【夜の本気ダンス】『夜の本気ダンス
By Your Side~ダンスは済んだ?ツ
アー“O-BAN-DOSS -東の都編-”』20
15年11月1日 at 代官山UNIT
対バンは、同じく各地イベントに引っぱりだこの忘れらんねえよ。TRFの「survival dAnce~no no cry more~」での登場、柴田隆浩(Vo&Gu)が週刊誌を手にしての“おのののか!”→“別れろ!!”コールの強要と、シュールで予測不能なネタはこれまでにも炸裂させてきた彼らだが、それを有効なバネにして「この街には君がいない」へ颯爽と滑り込み、狙い撃つように熱狂をもたらす流れが新しかった。サポートドラマーを務めるマシータ(ex.BEAT CRUSADERS、ex.NATSUMEN)のビートもフロントの柴田と梅津拓也(Ba)を、会場のムードをしっかりと盛り立てる。
右足を骨折していた梅津がこの日スタンディングでのプレイに復帰したことを受けてか、BPM増し増しの「CからはじまるABC」や「ばかばっか」などでぶっ放すアッパーな選曲。しかしながら、難度の高い「寝てらんねえよ」のAメロを“キュウソネコカミ!”と吠えつつ切れ味鋭く聴かせるあたり、やはり勢いだけではなく、次への手応えを掴んでいるパフォーマンスに見えた。
“夜ダンの存在は前から知っててさ。すげぇ奴らで、SZK(鈴鹿)っていうMCモンスターがいるとかね(笑)。この間の『RUSH BALL』で初めてがっつり観たんだけど、ヤバイね! ライヴもいいし、曲もめっちゃ良くてさ! こういうカッコ良いバンドとちゃんと関係性がある感じで2マンをやらせてもらえて本当に嬉しいし、光栄です”と柴田が語った他、「北極星」のラスサビ前では、照明を落として“狂った本気ダンス”を煽ってみせたりも。そして、ワンマンみたいな合唱が響いた締めの「忘れらんねえよ」。そんな愛のあるステージに、主役の夜ダンは大いに刺激されたに違いない。
夜ダンの4人もスタートから飛ばしまくる。“踊れる準備はできてますか?”という米田貴紀(Vo&Gu)の常套句とともに放たれた「WHERE?」で、フロアーはすぐさま過熱! さらに「Show down」へと続き、持ち前のシャープでソリッドなバンドサウンドが弾丸ライナーのごとく駆け抜けていく。「You gotta move」では、マイケル(Ba)と鈴鹿秋斗(Dr)のリズム隊を中心にブリティッシュ感あふれるノリを繰り出し、観客の本気をグイグイとそそり立てた。
“僕たちね、代官山はオシャレな街やから、スターバックスが10メートル置きにあるって聞いてきたんですけども。未だに1個も探し出せず、終いにはドトールに行きましたよ。この寒い中、アイスココアで済ますというね!(怒)”と息巻く鈴鹿に、“それはお前のチョイスミスや”と米田がボソッとツッコむMCも楽しく、シャイながらも場を盛り上げようとするメンバーの姿勢は、曲中でのコール&レスポンスを含め、随所で伝わってきた。
もちろん、最新シングルのナンバーも全て披露。特にタイトル曲「By My Side」の凄まじい爆発力は、本ツアーの全公演ソールドアウトを物語っていたと言える。軽やかなガレージロック「Too young」、甘酸っぱいポップチューン「You & I」と、性急さ以外のチャームポイントを発揮した中盤。“オシャレに踊りましょう”と始まった「Gavlillo」はファンキーなアンサンブルにシフトし、米田と町田建人(Gu)によるツインギターの絡みをはじめ、多面的に聴かせてくれる。いつの間にやらギターを下ろしてエキセントリックなダンスをキメる米田も、“(満員のオーディエンスを見て)愛を感じます、すごく”と何の気なしにこぼすほどゴキゲンだ。
クライマックスには「fuckin' so tired」「戦争」をたたみかけ、“fxxk”や“kill”というワードが熱くカジュアルに飛び交う圧巻の光景を巻き起こした夜ダン。アンコールで翌日がバースデーの鈴鹿をサプライズ祝福して和んだ後も、痛快な「B!tch」をブチかまし、ダメ押しの「Fun Fun Fun」でUNITをさらなる興奮の渦に包んだ! ツアーは11月28日(土)の大阪・梅田AKASOまで続く。
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