【ゆず】『YUZU ARENA TOUR 2014 新
世界』2014年9月24日 at 横浜アリー

撮影:SENHA&Co./取材:田山雄士

 ロック、エレクトロ、EDMなど多彩な音楽性でネオフォークを表現したアルバム『新世界』。ライヴでは難しさもあるかと危惧していたが、祭囃子イントロで火柱が立ち、お面を被った踊り子が陽気に舞い、ポップなムービーが彩る冒頭の「ユートピア」で、彼らはド派手な演出以上の存在感で、その中心にいた。新しい曲は新しい耳触りで楽しめて、バンド形態でもゆずらしさがある。生で聴くとそれがよく分かるし、ふたりの基本スタイルはやはり歌とアコギだ。落ち着いた照明の下、弦のみで魅せる「よろこびのうた」から室内楽的な「ひだまり」への流れは北川悠仁と岩沢厚治の豊かなハーモニー、ギターの音色がじっくりと味わえた。また、アリーナ設置のステージで弾き語りも披露。「栄光の架橋」での、ゆずっこの大合唱には“ゆずのファンってさ、歌上手くない?”と北川が笑う。

 北見川潤子とムーチョ小岩沢(真っ赤なドレスに緑スーツ)による爆笑昭和歌謡寸劇を挟み、ライヴは後半へ。レーザーや映像をフル稼働した迫力満点の「レトロフューチャー」「表裏一体」、北川が声を張り上げながら和太鼓演奏に桃尻ダンスとハッスルしたメドレーで熱狂を呼ぶと、アンコールでは“もう秋だけど、いいんじゃないかなぁ?”という焦らしから岩沢のギターが滑り込む「夏色」も炸裂! そして、「雨のち晴レルヤ」でドヴォルザーク「新世界より」のメロディーが会場を躍動する瞬間こそ、ツアーの大成功を象徴していたと思う。その最終日に3時間のパフォーマンスを見せたふたりは、名残惜しそうにしばらくの間ステージを去ろうとしなかった。



セットリスト

  1. ユートピア
  2. アゲイン2
  3. センチメンタル
  4. よろこびのうた
  5. ひだまり
  6. 四時五分
  7. 栄光の架橋
  8. 陽はまた昇る
  9. Ultra Lover Soul
  10. 夜霧の伊勢佐木町
  11. 恋の歌謡日
  12. レトロフューチャー
  13. 表裏一体
  14. 友~旅立ちの時~
  15. ええじゃないかメドレー
  16. T.W.L
  17. ~イロトリドリ
  18. ~シシカバブー
  19. ~超特急
  20. ~少年
  21. ~LOVE & PEACH
  22. ~いちご
  23. ~LOVE & PEACH
  24. ~T.W.L
  25. ヒカレ
  26. <ENCORE>
  27. 守ってあげたい
  28. 夏色
  29. 雨のち晴レルヤ

ゆず

ゆず:1996年3月に結成。横浜、伊勢佐木町を中心に路上ライヴを行なう中、98年6月にリリースした1stシングル「夏色」で脚光を浴び、その後も「栄光の架橋」「虹」とヒット曲を世に送り出す。等身大の視点から投げ掛けられるリアルな歌詞、センチメンタルで清涼感のあるメロディー、それらを包み込む素朴で温もりを帯びた音色で多くのファンを魅了し続けている。

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