【HOME MADE 家族】感情と情熱と原点
回帰が詰まった待望の新作
L→R KURO(MC)、U-ICHI(DJ)、MICRO(MC)
昨年は自ら主宰するフェス『家族Fes. 2010』を大成功させ、新たな挑戦を続けるHOME MADE 家族がミニアルバム『seven emotions』を完成させた。自分たちの感情をストレートに反映した楽曲が並ぶ新作について話を訊いていこう。
取材:土屋恵介
新作『seven emotions』は、前向きな思いや人とのつながりを描いた楽曲が多い作品ですね。
MICRO
2010年は初めてアメリカでライヴをやったり、自分たちでフェスを主催したりと、いろんなことがあった年だったんです。例えば、『家族Fes. 2010』は大雨の中、最後までお客さんが残ってくれて、体は冷えても心は温かい空間っていうすごい経験をさせてもらえて。そうしたことからあふれ出した感情、エモーションを楽曲にしていったんです。どれも思い出のあるシーンだったり、この人に届けたいってものがある曲ばかりですね。
KURO
そうした去年の経験から自分たちは人によって生かされてるし、支えられてるって、すごくシンプルなことに改めて気付かされたんです。それが曲に反映されましたね。感情の詰まった7曲、それが今年の僕らのテーマ“情熱”につながったんです。
歌詞もすごくシンプルだし、歌やラップ、サウンド面でも、気持ちの揺れが表れてるなと感じました。
MICRO
感情を大事にしたかったので、上手く歌うとか技術的な歌詞よりも、心底感じてることを歌おうと意識しましたね。言葉も今までとは違う感じになったかなって。
U-ICHI
音の面でも感情が伝わるように、パッと聴いて面白そう楽しそうってものよりも、やわらかさだったり聴き入ってほしいなって方向性で作りました。あと、ミニアルバムってことでカラーを揃えることを意識しましたね。
では、楽曲に触れつつ話を進めましょう。「もっと君を...」は愛情や深い思いが伝わるラブソングですね。
MICRO
僕らにはストレートなラブソングがなくて、いつかやりたかったんです。どんなに長く付き添っても人にはいつか必ず別れが来る。その時に後悔しないように、精いっぱい愛していきたいってテーマが先にあったんです。若い子たちが彼氏彼女を想像してもらうのもいいし、結婚して倦怠期を迎えてるような夫婦が聴いても、相手を大事にしなきゃなって思ってもらえるような曲になったかなって。
KURO
もっと愛せばよかったと後悔しないように、今を大切にしようというのが一番言いたかったことなんです。人ってお互い未完成だから、未完成を笑い合える生き方をしたいなと思うんです。それは男同士でもそう。長く一緒にいても、分からないことの方が多いじゃないですか。だからこそもっと話をして、今という貴重な時間を過ごした方がいい。それに気付いてほしい。
U-ICHI
ほんと聴き入っちゃう曲になったと思います。やさしいテイストのアレンジも僕らに合っていいんじゃないかと思うし、すごくいいかたちにできたと思いますね。
あと「Good Byeと同じくらい Thank You」は、別れと感謝の気持ちと前に進む力強さが入った曲ですね。
MICRO
これは2010年に起きた一番寂しいことを曲にしたんです。ずっとお世話になってた人と離れて仕事をしなければならなくなってしまって。誰も望んでないのに、そうせざるを得ないことってあるんだなって。そういう経験は初めてだったんです。でも、進むためには別れないといけないって思いがあったので、次に進む一歩、踏み出す勇気を歌った決意表明的な曲になりましたね。
KURO
このミニアルバムは気持ちを素直に出してる分、ふたつの矛盾してる感情が出た曲が多いんですよ。あと、曲同士に密やかなスパイスを入れていて、リンクしてるんです。「Good Byeと同じくらい Thank You」と「BIG CITY」のリリックってすごく似てるんです。なんでかと言うと、対になった矛盾した気持ちを違う色の曲で伝えることができたらいいなって思いがあったから。「Good Byeと同じくらい Thank You」で別れて前に進んで、「BIG CITY」で自分らの力で未来へ向かうってことになってるんです。こういうのってやったことなかったので、気付く人がいたらいいなって。
U-ICHI
この曲の雰囲気って、僕らがインディーズ時代にやってたようなことなんですよね。人間味の出た、ちょっと泥臭さが出た曲だなと思いますね。
まさに『seven emotions』は自分たちを見つめつつ、前に進もうという思いの詰まった一枚なんですね。そんな新作が出来上がって、今どんな思いがありますか?
KURO
今の自分たちが言いたいことをちゃんと言えたアルバムだなって思いますね。よく原点回帰っていうけど、これからもその繰り返しだと思うんです。この作品が作れて、さらに言いたいことが増えたし、早くライヴで歌いたいですね。すごくいいアルバムだと思います。
U-ICHI
すごく分かりやすい一枚になったと思います。フルアルバムだと、アゲるところやしっとり聴かせるところの流れを作るけど、ここまで明確な色が出せたのは初じゃないかなって思いますね。
MICRO
さらに新しく踏み出すために、自分たちに必要な一枚が作れたと思ってるんです。なので、愛着がありますね。でも、泥臭さや自分をさらけ出すっていうのは、もともとやってたこと。それが長く活動していくうちに、いつの間にか決まり事ができてしまってた。でも、違うんですよ。暑苦しいと思われてもいいじゃんって、気持ちをリセットできる作品ができたのがうれしく思います。このいい波に乗って、2011年を頑張っていきたいですね。
アーティスト
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