L→R 安藤太一(Gu&Cho)、佐藤 赳(Gu&Vo)、田中そら(Ba)、伊藤克起(Dr)

L→R 安藤太一(Gu&Cho)、佐藤 赳(Gu&Vo)、田中そら(Ba)、伊藤克起(Dr)

【kobore インタビュー】
近くにいながら、
より遠くに音楽を投げた曲が増えた

メジャー2ndアルバム『Purple』はいい意味で従来のバンド像を裏切る大飛躍を遂げている。ライヴハウスはもちろん、より大きな会場で響くことを想定した“スケール”と“こだわり”を詰め込んだ今作について、佐藤 赳(Gu&Vo)と田中そら(Ba)の両名に語ってもらった。

“やりたいことを詰め込んだら、
こういうものができました”

今作はメジャー3作目になりますが、作品を聴いて驚きました。“こうくるか!?”と。

佐藤
“やりたいことを詰め込んだら、こういうものができました”という感覚が近いです。
田中
僕はより新しいことにチャレンジしたいと思っていました。

1曲目「ジェリーフィッシュ」のインパクトが凄まじくて。前作(2021年6月発表のEP『Orange』)の「夜空になりたくて」の印象を“ズバ抜けてポップ”と取材で言いましたが、この曲はそれどろこじゃない突き抜けぶりです。

佐藤
踊れるというか、そっち側を意識して作りました。寄り添うというよりも、音の広がりだったり、開けた曲を作りたかったんですよ。歌詞も起こり得ない奇跡みたいな内容だったり…それもkoboreとしては挑戦でしたね。
田中
デモが赳から送られてきた時に、“いいけど、koboreではないな”と思いました(笑)。でも、単純にリフが良かったし、いい曲になるだろうからやるんだろうなと。今作の1曲目になるとは思わなかったですけど、今作は挑戦が多いから“そういう姿勢でやっているんだよ”と伝えるにはいいんじゃないかと。

驚きましたが、ちゃんとkoboreの音になってますからね。

田中
そうなんですよ!
佐藤
それは仕方ないですね。koboreになっちゃうんですよ(笑)。

どんなことをやってもkoboreらしくなるという自信が芽生えてきたとか?

佐藤
コロナ禍でも相当ツアーも回りましたからね。精神面でもタフになれたから、そこは大きいですね。心が折れず、信念を持ち続けるバンドでありたいから。
田中
コロナ禍で僕は完全に心が折れて、粉々になっちゃっいました…。ライヴがなくなってしまった時、別に音楽がなくても生きていけると思ったけど、やっぱりしんどかったんですよ。それから自分を奮い立たせる過程で得たものが多くて。音楽に対する熱も2倍になったし、音楽の勉強をもう一度しましたからね。

今作はkoboreの芯を残しつつ“どこまで遠くに行けるか?”みたいな、とても跳躍力が増した作品になったし、ドリーミーな雰囲気も出てきましたね。

佐藤
今、おっしゃってくれたとおりですね(笑)。“より遠くに”という表現がしっくりきていて、近くにいながら、より遠くに音楽を投げた曲が増えたと思います。歌詞やメロディーはkoboreっぽくなるけど…そういう意味では、今回意識したのはサウンドですね。音によって浅く深く、広く狭くできるから。ミックスにも時間をかけましたからね。メンバー内でぶつかることもあったけど、最終的にみんなが納得できる曲を作れたんじゃないかと。

特にギターの音色はこれまでになく輝きが増していますね。

佐藤
例えば「ジェリーフィッシュ」はリバーブをかけているけど、めちゃくちゃ歪んでいるとか…それは僕のほうでもリクエストしました。今回、ギターサウンドはいろんな顔を持っていますね。
田中
うん。ギターや全体のサウンドにもこだわったし、自分のベースよりもギターの音色を優先しました。エンジニアさんも最初は戸惑っていましたね、新しいことに挑戦したから。ドリーミーなサウンドは「ジェリーフィッシュ」「Fly」「ピンク」辺りだと思うんですけど、そこはめちゃくちゃ意識しました。

今作を制作する上での取っかかりは?

佐藤
テレビを観ていて流れてきた言葉から派生させたり…とにかく作曲期間がコロナ禍だったんで、外に出なかったんですよ。なので、ソファーから情報を得ることが多くて。

だからこそ、想像力を最大限に膨らませて?

佐藤
それはありますね。想像力がキーになると思ったし、壮大な曲もありますからね。

ええ。日常や風景を描いたものから宇宙まで飛躍した曲まで、その振り幅が大きくて。まず1曲目「ジェリーフィッシュ」から「キュートアグレッション」「MARS」「Fly」と4曲目までは華やかな明るさを放つ楽曲が並んでますが。

佐藤
一曲単位で作ったので、並べたらそうなったという感じです。踊れるというか、聴いて心地良い音の跳ね方とかは考えました。途中で英語を入れた歌詞もあるので、それも新しいアプローチですね。
田中
「MARS」「Fly」はドラムの伊藤の最近の流行りが踊れる曲だったみたいで、自然とそこに導かれたところはあります。ベースもそれに合わせてもっとダンサンブルにできたけど、そこまで行ききりたくはなかったんですよ。なので、4曲目まではサラッと聴けるんじゃないかと。

なるほど。そして、5曲目「Tender」からは歌とメロディー重視のミドルテンポの楽曲が多く並んでます。前作で培った歌モノ路線をアップデートさせた仕上がりだなと。

佐藤
そうですね。メロディーを意識しつつ、楽器はフレーズやサウンドにこだわったゾーンです。リードギターよりもバッキングの音作りにこだわりましたね。
田中
「Tender」と6曲目の「微睡」はデモの段階でものすごく良くて。これは我慢してシンプルに徹しようと思いました。少し前の自分だったら目立つフレーズを入れていたけど、その必要はないなと。だから、シンプル化したという意味で逆にこだわっているんですよ。その一方で、「ピンク」「彗星」は自分の好きな動くフレーズを入れました。今回はベース以外の他のパートを考える時間も多かったですね。
L→R 安藤太一(Gu&Cho)、佐藤 赳(Gu&Vo)、田中そら(Ba)、伊藤克起(Dr)
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OKMusic編集部

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