【インタビュー】山崎育三郎「観てい
る人に心の中でどんどんツッコんで欲
しい」少し愛せる部分があるムカつく
プレイボーイ役を好演!

抜群のプロポーションだけが取り柄の地味なOL(知英)と、年商500億のワンマン社長(竹中直人)の心と身体が入れ替わってしまう爆笑必至のエンターテインメント映画『レオン』(2月24日公開)。「何の知識もなくフラッと観に行っても“楽しかった!”と思って帰れる作品。どの人物にフィーチャーしてもらっても楽しめます」と太鼓判を押す山崎育三郎が演じるのは、“恋心を弄ぶプレイボーイ税理士”日下役だ。まさしくどの瞬間を切り取ってもおもしろい日下役を熱演した彼に、撮影裏話をたっぷりと聞きました。
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■「笑わずに受け止めた」竹中直人が本番中に披露した衝撃のアドリブ!
――日下は、とてもとても癖の強い役どころですね。
山崎 すごいですよね(笑)。塚本(連平)監督からは「もう、やっちゃって」と言われていました。「やっちゃって」の意味がよくわからないんですけど(笑)、日下がすごくナルシストで自分に自信があり、常にバラを持っているというところから膨らませていきました。この物語はちょっとファンタジーな世界観もありますし、これまでにない悪役を作りたいということ、そしてミュージカルというグラウンドで育ってきた僕がキャスティングされたということを最大限に生かしたいなと思って。ただシンプルにキザな男でカッコよくやるだけではない、ちょっと振り幅を持ったお芝居を心掛けました。
――立ち方や歩き方ひとつひとつにもこだわりが感じられました。
山崎 日下くんは自分が美しく見える角度を常に探しているんですよ。ちょっとした隙にも誰かに観られているんじゃないかって意識を持っている。みんなと同じでいたくない、自分が人と違う何かでいたいという想いもあるから、いつも何かしらのアクセントを付けたがる。椅子の座り方もこだわりのひとつですよ。ものすごく浅く、低く座っていますので、そこにもぜひ注目していただければ(笑)。
――劇中での動きは山崎さんから監督に提案されていたのですか?
山崎 そうですね、基本的には全て自分から。「とにかく自由にやってみて」と言われていたので、リハーサルの段階で監督に「自分はこういう風に考えてきたので見てください」と言ってやってみて、監督から「いいね!それでいこう!」とOKをもらうという繰り返しでした。監督がいつも「もっとやって」とおもしろがってくれるので、じゃあ僕ももっと…という感じでエスカレートしていって。現場のスタッフのみなさんに向けてやっていた部分もありますね、みなさんがウケてくれたらそれでいい、みたいな(笑)。
――かなり笑いが絶えない現場だったのでは?
山崎 笑いは多かったですね。一回、知英ちゃんが僕の芝居にハマっちゃって、7、8回くらいテイクを撮り直したこともありました。僕が「無駄パイ」って連呼することがツボに入ったらしいです(笑)。何回やっても笑っちゃって、本人も「ホントやばい、ホントやばい」って、ひとりで最後まで笑っていました。僕は台本通りのことを言っていただけなんですけどね。決してアドリブで言ったわけではないというのはお伝えしておきたい(笑)。あと逆に、僕は竹中さんに笑わされまして。竹中さんは自分の口でおならの音を出すのが得意で、カメラが回っていないときにずっとされていたんですけど、それを本番中にもいきなりアドリブでされたんです。めっちゃおもしろかったですけど、それを笑わずに受け止めるのはめちゃくちゃ大変でした(笑)。

■男性ではできないことに挑戦?女性に入れ替わったらやってみたいことを直撃!
――「このシーンはツラかった」などはありますか?
山崎 うーん……なんにもツラくなかった(笑)。監督がとにかく自由にさせてくださったこともあって、本当に楽しかったです。
――大人数の女性に囲まれたり、超巨大パネルが現れたりと、特に終盤に日下の見どころシーンがギュッと詰まっていますね。
山崎 女性に囲まれるのはすごかったですね(笑)。すごい勢いで睨まれて、芝居でも怖かったです。ただ、その後の日下の行動には自分でも笑わずにやるのが大変でした。そして巨大パネル……(笑)。尋常じゃないデカさなので、それを見るだけでもおもしろいと思います。日下はムカつく男ですが、ムカつく中にも少し愛せる部分もあったらいいなと思って作りました。映画の世界の中では誰もツッコんでくれないので(笑)、観ている人に心の中でどんどんツッコんでほしいなと思います。
――今回の役はドラマ『お義父さんと呼ばせて』(フジテレビ系)、『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系)などでの役どころに少しフラッシュバックする部分がありました。
山崎 そうですね、確かに(笑)。こういう役をやらせていただくようになったのは、テレビに出させていただくようになってからだと思います。僕、お笑いとコメディ番組が大好きでして。小さい頃はずっとお笑い動画を観ているような子供だったんです。とにかくおもしろいことが大好きなので、こういう役をいただくのは光栄です。ミュージカルを観て僕のことを好きになってもらった方には、かなり新鮮に映ると思いますが。
――映像世界での山崎さんの演技のひとつとして確立されている感じがします。
山崎 あはははっ(笑)。竹中さんはもちろん、ムロツヨシさんや佐藤二朗さんなど、これまでたくさんのおもしろい先輩方と共演させていただいたことにかなり影響を受けている気がします。今回も自分にしかできない色を出したいなと思って挑んでいたので、そう言っていただけると嬉しいです。
――最後にもしも山崎さんが今回の映画のように女性に入れ替わったとしたら、何をしてみたいですか?
山崎 そうですね……歌かな。ミュージカルで女性の役をやってみたいです。“この役、いいなぁ”と思ってもやっぱり男性では歌えない曲が多いので。例えば『レ・ミゼラブル』でエポニーヌが歌う「On My Own」などを歌ってみたいですね。
文/松木智恵
(c)清智英・大倉かおり/講談社・2018映画「レオン」製作委員会

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