【vague】


取材:土内 昇

今のvagueが表現できている

まずは結成のいきさつからうかがいたいのですが。

shie

高校生の時に文化祭のステージで歌ったことがきっかけで、私は音楽を始めようと思ったんですけど、その時に一緒に音楽をやってもらえる方を探してて、いろいろお会いした人の中のひとりがYuくんだったんですよ。デモの楽曲を聴かせてもらった時、純粋に“あっ、この曲を歌ってみたい”と思ったんです。“この曲は私が歌えば良くなる!”ぐらいに(笑)。

Yu

僕も女の子ヴォーカルと一緒にやりたいと思ってて、shieは何人かと会った中のひとりだったんです。歌を聴いた時に、まだ荒削りだったけど、すごく好きな声だったんですよ。

資料に“7年間で2000回以上のストリートライヴを行なう”とありますが、ストリートに活動の場を求めたのですか?

shie

2003年ぐらいからストリ?トを始めて…ライヴハウスでも歌ってたんですけど、ライヴハウスだと聴いてくれる人の数が限られているので、“だったら、不特定多数の人に聴いてもらえるストリ?トライヴをやってみよう!”って。最初は怖かったというか、不安だったんですけど、いざ歌い始めたらたくさんの人が立ち止まって聴いてくださって、やさしい言葉もかけてくださったりして、“こういう出会いもあるんだ”と思って、ストリートはずっとやっていこうと思ったんですよね。実は、昨日もやってきたんですけど(笑)。

Yu

自分たちの原点みたいな場所ですからね。

shie

行き詰まった時とか、辛くなった時にストリートに戻ると、ファンの人たちのキラキラとした笑顔が見れるので、自分たちの音楽っていうものを振り返れますからね。

そして、インディーズで2枚のシングルと3枚のアルバムを発表し、今回の作品でメジャーデビューされたわけですが、シングルでもフルアルバムでもなく、ミニアルバムなんですよね。

shie

「Search for the Answer」がきっかけでメジャーデビューすることになったのですが、インディーズでやってきた曲たちも入れてこそ“vague”なんじゃないかなと思ってミニアルバムにしました。だから、リアレンジしてブラッシュアップされた昔の曲と新たに書き下ろした曲が入っているので、今のvagueがすごく表現できているんじゃないかと思ってます。

曲を聴いていて思ったのですが、歌詞に出てくる主人公はみんな内気というか、キャラが重なっているなって。それだけ自分を出しているということなのかなと。

shie

そうですね。自分たちが常日頃思っていることや、心の奥底にあるものを出していますね。普段から明るい人でも、心の奥底には悩みがあったり、考えていることはあると思うんですよ。それが人間だと思うんで。だから、この作品を聴いて“あぁ、あるよな”って思ってもらえればうれしいですね。

ちなみに、曲を作る時にこだわっていることは?

Yu

自分が納得できるというか、自分が好きなもの…自分で聴いて“カッコ良いな”とか“これ、いいな”と思えるかどうかですね。もちろん、歌を中心に置いて、その歌をどれだけ引き立たせるかは考えてますけど。

では最後に、メジャーの世界でやってみたいことは?

Yu

ひと言で言うなら“いろいろやってみたい”ですね。

shie

うん。あと、多くの人に自分たちの楽曲を聴いてもらいたいという気持ちが強いので、より多くの人にこの作品を聴いてもらって、vagueのことを好きになってもらえればうれしいですね。それが私たちにとっての勇気にもなっていくし。

vague

ヴェイグ:2002年、固定観念にとらわれない音楽を目指して結成。さまざまな愛の形をテーマに、小さな幸せや心の奥に潜む弱さをそっと応援する、切なさ共感ユニット。

アーティスト