【FLOW】
5人のプライドと
アイデンティティーのミニアルバム

L→R GOT'S(Ba)、IWASAKI(Dr)、KEIGO(Vo)、KOHSHI(Vo)、TAKE(Gu)

今年7月より15周年イヤーを迎えるFLOWが、15周年記念ミニアルバム『Fighting Dreamers』を完成させた。代表曲「GO!!!」の豪華セルフカバーと、メンバーそれぞれが作詞作曲を務める楽曲で構成され、現在のFLOWがぎっしり詰まってます!

ぞれぞれのアイデンティティーを出すことで
FLOWという集合体を表したかった

「GO!!!」のセルフカバーと、メンバーそれぞれが作詞作曲した楽曲が収録された15周年記念ミニアルバム『Fighting Dreamers』は、まずFLOWから絶えず生まれてくる、いろんなアイデアに感心します。

TAKE

今回は「GO!!!」の再録をしようってところから始まり、“15年の歴史で関わってきたアニメの声優さんを迎えて、豪華なコーラス入りのAnniversary ver.を収録しよう”という話になったんです。その他の収録曲を考えた時、今までやったことのないことに挑戦して“Fighting Dreamer”たるところ、責め続ける姿勢を見せようという意味で“それぞれが作詞作曲を担当するのはどう?”ってアイデアが出たんですよ。レコード会社もマネジメントもすごい乗り気になってくれて。

レコード会社やマネジメントは乗り気だったとしても、肝心のメンバーの反応はどうだったのですか?

KOHSHI

…ちょうど、ここの隣の会議室で話し合ってたんだよね?

KEIGO

そう、忘れられないよね。嫌だったな、あの時…。

嫌だったんだ(笑)。

IWASAKI

その話が出た瞬間、みんな下向いたもんね(笑)。

GOT'S

俺は誰も反対しないから“え、いいの!?”って。みんなプライドだけは高くて、“できない”って言い出せないのかなぁ?と思いながら見てました。

KOHSHI

そりゃそうだよ。誰か言い出してくれればいいけど、自分から“できない”とは言いづらいじゃん!(笑)

GOT'S

だから、今回はプライドでできた一枚ですね。

わははは! 実際のところメンバーの心中はそんなだったみたいですけど、TAKEさんも感じてました?

TAKE

大変だったとは思いますよ(笑)。ただ、俺もみんなが作ったデモを整えていく、プロデューサー兼アレンジャーみたいな仕事をして。鬼が出るか蛇が出るか分からないから、蓋を開けるまで怖かったですよ。

KEIGO

僕ら、その期間だけTAKEのこと“先生”って呼んでましたから。“先生、お願いします!”って(笑)。

TAKE

今回はデビュー15周年のタイミングで、メンバーそれぞれのアイデンティティーを押し出すことで、それが集まったFLOWという集合体を表せたら良いなというところから始まったけど、全員が曲を作るバンドなんて全然いるから! そういう意味では、普通のことをやったまでだけどね。

KEIGO

おい、あの時の気持ちを返してくれよ!(笑) ーでも、一曲一曲にメンバーの個性があふれていて、すごく面白い作品になったと思いますよ。

TAKE

IWASAKIさんに至っては最初、泣きのバラードを書いてたから、“そうじゃねぇだろ!”ってツッコんで(笑)。

IWASAKI

いや、ど真ん中のハードロックも違うと思ったから、自分が本当にやりたい、哀愁のある曲を出そうと思って(笑)。

KEIGO

でも、個々の色がすごい出てるから、結果的にすごいさまざまな色が混ざった一枚になりましたね。今までもいろんなことをやってきたけど、FLOWの一番濃い部分が出せたよね?

TAKE

うん、ミックスが終わったあと、エンジニアさんに“今までで一番FLOWらしいアルバムだ”って言われましたから。

5人をよく知ってる人こそ、そう思うかもしれない。

KOHSHI

だから、FLOWをよく知ってくれているファンの人に早く聴いてほしいんです。きっと“うん、分かる!”と言ってくれるアルバムになってると思うんで。

IWASAKI

自分たちでも、この5人でやったら、それぞれの色がこれだけ濃く出てもFLOWの色になるんだなっていうのは再認識できましたね。僕の作った「Bet or Dead」もアメリカンロック調の曲だけど、この5人でやると良い相乗効果があって。

KOHSHI

IWASAKIさんは自分の曲のディレクションも厳しかったですよ!

KEIGO

そう。歌い終わったら、“KEIGO、今の歌はアレやからもう1回!”って言われて。“アレって何!?”みたいな(笑)。

KOHSHI

もう1回って言うなら歌うけど、アレって言われてもどう直していいか分からないもんね。

IWASAKI

どう進めていいか分からなかっただけや!(笑)

GOT'S

俺は逆に“オーケーです”って言ってるのに、“もう1回歌わせて”と言われて、だいぶ恥ずかしい思いをしました。

ディレクターが全然信用されていないっていうね(笑)。それぞれ曲作りはどうやって進めていったのですか?

GOT'S

僕はドラムから作って、自分なりに構成を考えていって、分かんねぇなってところでTAKEに訊いて、切り貼りして整えてもらって、また付け足して…という進め方でしたね。

TAKE

GOT'Sは一番早かったし、一番良いかたちのデモでしたよ。

GOT'S

後ろに引っ張るとどんどんプレッシャーになるし、他の人が出したあとで作業をないがしろにされても困るから、早く出そう早く出そうと思って必死で作りました!(笑)

TAKE

IWAちゃんとKEIGOくんは鍵盤でメロディーを作って持ってきたけど、IWAちゃんのは聴き取れないから解析するところから始まったり(笑)。KEIGOくんは転調が2回もあるから、“転調はサビだけにしようか?”って返事したり。

KEIGO

“天才か!”ってメールが来たから、“すみません、先生!”って。あとは言われた通りに従いました(笑)。

TAKE

KOHSHIからはリズムに歌だけ乗っけたデモが来ました。

KOHSHI

サビだけ作って、“こんな感じで!”って(笑)。

人任せだなぁ(笑)。普段の自分が曲を作る時には出てこないアイデアもたくさんありました?

TAKE

そんなのばっかりでしたよ。自分じゃ絶対作らない曲ばかりだったんで、面白かったし新鮮でした。

アーティスト