【the loud function】下北沢ReG201
1年8月7日 at “world of monochoro
me.”release tour final

撮影:涼/取材:ジャガー

ぱっと見の印象からは想像も付かない、荒々しいパフォーマンスで観客を大いに沸かす、ライヴに定評のあるバンド、the loud function。そんな彼らの軌跡を凝縮する作品であり、また今後の新たな一歩を予見させたのが1stフルアルバム『world of monochorome.』である。本作を携えてのツアーもついに最終日ということで、バンド結成9年目にして初のワンマンライヴを行なった。しかも、1時間超えのライヴ自体が初めてということで並々ならぬ意気込みが彼らの表情からは滲み出ていた。エッジの効いたリズム隊、歪んだギター、雄々しいヴォーカルで構成される1曲目の「SAFARI」。どんな暗闇の中にいようと輝きを放つほどのエネルギーに満ちた同曲に感化され、会場が波打った。と言っても、序盤戦は実にクールで内に秘める熱を感じていたのだが、中盤へ差し掛かるとリズム隊が重低音で土台をしっかりと固め、その上でギターが変幻自在に唸りを上げ、メッセージ性の強い、突き刺すナンバーから、音を楽しみリズムに体を委ねる踊れるナンバーへと変貌していく。それまで雄々しく叫んでいたヴォーカルも曲の雰囲気によって、より激しく噛み付いてみたり、逆にソフトになって深い情で包み込むような歌声を響かせ、アルバムの世界観を広げていった。MCでは、“不器用なところは変わらない”とバンドについても言及。言葉数は少ないものの、言葉にならない思いを一音一音に注ぎ、熱のこもったプレイでオーディエンスに伝えていたのではないだろうか。来年でちょうど結成10年目。すでに何やら企んでいるとのことで、今後の彼らにも注目していきたい。

the loud function

ザ・ラウドファンクション:2002年、大阪で結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、09年6月に現メンバーで活動開始。胸が張り裂けんばかりの泣きのメロディーを叫ぶヴォーカルを軸に、ガレージ、パンク、ポストハードコアを基調とした攻撃的かつ叙情性のある楽曲は、聴き手を選ばないポップさも兼ね備えている。

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