYを経てのソロとでは意識的に何か違ったりしますか?
全然違いますね。最初の頃は勝手に自分ルールでやっていただけでしたが、DOBERMAN INFINITYをやったり、役者活動をやったりして、視野が広くなってからのソロとでは、それらで学んだいろいろなことが活かせてますから。今回で言うと共作の楽しさ。自分以外の人と作る喜びや、自分の意外な魅力を引き出してくれる可能性の気付きは、きっと当初のソロの頃では許容も含めなかったですからね。
おっしゃる通り今回の1stソロアルバムは共作で成り立ってますもんね。
そうなんです。レーベルであるDef Jamチームで集めて提供してもらったものもあれば、自分の交友関係から曲を提供してもらったり、フィーチャリングしてもらったアーティストやプロデューサーも居ますからね。おかげさまで自分にしか出せないバラエティーさと幅、意外性のある作品を作ることができました。
自分で今作を振り返ってみていかがですか?
これまでなかなかヒップホップというジャンルに触れてこなかった方でも聴きやすい入口がいろいろとあるアルバムかなと思います。あとは、チャレンジの連続でした(笑)。ひとつひとつ達成していくうちに“次、こういったことがやってみたい!”みたいな気概やアイデアが次々に浮かんできたんですよね。次から次へと自分の見たことのない自分を見てみたくなったというか。それが次々と実現し、結果成り立った一枚になりました。
確かにかなりバラエティーに富んだ楽曲たちです。そして、どれも聴きやすく親しみやすい曲ばかりで。
まさか自分がこんな曲をやるとはの連続でしたね。初チャレンジなタイプの楽曲ばかりで。でも、これも狙いのひとつだったんで実現できて嬉しかったです。今回はラッパーでありながらメロディーにもチャレンジもできました。
歌っている曲もあり、それがSWAYさん本人だったことを知って驚きました。
歌にしても1曲歌えるようになったら、また違ったタイプの楽曲を歌いたくなったりしましたからね。
そのチャレンジは難しくなかったですか? 各曲まったく違ったカラーやタイプ、シチュエーションや表現方法じゃないですか。
ところがそうでもなくて。やはりその辺りは自分が役者を経たのも大きいのかなって。主人公に成り切ったり、それぞれの楽曲の世界観に身を委ねてラップしたり、歌ってみたら自然とこうなってたんですよね。
今回のこの交友関係はどこから?
レーベルから“SWAYのやりたい人とやっていいよ”とオーケーをもらい、自分でいろいろな音楽仲間に声をかけて実現したものもあります。DOBERMAN INFINITYつながりでP-CHOさんのOLDMANWILDIN’、TEEくんもそうだし、デビュー前から一緒に楽曲を作っていたTHE BACKCOURTや、10年来の付き合いになるSUNNY BOY等々に、この機会に声をかけました。逆にDef JamチームやLDHからもAK-69さんと登坂くんとのコラボやSHOKICHIとSALUくんとの共演、昔から尊敬していた先輩のKM-MARKITくん等、自分の作品ならではの人たちに参加してもらえました。
逆に意外だったのは、ある種ラッパーのアイデンティティーとも言えるリリックも、ほぼ共作者の方々に委ねていたところだったんです。
基本的にどの曲もシチュエーションや物語、この曲でどういったことを伝えたいかは、きちんと事前に伝えて作ってもらっているんですが、例えるとその同じ物語をみなさんがどのような視点や角度で撮ってくれるかに興味があったんです。自分ひとりでそれをやってしまうと全て予定通りで終わっちゃう。それだと面白くないし、物足りない。だったら、第三者はどんな角度やフォーカスで自分を驚かせてくれるんだろう? 刺激を与えてくれるんだろう?といった面からですね。おかげさまでどの曲も意外性はもとより、いろいろと発見や勉強になりました。今後また自分でやる際に、その辺りも活かせたらなとも思ってます。
今作をどのような方に伝えたいですか?
幅広い方に聴いてもらいたいです。この作品を入口にヒップホップを知ったり、触れてくれる方が増えてくれると嬉しいし。今回、作り上げてみて“こうすれば良かった”といった後悔がひとつもなかったんです。あとは、いろいろな人と作り上げていく楽しさにも出会えたし。ほんと200点満点のアルバムを作れたと自分では思っているので、ぜひ多くの人に聴いてほしいです。
200点満点、言えてます!
取材:池田スカオ和宏
「Perfect Love」MV
「MANZANA」MV
アーティスト
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