【FAITH インタビュー】
どこでやっても
ライヴの楽しさは変わらない!

L→R 荒井藤子(Ba)、コバヤシレイ(Gu&Vo)、アカリ ドリチュラー(Vo)、ヤジマレイ(Gu&Vo)、メランソンルカ(Dr)

長野県伊那出身の5人組バンドFAITHが1st EP『UN』をリリース。平均年齢18歳ながら、鳴らしている音は90年代オルタナティブロック! 『長野県高校生バンド選手権』最優秀賞、『未確認フェスティバル2017』ファイナリストと勢いに乗るフレッシュな彼らは、話を聞けば聞くほど興味深い驚異のニューカマーだ。

どうやってこのメンバーが集まったんでしょうか?

ヤジマ

レイ(コバヤシ)、ルカ、アカリが幼馴染みなんですよ。自分たちの兄ちゃんが高校でバンドを始めたのに影響されて、僕を含めた男3人と僕の兄ちゃんでALL TIME LOWとかNIRVANAのコピバンを始めたのが最初でした。でも、高校に入るタイミングでレイが声変わりで歌えなくなったから、アカリと、もともと知ってた藤子もベースで誘って、高1になる春から今の体制になりました。

では、それぞれのルーツを教えてください。

アカリ

もともとはテイラー・スウィフトが一番好きで、他には洋楽のポップスを聴いてましたね。

ヤジマ

僕はRed Hot Chili Peppersが本当に好きでした。

ルカ

ルーツはポップパンクで、小5ぐらいからALL TIME LOWの曲をコピーし始めて、そこからドラムにはまりました。

あのパワフルなドラムはそういうところからの影響が!?

ルカ

あぁ、そうですね。ポップパンクは結構体格がいい感じのドラマーが多いのでちょっと憧れてます。だから最近、筋トレ始めました(笑)。

十分いい身体してると思いますよ。荒井さんは?

荒井

私はこのバンドを始めるまで、バンドというもの自体をよく知らなかったんです。だから、私のルーツは“FAITHのメンバーが聴いてる音楽”です。

レイ

バンドを始めるきっかけになったのはALL TIME LOWです。ヤジマと知り合ってギターで遊ぶようになってから、ブルース系の音楽も聴くようになりました。

最初はコピバンをしていたということですが、オリジナルを書き始めたのはいつ頃ですか?

ヤジマ

結成した2015年の夏です。

レイ

地元の夏フェスみたいなイベントがあって、そこのアコースティックステージに出させてもらうことになったので、“じゃあ、1曲作るか”ってできたのが「Summer」(1stミニアルバム『2×3 BORDER』収録曲)です。

アカリ

それをあとでバンドアレンジしてライヴでやるようになって、そこからどんどんオリジナルが増えていきました。

曲はどうやって作っているんでしょうか?

ヤジマ

僕たちはそれぞれ嫌いなジャンルはないんですよ。だから、まずはいろんな要素を入れていこうってことになって、僕はブルースが好きなのでそういう要素を入れたり、ポップパンクの要素を入れたりして、その結果今のかたちになってるんだと思います。フレーズを先行して作るのはギターのふたりなんですけど、ひとつ前に作ったものとは違った雰囲気の曲になるように意識してます。

同世代の他のバンドと比べて鳴らしている音が全然違うと思いませんか?

ヤジマ

思います!

アカリ

似たようなことはやりたくないから、似ないように意識はしてます。

さて、1st EP『UN』ですが、どういうテーマで選ばれた4曲なんでしょう?

ヤジマ

ライヴ感ですね。作品を聴いた時に1本のライヴを思い起こさせるようなものを選びました。だから、バラードも1曲録ったんですけど今回は収録せず、アップテンポの曲だけにしました。

全ての曲に言えますけど、“楽しい”とか“悲しい”とかひとつの感情では言い表せない音楽になってると思いました。楽しいの中にちょっとした切なさがあったりして。

ヤジマ

意識はしてなかったけど、ただきれいで明るい曲ってあまりカッコ良いと思わないかもしれないです。だから、哀愁漂う要素を無意識のうちに入れてるのかも。

歌詞は等身大ですよね。まるで日記を読んでるような。

アカリ

“ふざけるな、この野郎~!”みたいな感じの歌詞ばかりだけど、誰にでもある感情だと思うんですよ。普段は自分の身の回りで起こったこととか自分が経験したことに対して何か思い付いた時に携帯にメモして、そこから内容を広げてます。英詞だから和訳しないと意味が伝わりづらいかもしれないけど、聴いてくれる人の近い存在でありたいなと思ってます。

怒ってる歌詞でも汚い言葉は使わないですよね。

アカリ

使おうと思えば使えるんですけど、パッと出てくる言葉がこういう感じなんです。曲調もポップだし、そういう曲に乗せる歌詞としては、“もやっとボール”をちょっと本気で投げるぐらいの感覚です(笑)。

逆に“LOVE”という単語も出てこない。

アカリ

“LOVE”ってストレートすぎて歌うのが恥ずかしくなっちゃうんですよ(笑)。普段聴いてる洋楽も比喩的な歌詞の曲が好きで、自分もそういう表現をしたいと思ってます。

今作の出来には満足してますか?

ヤジマ

してます! 聴いた時に感動しました。“こんなにいい感じになるんだ!”って。でも、レコーディングは今回で2回目だし、少し慣れてきた部分もあったので、全員でコーラスしたり、タンバリンを入れたりすることもできました。

ちなみに長野のシーンってどういう感じなんですか?

ヤジマ

ひとつのジャンルにまとまってる印象はないですね。ハードコアからポップパンク、オルタナ、いろんなジャンルがあります。ハルカミライのギターとKing Gnuのヴォーカルは地元の先輩です。

流行に左右されづらい土地で活動できてることが大きいのかもしれないですね。

ヤジマ

確かに。都内に来て“あのハコ(ライヴハウス)はこういうタイプです”みたいなことを言われることもあるけど、全然ピンとこないかも。

アカリ

“FAITHに合いそう”って言われても、自分たちがそれをなかなかイメージできないから。

荒井

どこでやってもライヴの楽しさは変わらないもんね!

取材:阿刀 “DA” 大志

EP『UN』 2018年8月8日発売
BORDER-LESS RECORDS

  • VPCC-82349
    ¥926(税抜)



『Time Leap vol.3』

9/15(土) 東京・渋谷TSUTAYA O-Crest
w)IRIE BOYS、Mas(NOTHING TO DECLARE)、ラヴミーズ

FAITH

フェイス:長野県伊那市を拠点に活動する平均年齢18歳の5人組バンド。2015年、別々の高校に通うメンバーが伊那GRAMHOUSEに集まり結成。メンバーのうち3名が日米のハーフ。16年、地元で開催された『第6回長野県高校生バンド選手権』で最優秀賞を受賞。17年には10代限定夏フェス『未確認フェスティバル2017』でエントリー総数3199 組の中からファイナリストに選出。音楽へのピュアな熱量と海外のルーツを感じさせるエヴァ―グリーンな本格サウンドを兼ね備えた存在として要注目!

「Unexpected」MV

アーティスト