【CLIFF EDGE】遠い人への愛を語る前
に、まずは近い人
L→R JUN(MC)、DJ GEORGIA(DJ)、SHIN(MC)
ニューアルバム『Best of LOVE』は“LOVE”をテーマに自身の楽曲を集め、さらに新曲も収録したラブソング集。そんなコンセプチュアルな作品について触れつつ、CLIFF EDGEにとってラブソングとはどういうものかを探ってみた。
取材:石田博嗣
前作『Re:BIRTH』はCLIFF EDGEらしい男っぽくて力強いアルバムで、本作は“LOVE”をテーマにしたラブソング集。なぜ、このタイミングでこういう作品を出そうと?
JUN
CLIFF EDGEの原点って“夢に向かって頑張ろうぜ!”って力強く背中を押すタイプの曲と愛を歌ったものの二本柱なのかなと思っているんですね。で、この歳になると友達が結婚するとか、子供が生まれたっていう話を耳にするようになるし、そうかと思えばテレビをつけると悲しいニュースを耳にしたりして…なので、今までの楽曲も含めて、愛を贈るような曲をパッケージにしたいと思ったんです。遠い人への愛を語る前に、まずは近い人。恋人、家族、仲間といった人たちに愛がちゃんと届けられているのかっていう疑問符を提示したいってことで、こういうラブソング集を作ってみようと。前作の「NO LIMIT ~勇気をキミに~」で背中を押す曲の意味ではちゃんと吐き出せているから、今回こういう経緯になったのかなって思いますね。
新曲が3曲収録されているのですが、それは今回のコンセプトに合わせて作ったのですか?
JUN
そうですね。デモはたくさんあったので、その中から“これ、いいね”っていうもの…「Endless Tears feat. 中村舞子」と「10年先も、100年先も…」がそうですね。もう1曲あったんですけど、よくよく考えてみるとライヴもCLIFF EDGEには大切なものだから、ライヴでアガるもので、それでいて“LOVE”ということで作ったのが「LOVE LOVE FEVER」ですね。
「Endless Tears feat. 中村舞子」ですが、なぜ中村舞子さんをフィーチャーしようと?
JUN
中村舞子ちゃんとのコラボは第三弾になるんですけど、これまでの2曲がわりとスローなバラードだったんですね。僕は舞子ちゃんの声が大好きで…もうファンなんですよ(笑)。だから、舞子ちゃんが歌う疾走感のある切ないラブソングを聴きたいっていう気持ちがずっとあったんで、“じゃあ、今回お願いしよう”って。
「LOVE LOVE FEVER」はホーンも入ったアッパーチューンなのですが、こういうテイストの曲はCLIFF EDGEでは珍しいのでは?
DJ GEORGIA
5年ぐらい前に流行ったレゲトンというリズムを使っているんですけど、当時は“それはレゲエの人たちの主流だ”と思っていたんですね。でも、最近のクラブでかかっているレゲトンっぽい曲というのは、DJたちがレゲトンだと思ってかけていないんですよ。アガるためのリズムという感覚だから、それだったら使ってみてもいいかなって。
では、「10年先も、100年先も…」は?
JUN
CLIFF EDGEって“好き”っていう気持ちを赤裸々に綴った曲が意外になかったから、そういう曲を書きたいと思って出来上がった曲ですね。命は永遠じゃないっていうか、何事においても永遠ってあり得ないわけだがら、今を大切にしようよっていう。近くにいる人をもっと大切にしようっていう投げ掛けを恋愛ソングのストーリーに置き換えて書いたんで、歌詞上は恋人に“愛しているよ”って言ってるだけなんですけど、僕ら的には大きな意味での“LOVE”を込めてます。
本作はインディーズ時代の曲も収録するベスト盤的な要素もあるので、自分たちを見つめ直すこともできました?
JUN
それはありますね。「離さないで」なんて6年ぐらい前に作った曲だから、トラック作りの部分で成長を感じたり、逆にその頃だからこそのアイデアで途中に語りが入っていたりするし。「男女のすれ違ひ (2010)」にしても原曲を作ったのは10年前なんで、“よくこんな歌詞を書くな”って善くも悪くも思ったりして新鮮でしたね。
SHIN
俺もJUNと一緒で“よくここでこんな表現できるな”って思う部分もあれば、逆に今では浮かばなくなった言葉もあったりして、すごくいい勉強になりましたね。マイクの使い方や発声方法とかもかなり変わっているんで、捨てちゃいけない部分もあれば、“ここはもっと勉強した方がいいよ、昔のSHIN”ってところもある(笑)。だから、この次ですよね。また成長できる気がしてます。なくしていたものを今のスキルでやると絶対にカッコ良くなると思うんで、今後が楽しみです。
本作はラブソング集なわけですが、CLIFF EDGEにとってラブソングはどういうものなのでしょうか?
JUN
僕らは音楽の力を使って愛や希望を伝えていく…口では言えないことでも、不思議と音楽だと言えちゃったりするから、ラブソングというのはCLIFF EDGEのど真ん中にあるものだと思いますね。
SHIN
“この人を喜ばせたい”と思ったり、逆に傷付いたりするのは愛があるからだと思うんですね。だから、全ての行動の原点は“愛”だなって思うんですよ。このアルバムを通して聴くと、“俺もいろんなことをしてきたな”って…日記じゃないけど、傷付いたり、喜ばせたり、愛したりしてきた中で、いろいろ学んできたし、曲を聴くと“あっ、あの頃を思い出すな”ってなる。それはリスナーもそうだと思うんで、“あの頃はあの男と付き合ってたな”って(笑)。だから、ひとつの生き物みたいな感じですよね。
DJ GEORGIA
俺はアフロジャックとかディプロとか世界を風靡していたダンスミュージックが好きで、そういうものを発信したいと思っているんだけど、一番好きなものはラブソングなんですよ。恋愛で悩んでいる時に力をもらったりしたし、“同じ気持ちの人がいるんだ”って思って気持ちが安らいだし、教科書やお手本みたいなものだった。そうやって自分が感じていたように、みんなにも感じてもらえるとうれしいですね。
ラブソングを作る際に、どんなことを意識していますか?
JUN
大多数に向けて歌うんじゃなくて…誰にでも当てはまる言葉を探せば探すほど抽象的になってしまうから、たったひとりのために書くってことが多いですね。
本作を出すことで、そんなCLIFF EDGEが作るラブソングというものが提示できますね。
JUN
そうですね。CLIFF EDGEを知らない人でもすごく聴きやすいものになっていると思うし。「NO LIMIT ~勇気をキミに~」的な柱がありつつも、ラブソングってど真ん中にあるものなので、CLIFF EDGEってこういう人たちなんだと分かってもらえるんじゃないかなって思いますね。
SHIN
ライヴで歌っている曲が結構入っているので、最近ライヴに来てくれるようになった人は、このアルバムを買えばだいたい覚えられるんじゃないかな。
JUN
営業しますね~(笑)。
SHIN
まずはこのアルバムを手に取っていただければ…ってね(笑)。
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