【Hilcrhyme】『Zepp TOUR 2011 続-
朱ノ鷺-』2011年11月26日 at Zepp T
okyo

 映画のようなセットリストを組んだと豪語した通り、細部にまでこだわり抜かれた構成に時間が経つのも忘れ観入っていた。まず、すし詰め状態のフロアが大きく揺れた「トラヴェルマシン」。コール&レスポンスもばっちりで、一気に会場のテンションが上がる。そこへひとりの男性の人生に見立て、モノローグを挟みながら歌われた「BOYHOOD」「雨天」「もうバイバイ」。主人公の置かれる立場や、その時々に感じた気持ちが3曲を通してリアルに伝わってきた。「押韻見聞録」ではバンドメンバーを招き入れ、その場で生まれるグルーブを楽しみながらプレイ。TOCが今年一年を象徴する曲として切々と歌い上げる「no one」。改めて絆の大切さを思い知らされた一年であり、同曲の素直な思いに共鳴したオーディエンスが次々に人差し指を上げた。



セットリスト

  1. 朱ノ鷺
  2. トラヴェルマシン
  3. RIDERS HIGH
  4. BOYHOOD
  5. 雨天
  6. もうバイバイ
  7. 息吹
  8. 押韻見聞録
  9. 臆病な狼
  10. LAMP LIGHT
  11. Little Samba~情熱の金曜日~
  12. East Area
  13. No.109
  14. Moon Rise
  15. ♪メリーゴーラン♪
  16. 友よ
  17. ルーズリーフ
  18. no one
  19. 春夏秋冬
  20. リサイタル~ヒルクライム交響楽団 作品第1番変ヒ短調~
  21. パーソナルCOLOR
  22. 大丈夫
  23. マイクリスマスキャロル

Hilcrhyme

ヒルクライム:ラップユニットとして2006年に始動。09年7月15日にシングル「純也と真菜実」でメジャーデビュー。2ndシングル「春夏秋冬」が大ヒットし、日本レコード大賞、有線大賞など各新人賞を受賞。ヒップホップというフォーマットがありながらも、その枠に収まらない音楽性で幅広い支持を集めてきた。また、叩き上げのスキルあるステージングにより動員を増やし続け、14年には初の武道館公演を完売。「大丈夫」「ルーズリーフ」「涙の種、幸せの花」「事実愛 feat. 仲宗根泉 (HY)」などヒットを飛ばし続け、24年7月15日にメジャーデビュー15周年を迎える。ライミングやストーリーテリングなど、ラッパーとしての豊かな表現力をベースに、ラップというヴォーカル形式だからこそ可能な表現を追求。ラップならではの語感の心地良さをポップミュージックのコンテクストの中で巧みに生かす手腕がHilcrhymeの真骨頂である。耳馴染みのいいメロディーと聴き取りやすい歌詞の中に高度な仕掛けを巧みに忍ばせながら、多くの人が共感できるメッセージを等身大の言葉で聴かせる。その音楽性は、2018年にラッパーのTOCのソロプロジェクトとなってからも、決して変わることなく人々を魅了している。

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