【kobore インタビュー】
ど真ん中を歌う人が
カッコ良いと思っちゃう
L→R 安藤太一(Gu&Cho)、伊藤克起(Dr)、佐藤 赳(Gu&Vo)、田中そら(Ba)
今注目を集めている、東京都府中発の4人組、kobore。バンド初のシングル「アフレル」も充実の出来映えで、音楽ルーツを含めて今作の魅力について佐藤赳(Vo&Gu)を直撃した。
「声」は再録になりますけど、今作の全3曲はどれをシングルカットにしてもいいくらいの出来映えですね。
自分としても次回のフル作に全部入れたいくらいですね。
今作の内容は追って訊くとして、そもそも佐藤さんの音楽的な目覚めから教えてもらってもいいですか?
親父の影響が強くて。ジャズとか洋楽を車でよく流してたんですよ。バンドをやってほしかったみたいで、僕は3人兄弟の長男なんですけど、幼稚園からピアノ、ギター、ベース、ドラム、和太鼓も習わされてて、自分だけ唯一バンドをやってるんですよね。そんな中で、自分から好きになった音楽はBUMP OF CHICKENだったんですけど、中学1年の時に「天体観測」をずっとリピートして、ひらすら聴いてました。そこからスピッツ、ポルノグラフィティ、EXILE、西野カナ、ORANGE RANGEとか、ザ・J-POPが大好きでしたね。松崎しげるの「愛のメモリー」、狩人の「あずさ二号」とかもめっちゃ聴いてたし…それは親父の影響ですけどね(笑)。
最初は弾き語りから始めたんですよね?
そうですね。府中フライトという地元のライヴハウスでバイトしてて、そこの店長から“バンドやれよ!”と言われたけど、とりあえず弾き語りをやってみようと。でも、府中フライトにすごくカッコ良いバンドがたくさん来るんですよね。それに感化されて“このバンドたちに勝ちたい!”と思って、メンバーを集めてkoboreを組みました。
koboreの楽曲は他者へ向けたものが多いですよね?
しかも、歌詞はド直球ですからね。そこはJ-POPの影響が大きいと思います。西野カナの「会いたくて 会いたくて」の《会いたくて震える》の歌詞も賛否あるかもしれないけど、ど真ん中を歌う人がカッコ良いと思っちゃうんですよ。ど直球であればあるほど、また聴きたくなるんですよね。
ただ、今作は歌詞もパンク/ハードコアバンドの1~2分台のショートチューン並みの短さですよね(笑)。
府中で弾き語りを始めた時にLAST ALLIANCEのヴォーカルのANZAIさんと共演させてもらうこともあったし、『はじめの一歩』のアニメの主題歌だった「HEKIREKI」も好きでしたからね。「君にとって」では2ビートを入れてるんですけど、ひたすら影響を受けたものを練り込んで、koboreっぽいと言わせたら勝ちだなと思って。だから、余計に歌詞は自分らしさを大事にしました。
とはいえ、J-POP一色のアレンジに染まらないのはなぜですか?
スピッツは2ビートをやらないと思うんですよ(笑)。でも、スピッツってもともとパンクバンドから始まってるって言うじゃないですか。まだ模索中ですけど、自分らしさを出すことがパンクだと思うから。ツアーを回って少し自信も付いてきたから、今回はやりたいことを詰め込もうと。
では、今作の取っ掛かりはどこから?
今回はツアー中に出会った先輩バンドに影響を受けて…特に新曲2曲(「君にとって」「僕の全部」)はそうですね。前はバラードで攻めることが多かったけど、さっきも言ったように今回は2ビートを入れてますからね。
先輩バンドの影響というと?
自分が高校生の時に観ていたバンドと対バンする機会が多くて。KOTORIが大好きで、前作のツアーで一緒に回ったんですけど、勝てないと思うことも多くて。どうしたら勝てるのかを考えた挙げ句にできた2曲と言ってもいいですね。等身大で自分が歌える曲を歌おうと思ったから。あと、Amelieのドラムも僕の高校の直属の先輩で、KOTORIのツアーで一緒になって。で、その2バンドを観ていると、高校生の頃に“ああいうふうになりたい!”と憧れていた自分を思い出して、それで「僕の全部」という曲もできたんですよ。その歌詞は自分を掘り下げて、幼稚園の頃にスーパーカーが好きだったとかを思い出して。みんな子供だった時代があるわけで、誰でも共感できる歌詞が書けたんじゃないかなって。
「君にとって」の歌詞も読む人によっては、クサいなと感じる人もいるかもしれません。
そうなんですよ。でも、ライヴで聴いたら“なんか響いたんだよ!”と言わせられると思うから。再録した「声」も中学の時に書いた曲なんですよね。それを少し変えはしたけど、当時の自分らしさは出てると思います。あと、今回は久しぶりに歌詞から書いて、そこにメロディーを乗せたんです。だから、歌詞の強さも増しているのかなって。
歌詞は繰り返しのフレーズが多いですよね。
“koboreは歌詞を読まなくても、歌えるんだよね”と言われることがあって。それを意識したら、結果こうなりました。
あと、作品全体に言えますけど、歌詞の描写が独特ですよね。自分が言いたいことを効果的に言うために、その真逆にある事柄や感情を丁寧に綴っているなと思いました。
嬉しいことを伝えるために悲しいことを書くことが多いですね。それで最終的にはハッピーエンドにしたいんです。
例えは変ですけど、戦争真っただ中の焼け野原で愛を叫んでいるような感じの描写だなと。
焼け野原で歌う人なんていないと思うからこそ、そこで歌うことがカッコ良いと思っちゃうんでしょうね。
では、「声」を再録した理由を教えてもらえますか?
売り切れて廃盤になったCDに入ってたんですけど、バンドとして最初にできた曲だったので残しておきたくて。
これもすごくいい曲ですね。ちょっとBLUE ENCOUNTの「VOICE」に通じる部分もあるなと(笑)。
ドラムが大ファンなんですよ。僕も高校の頃にめちゃくちゃ聴いてたし、大好きですね。ライヴ中に泣いたりするし、泥臭いバンドですからね。田邊さんといつか話したいですね。
取材:荒金良介
「君にとって」MV
アーティスト
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