スザンヌ、充実のジャパン・ツアー・
ファイナル
日本でも以前コーヒーのCMで起用されて御馴染みである「トムズ・ダイナー」のアカペラにのって、バンド・メンバーが一人また一人と入場。歌詞にあわせてコーヒー・カップを片手に現れたり、片や新聞を広げたりと粋な演出はオフ・ブロードウェーのステージでも見てるような錯覚に捉われる。
その殆どがニューヨークをテーマに自身の家族や、生活といった日常から紡ぎだした曲集となった『ビューティー〜』、彼女のトレードマークといえるアコースティック・サウンドはそのままにエレクトリック・ビートの要素やストリングスを加えたアレンジなど凝った作りの新曲には、ベース、ギター、キーボード、ドラムズからなる4ピースのバック・バンドによる演奏を、一方でアコースティック主体の古いナンバーは、ベース+アコースティック・ギターのシンプルなアレンジと使い分け、曲の合間に一曲一曲笑いを交えた曲解説を含む軽快なトークと共にテンポ良くショウが進行していく。
セット後半には、彼女の代名詞といえるヒット曲「ルカ」を演奏。1987年アメリカで深刻化していた幼児虐待問題を歌ったこの曲、当時でこそ日本では、それほど社会問題として表面化していなかったために、衝撃的な内容も対岸の火事と思えたが、現在の日本でこの曲はリアリティのある出来事として、歌詞自体もより悲しく深刻に受け止められると思う。
最後はオープニングと同じ「トムズ・ダイナー」をバンド・ヴァージョンで。ツアー・ファイナルとなるオーストラリア公演を前にした充実のステージ、オーディエンスの熱烈なアンコールに2度も答えるなど、彼女たちにとっても非常に満足の行くショウだったように感じられた。
01.トムズ・ダイナー(ソロ)
02.マレーネ・オン・ザ・ウォール
03.ニューヨーク・イズ・ア・ウーマン
04.ラドロウ・ストリート
05.キャラメル
06.フランク・アンド・エヴァ
07.ジプシー
08.マギー
09.レフト・オブ・センター
10.ブラッド・メイクス・ノイズ
11.エンジェルのドアの前
12.ポルノグラファーの夢
13.アンバウンド
14.イン・リヴァプール
15.ルカ
16.トムズ・ダイナー(フルバンド)
【アンコール1】
17.ゼファーと私
18.クイーン・アンド・ソルジャー
【アンコール2】
19.バウンド
20.ローズマリー
アーティスト
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