【連載】Vol.040「Mike's Boogie St
ation=音楽にいつも感謝!=」
高校時代(60年代後半)のガールフレンドがザ・スパイダースのファンだったこともあって後楽園遊園地とかいろんなスポットでライヴを楽しんでいた。ムッシュさんとゆっくりお話させていただいたのは70年頃。その時、名刺をいただいた。ミュージシャンの方からは初めてだった(二人目はB.B.キング)。以来イベント、ライヴ、インタビュー、座談会、TV生放送…。楽しく仕事させていただいた。拙書「ジャパニーズ・ロック・インタビュー集」にも登場。マイ・プロデュース・アルバム『RESPECT THE STONES 2』では「Route 66」でオープニングを飾ってもらった。「エッジィな男 ムッシュかまやつ」(リットーミュージック)はムッシュかまやつの足跡を見事に纏めあげた素晴らしい内容だ。著者は生前、ムッシュさんと交流がありファンでもあった中村俊夫とサエキけんぞう。邦楽だけでなく洋楽にも詳しい二人だけに、ムッシュさんの音楽を実にアーティスティックに記しており、どの項目からもムッシュさんが音楽を楽しんでいる雰囲気がダイレクトに伝わってくるのだ。“ザ・スパイダース外タレ前座時代”は体験者として懐かしく読ませてもらった。朋友だった大口広司やアラン・メリルとのウォッカ・コリンズ、その軌跡も熟読させてもらった。巻末の“ディスコグラフィー”(2版から『RESPECT THE STONES 2』も記しておいてネ)“提供楽曲リスト”は貴重データ。TVも含めたフィルモグラフィー、CM関連も2版ではぜひぜひ…。そして60年代末にMCさせていただいたこともある亀渕友香さんへのインタビュー“初期ムッシュの実像”。僕ら世代の知らないシーンをしっかりと伝えてくれる。ニュース喫茶!友香さんは昨年10月、本書発売直後に亡くなられた。
【ジャジューカ モロッコの不思議な村とその魔術的音楽】はそんなブライアンが大好きだったモロッコの音楽を軸として、ジャジューカ(Ja-hven-ja-oka)の音楽の歴史、演奏体験や楽器紹介。そして料理から住居までの暮らしぶりまで、そして村のマップもついているまさに“ジャジューカ・ガイド・ブック”なのだ。とても勉強になる。久しぶりにライナーノーツを書かせてもらった『ブライアン・ジョーンズ・プレゼンツ~』のLP&CDを久しぶりに聴いてみよう。モロッコ・フリークの皆さん、ストーンズをもっと聴いてくださいませ。
そしてキース・リチャーズ御主演の「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」。ジョニー・デップは大のキース・ファン。20枚組のディスク・ヴァージョンの「Life/Keith Richards」のナレーションをジョニーが務めていたりするのだ。
“波乱万丈!ミュージシャンの生き様を描く”では「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」をしっかりと、何度も観ておきたい。「Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡」「SAD VACATUION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー」の監督でも知られるダニー・ガルシアは来年のブライアン没後50年に向けて、彼のドキュメンタリー作品制作の準備に取り掛かっている。
そして故ココ・テイラーが多方面で監修した「キャデラック・レコード」もソウル・ミュージックを愛するひとりとして見逃せない名作である。
そして「約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~」は昨年6月に日本公開され多くの音楽ファンから絶賛された。ミュージック・パルのナルチョこと鳴瀬善博(日本を代表するベース奏者、カシオペア)からも大拍手をもらったばかりだ。60年代後半にビッグ・エクスプロージョンしたメンフィス・サウンドの素晴らしさを新旧ミュージシャンが交差しながら称賛し伝承していく。ゴールデン・ウィークには遂にBlue-ray Disc/DVDでリリースされる。
“あの時代がよみがえる!日本の青春バンド・ストーリー“はなんといっても「青春デンデケデケデケ」。直木賞受賞作品の映画化。原作は芦原すなお(ご自宅にもうかがったことのあるミュージック・パル)、ベンチャーズ・ファンにはたまらない作品。そしてエレキ、60年代中期のベンチャーズが日本の若者にギターを弾くことを教えてくれた時代を描いている”様々な形でギターが登場する作品&ドキュメンタリー“での「ALWAYS三丁目の夕日‘64」。マニアックなセレクション、大拍手!なのだ。
【ジャズの肖像 ポートレイチャーズ】
写真:阿部克自 監修:行方 均
そんな阿部さんの“ジャズの肖像”である。05年にジャズ・フォトグラファーの最高の栄誉である“ミルト・ヒントン・アワード”受賞。その実力ぶりがダイレクトに伝わってくるこの160頁に及ぶ“ポートレイチャーズ”。多くのジャズ・ミュージシャンたちの演奏シーン、キメ・ショット、そしてリラックスな様子などが音楽ファンをワクワクさせるのだ。
ライヴを楽しんだジョン・コルトレーン、セロニアス・モンク、キャノンボール・アダレー、秋吉敏子、マイルス・デイヴィス、ナンシー・ウィルソン、レイ・チャールズ、トニー・ベネット、ジョージ・ベンソン、レイ・ブラウン、ミルト・ジャクソン、ヘレン・メリル、マリーナ・ショー、フランク・シナトラなどの作品には特に熱いものを感じてしまう。久しぶりにジャズのLPをしっかり聴きたくなってしまった…。
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