【DaizyStripper インタビュー】
この世に存在しない
音楽を作りたい――
0から1を創造した5人の新たな第一歩
L→R Rei(Ba)、まゆ(Gu)、夕霧(Vo)、なお(Gu)、風弥~Kazami~(Dr&Piano)
立ち上げた自主レーベル『KISS RECORDS』から発表するミニアルバム『シン世カイ』。“新しい音楽を作る”をポリシーにした“シン”曲6曲と、既存曲をアコースティックアレンジした5曲から成る本作は、自ら“今が一番カッコ良い”と断言するのも納得の充実作だ。
レーベルを発足しての第一弾となる『シン世カイ』ですが、DaizyStripperにとってはどんな作品になりますか?
夕霧
タイトルの通り、新しい第一歩ですね。この“シン”には“新”だけじゃなく、“真”“芯”“深”“浸”…全ての意味合いが込められているんですよ。だから、最初は“シン世界”の予定だったんですけど、“世”ってカタカナの“セ”にかたちが似ているからこっちのほうが個性があって面白いかなって。
まゆ
もう初めてのチャレンジがたくさんあって! 例えばジャケット回りは全部自分が0からデザインを組んだりもしていて、枠にとらわれない“新しい世界”を作りたかったんです。そう思った一番大きなきっかけは、前作のシングル「4GET ME NOT」でL’Arc~en~CielのKenさんに関わっていただいたことだったんですよ。
「4GET ME NOT」はKenさんがサウンドプロデュースを担当されていましたからね。
風弥
そこでいろんなアドバイスをいただいて、自分の楽曲の作り方や考え方が180度変わったんです。とにかく新しいもの、この世に存在しない音楽を発明しないと、それは新曲じゃないんだっていう話をしてくださって。ジャンルの枠に収まらず、いかに聴き馴染みのない新しい音楽を作れるか、いかに0を1にするか、というところで知恵を絞って制作に取り組みました。結果レコーディングをしていても“こういうのカッコ良いよね”ではなく、“こういうの新しいよね”とか“面白いよね”っていう発想に全てが向かったんです。その代表格が1曲目でありリード曲の「コスモス」で。すごくシンプルな曲なんだけど、今聴いても訳が分からない!
Rei
本当に未知の世界を感じる曲で、聴いた時に浮かんだのが“日本誕生”という言葉だったんですよ。力強いドラムのビートに大地の鼓動を感じるし、壮大で漠然としすぎる世界だから形容できる言葉がないんですよね。だったら、うちらで新しい世界を作ろうということで、歌詞は初めて僕が書きました。“一番イメージが見えてるんじゃない?”って言われたんですよね。
私も11周年ライヴ(2018年6月5日@マイナビBLITZ赤坂)で聴いた時は“なんだこの曲は!? ”と良い意味で驚きましたし、抽象的でマクロな世界観からも宇宙を意味するタイトルはぴったりだなと。
Rei
ただ、本当に初作詞だったのでメンバーやKenさんに見せるのが、まるで裸見られるみたいで恥ずかしくて!
なお
でも、周りの人たちもみんな“新しいよ!”とか“面白いよ”って言ってくれたし、すごく可能性を感じるよね。メンバー全員でのコーラスもうちらのパワーを出せていて好きですね。
さらに2曲目の「TIME CRUISE」に続いた時、本当にバンドが新しくなったんだなと確信できたんですよ。こんなにAOR感のあるお洒落な曲、今までになかったですから。
まゆ
お洒落で夜空が見える曲にしたいというのはもともとあったんですけど、最初はもっとロックバンドっぽいテンポ感だったんですよね。でも、それだと今までと同じだってことで、バンド以外の音も使いながら全部組み替えたんです。
なお
で、3曲目の「TOXIC PEOPLE」は初めて聴いても無条件でノレる曲があったら絶対強いなと思って広げた曲で。
Rei
「CALLING U」は濃いメイクでフードを目深に被った、ちょっと危なくてエロい夕霧が見たいと思って俺が書きました。歌詞が全部英語っていうのも“シン世カイ”だし。
夕霧
この曲は誰もが心に秘める“もうひとりの自分”に向けて歌っている歌詞なんですよ。Reiからのリクエストもあるんで、ライヴではもっと感情的になるんじゃないかな。
風弥
ほんとに次元を超えて新しいものになったというか。これから何かを起こそうとする活力とか気合みたいなものが散りばめられている作品になったから、そういう目に見えないパワー感みたいなものを感じ取って、リスナーが吸収してくれたら何よりです。俺たち自身も考え方や生き方が変わって、それぞれの“シン世カイ”が生まれつつあるんですよ。
なお
僕なんて筋トレ始めましたからね! 運動が大嫌いで今までずっと避けてたけど、筋肉は裏切らないじゃないですか。
素晴らしい! そして、アルバム後半には5曲のアコースティック曲も収録されていますが、100曲を超える既存曲からの選曲は相当迷われたのでは?
風弥
それが一番大変でした。去年の秋冬にやったアコースティックツアーの反応が良くて、俺ら自身も手応えを感じた結果の今回なんですけど、もうチョイスが多すぎて! リリース時期、曲の雰囲気、テンポ感、世界観…いろんなバランスを考えつつ、どの曲も自分の中で一度完全にぶっ壊して根本から変えました。単にテンポを落とすとか、エレキをアコギに差し替えるだけのアレンジじゃ意味がないんで。
夕霧
それだと全然面白くないしね。あと、アコースティックになると音数が少なくなるんで、息の吸う音も入るから、呼吸とかそこから生まれる色気はすごく意識しました。
Rei
ある意味、これが『シン世カイ』の“シン呼吸”なんじゃないかと思うんですよ。そもそもアコースティックで出すことも、衣装を全員同じモチーフで統一したのも“シン世カイ”だし。全国ツアーが全カ所2デイズで初日がアコースティック、2日目がバンド曲に分かれているのも初めて。
夕霧
そういう構成でやれるのもうちらくらいじゃないかな。前回のアコースティックツアーが終わった時、反動で“暴れ狂ったライヴをやりたい!”って思ったんですよ。どうやらファンも同じだったみたいで、だったらお預けからのボディブローっていう2デイズにしたらどうだろうと。それでツアータイトルも冷静と情熱を意味するギリシャ語から“エトス兎パトスの、シン世カイ”と付けたんです。1日目でうっとりして、溜めて、次の日に満を持してドカン!といってもらうメニューにするんで、確実に2日とも来たほうが楽しいですよ。僕らにとって本当に大切な作品を持って全国を回るので、ぜひ生まれ変わったDaizyStripperに会いに来てほしいです。
取材:清水素子
アーティスト
編集部おすすめ インタビュー
編集部おすすめ ライブレポート
-
【DaizyStripper ライヴレポート】 『11th Anniversaryファン感謝祭 「KISS THE FUTURE ~Perfect Request Live~」』 2018年6月5日 at マイナビBLITZ赤坂
2018.06.10
-
【DaizyStripper】『DaizyStripper 5th Anniversary ONE-MAN Tour FINAL “DREAMER”』2012年6月3日 at 渋谷公会堂
2012.06.20
-
【DaizyStripper】『5×STARZ ATTACK ~奏で合うのさ5色音~』2012年1月21日 at 横浜BLITZ
2012.01.20
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第3回 『魔法の言葉は在るということ、を。』 -
2015.02.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第4回 『モヤモヤの正体を。』 -
2015.03.20 00:00