【LM.C インタビュー】
もうヤバいっすよね。
何かが爆発してるなって。

Aiji

久しぶりに聴いても『VEDA』はほんとによくできてたし、この先もそれを超えるアルバムをもちろん作っていきたいんだけど、例えばこの先何年後かにLM.Cの歴史を振り返ったとしても、恐らくベスト3に入っちゃうんじゃないかなとは思うんですよ。だから、めっちゃ考えましたね。ただ、考えても考えても答えが見つからないから、結果、今あるラインナップの中で、今やれる、やるべき曲みたいなものを集めたアルバムにはなったんですけどね。文脈的なところで言うと、結構めちゃめちゃだと思うんですけど、それもありなのかなって。昔だったらもうちょっとバランス良く作りたいと思っちゃってたと思うんですけど、そういうところからは外れたというか、イケたなという気はしてますね。

Aiji

うん。だから、それがリミッターだったとしたら、そのリミッターは良い意味で解除できたって感じはしましたね。

maya

『VEDA』に関しては…いわゆるLM.Cの曲が並んだ集合体のひとつの塊としては、結果的にですけど、10年の流れが着地した感じはありますね。今回はその先だからというのも一瞬考えましたけど、結局、特に思い付かなかったんですよ。だから、何か明確なプランみたいなものがないままトンネルを掘ってる感じというか…その意味では、どうなるかなぁと思ってたんですけど、いい経験になったなという気はすでにしてますね。『VEDA』以前の組み立て方も間違いではまったくないんですけど、刺激がそこにあるかと言うと、どんどん薄れていくと思うんですよ。そんな中、発信する側としては違うノリで完成できたんでね。

Aiji

新たに書いたものの他に、いつかやれるなって思ってた曲が10曲ぐらいあって、最終的にはその中からも半分ぐらいはピックアップしたんですね。これはネタバレになるからあまり言いたくないんだけど、その後、今回のジャケットのデザインをお願いした横尾忠則さんに“未来とは？”ってことについて、ひと言いただいたんですよ。それがブックレットにあるんですけど、“未来とは　過去に遡ることである”って言葉をいただけて。深すぎてまだ理解できていないんだけど、例えば俺で言ったら、あまり昔の曲をこうやって掘り返すことってしないんですよ。でも、急に掘り返したくなって。だから、未来を見るということは、こういうことでもあるのかなって思った瞬間でしたね。

Aiji

横尾さんに実際にお会いした時にもシンクロニシティをすごく感じたし、ちょっと次元が違うというか…。

maya

その顔合わせをした時、アルバムタイトルの言葉もフレーズとして出てきたんですよ。いつもならその瞬間の自分たちのキャッチコピーみたいなものだったから、わりとタイトルが決まるのは最終の段階だったりするんですけど、今回は今いちピンと来ないなという中を走り続けていて。そんな時に横尾さんのアトリエで話していたら浮かんできたんですよね、“FUTURE”と“SENSATION”っていう言葉が。

Aiji

あの時間に相当凝縮されてたよね、全てが。

Aiji

難しいっすね…。結局、どれも延長線上にあったものだし、自分たちから出てきたものだしなって思ってしまうので。ただ、「ChainDreamers」はmayaから届いた時に、最新のLM.Cだなって感じはしましたけどね。

maya

「ChainDreamers」がリードっぽくはなってるんですが、曲のタイプや歌っている内容としては、正直言って過去のアルバムほどはそうは思ってないですね。MVができて追い付いてきた感じがあるんですけど。そんな中、1曲目の「In Future, New Sensation」が最後に作業をしてて完成したんですけど、これですかね。向き合った時には、わりと瞬間的にできたんですよね。

Aiji

確実にこの曲の存在でアルバムのトーンは決まった感じはしました。最初はもっと象徴的なワードみたいなものを英語でもいいんで入れてくれというオーダーだったんですよ。まさかこういうポエトリーリーディング的なものを入れてくるとは想像してなかったから結構衝撃的でした。このジャケットを見て、手に取って、プレイボタンを押して最初に聴こえてくる曲という意味で言うと…もうヤバいっすよね。何かが爆発してるなって。

maya

2曲目の「ChainDreamers」にいったら普通のLM.Cですけどね（笑）。

Aiji

でも、その次（「Virtual Quest」）からは、また“えぇ!?”ってなるんだよね（笑）。

maya

ヤバいっすよね（笑）。結果的にこうなった感じですけど、タイトルだけ見てると面白いなと思いましたね。

Aiji

コンセプトアルバムって言ってたら“最後、そこに行くんですか!?”みたいな感じだよね（笑）。

Aiji

でも、いいアルバムになったんじゃないかな。いい意味で大人っぽいというかね。音に関しても今まで以上にダイナミックレンジの振り幅を大きくしようと思ってたし、ギターのピッキングとか今までは隠れ気味だった部分とかも結構出るようなサウンドにしてるんですよ。結構生々しく響くんじゃないかな。