ひとつの旅の終わりは、新しい旅のは
じまり ―「journey」から読み解く
赤い公園の現在と未来
ひとつの旅の終わりは、新しい旅のはじまり ―「journey」から読み解く赤い公園の現在と未来
そこで先行シングル「journey」を通じて、彼女たちの現在と未来を読み解いていきたい。
日本レコード大賞優秀アルバム賞など彼女たちが掴んだ「glory」はその才能を証明するものだった。
「青春のjourney」と「間違い」が切っても切り離せないこと。それは、「道草」という言葉にも表れている。1番で「道草ばっかしてた」と歌った後に続く「押入れの宝箱」は、一見無意味な「道草」が宝探しであったことを示唆している。
何かをともに生み出すという作業は信頼関係なしではできない。互いを知り尽くした上でそれでもどうにもならないこと。多分に感覚的なそれを、一言「ズレ」とだけ言い表しているのだ。
「死ぬまでヤングで」と歌う対極は、「ただ今日が終わるのを待って」、「明日の風」に「怯えてる」姿や、「錆びた鎖でがんじがらめ」になって「誰かのせいだと泣く奴」だ。
「あれこれ背負」ったり、「何でもないようなふりして」自分の気持ちを隠す「大人」になるくらいなら、「間違いだらけ」でも旅を続けること。
その道のりは人それぞれ違うし、そこに決まりきった答えはない。あえて言うなら「お前の残した足跡が答え」なのだ。
答え=正解ではないし、必ずしも正解の対義語が間違いでもない。
「お前」が存在することが答えだという歌詞は、佐藤と残された3人のエール交換を目の前で見ているようで胸が熱くなる。
「賢くなるなよ」という一言に、MCやインタビューで絶妙なボケをかましながらバンドを引っ張り続けた佐藤への愛があふれている。
PVでは目覚めて歌う佐藤と、ビルの屋上や学校のプール、車の中など旅の途上で眠ったままの3人の姿が対照的である。
旅をやめるという決断、続けるという選択、そのどちらも正解だ。
正直、佐藤がいないダメージは図り知れないが、この3人ならきっとこっちが「あっ」と驚くような、予想の斜め上を行く音を聴かせてくれるに違いない。
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