【フジファブリック
ライヴレポート】
『フジファブリック LIVE TOUR 2018
"帰ってきた!!三日月ADVENTURE"』
2018年3月24日
at EX THEATER ROPPONGI

2018年3月24日 at EX THEATER ROPPONGI

 2016年に開催して、大好評を博したこともさることながら、メンバーたちにとって得るものが大きかった『フジファブリックLIVE TOUR 2016 "三日月ADVENTURE"』。その第二弾とも言うべき『フジファブリック LIVE TOUR 2018 "帰ってきた!!三日月ADVENTURE"』が3月24日、EX THEATER ROPPONGIでツアーファイナルを迎えた。各地、リリースに縛られない自由な選曲のセットリストをファンとバンドが楽しんだ今回もまた、メンバーたちにとって得るものは大きかったようだ。そんなツアーのファイナル公演の模様をレポートする。

 新旧のレパートリーから自由に曲を選ぶことができ、全カ所、セットリストが変わる『三日月ADVENTURE』には予想外の驚きという、このツアーならではの楽しさがある。ツアーファイナルとなったこの日も「SUPER!!」から「カンヌの休日」「Sugar!!」とお馴染みの曲をつなげていきながら、久しぶりに演奏した「キノウ」や“良い曲だなぁ”と山内総一郎(Vo&Gu)がしみじみと言った「Anthem」はこの体制になってから初めて披露し、ファンを喜ばせた。加えて、『J SPORTS STADIUM 2018 プロ野球中継』のテーマソングとして書き下ろした「電光石火」と「Water Lily Flower」という新曲も飛び出したが、癖になるような展開がなんともフジファブリックらしいサイケかつフォーキーな後者は、個人的に音源化を熱烈に希望。当の本人たちも「キノウ」で拍手を求めながら加藤慎一(Ba)が軽やかなステップを踏んだかと思えば、グッズ紹介で長らく封印していた雄叫びを金澤ダイスケ(Key)が蘇らせ、メンバーを驚かせるという予定外の展開に爆笑しながらライヴそのものを楽しんでいた。その楽しさが『STAND!!』というアルバムに結実した前回同様、今回もまたメンバーたちにとって得るものは大きかったようだ。“ツアーでもらったイメージ、パワーを糧にして、ゼロから曲を作っていこうと思います!”という山内の言葉に期待したい。ラストは「虹」をジャズ風のインプロを交えながら熱演。サビを一緒に歌う観客の歓喜の声が会場を包みこむ中、全国14カ所を回ってきたツアーは幕を閉じたのだった。

 ――が、4月14日、Zepp DiverCity Tokyoで追加公演が決定。“違うライヴになる!”とメンバー自ら語ったように、デビュー記念日となるこの追加公演では特別な曲等が飛び出すかもしれない。まだ間に合うので、予想外の驚きという楽しさを味わいたい人は、是非!

 尚、今回のツアーでは、全36曲のレパートリーから楽曲が披露された。
「ダンス2000」「TAIFU」「陽炎」「打上げ花火」「モノノケハカランダ」「銀河」「虹」「熊の惑星」「若者のすべて」「Surfer King」「ロマネ」「星降る夜になったら」「バウムクーヘン」「Sugar!!」「Anthem」「夜明けのBEAT」「STAR」「スワン」「Splash!!」「徒然モノクローム」「春の雪」「Gum」「LIFE」「シャリー」「robologue」「バタアシParty Night」「夢みるルーザー」「マボロシの街」「キノウ」「SUPER!!」「炎の舞」「カンヌの休日」「1/365」「かくれんぼ」「電光石火」「Water Lily Flower(新曲)」

撮影:木村泰之/取材:山口智男

フジファブリック

フジファブリック:2000年、志村正彦を中心に結成。09年に志村が急逝し、11年夏より山内総一郎(Vo&Gu)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(Ba)のメンバー3人体制にて新たに始動。奇想天外な曲から心を打つ曲まで幅広い音楽性が魅力の個性派ロックバンド。「銀河」、「茜色の夕日」、「若者のすべて」などの代表曲を送り出し、『モテキ』TVドラマ版主題歌、映画版オープニングテーマとして連続起用された。数多くのアニメ主題歌も担当。18年には映画『ここは退屈迎えに来て』主題歌、そして劇伴を担当。19年にデビュー15周年を迎えアルバム2作を発表。同年10月に大阪城ホール単独公演を大成功させた。21年3月に11thアルバム『I Love You』を発表。23年には4本のツアーを開催した。24年4月にデビュー20周年を迎えるが、目前となる2月に12thアルバム『PORTRAIT』をリリースする。

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