【吉井和哉】『YOSHII BUDOKAN 2010
』2010年12月28日 at 日本武道館

撮影:有賀幹夫/取材:ジャガー

特に新譜の発表がなかった、2010年。若干の寂しさを感じつつ、でも『YOSHII BUDOKAN』でなら新曲が聴けるかもしれないと期待を抱いていたのは筆者だけではないはず。昔から歌い馴染みの曲を聴きたい気持ちもあるのだが、“今、彼は何を歌うのだろう?”と、単純に好奇心をそそられてしまうのだ。
 “今年の汚れは今年のうちに”。一年を締め括り、新年を清々しい気持ちで迎えるべく行なわれる本公演では、お決まりになってきたこのセリフ。真っ赤なロングコートと黒のサングラスという出立ちで颯爽と登場すると、1曲目から「アシッドウーマン」という新曲を投下! これには否が上にも、2011年に控えるアルバムに期待も高まるというもの。筆者の観る限り、吉井和哉は自分の中でいろいろなことが上手く循環しているような、すごく穏やかな面持ちでライヴをしていたように感じた。それは昨年の『YOSHII BUDOKAN』で宣言した“魂に伝わる曲、俺にしかできない曲”を体現できている証拠ではないだろうか。
 また、2年連続でのThe Beatlesのカバーは、『ジョン・レノン スーパー・ライヴ』でもオリジナル日本詞を付けて歌った「Across The Universe」。アーティストへの敬意を払った彼の愛が詰まった言葉の数々に鳥肌が立つ。さらにもう1曲、新曲「オジギソウ」がプレイされたのだが、こちらも魂を揺さぶる逸品で世界観に浸れるものであった。
 自身の口からも“アルバムに期待してほしい”と添え、「LOVE & PEACE」へ。準備期間を経て、2011年はシングルとアルバムのリリース、さらに約40本のツアーを回ったりと活発的な新年になりそうだ。



セットリスト

  1. アシッドウーマン
  2. PHOENIX
  3. WEEKENDER
  4. ヘヴンリー
  5. ウォーキングマン
  6. 人それぞれのマイウェイ
  7. BLOWN UP CHILDREN
  8. 20 GO
  9. Do The Flipping
  10. リバティーン
  11. Across The Universe
  12. Four Seasons
  13. オジギソウ
  14. TALI
  15. BELIEVE
  16. ノーパン
  17. ビルマニア
  18. シルクスカーフに帽子のマダム
  19. アバンギャルドで行こうよ
  20. FINAL COUNTDOWN
  21. LOVE & PEACE

吉井和哉

ヨシイカズヤ:88年にTHE YELLOW MONKEYを結成し、92年にメジャーデビュー。01年にバンドが活動休止した後、03年にYOSHII LOVINSONとしてソロデビュー。04年にTHE YELLOW MONKEYが解散。05年6月より初のソロツアー『AT the WHITE ROOM』を実施。06年1月、吉井和哉に名義を変更し、シングル「BEAUTIFUL」で活動を再スタート。14年11月、自身のルーツ・ミュージックをカバーした、初のカバーアルバム『ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~』を発表。15年3月、4年振りとなる7thアルバム『STARLIGHT』を発表した。

アーティスト