【井手綾香】心に種をまいて、
いつか大きな花を咲かせよう

現役高校生シンガーソングライターとして活動してきた井手綾香が卒業第一弾シングルを発表。2曲のCMソングに、日テレ『PON!』のジングル曲という3曲を収録した充実作だ。
取材:舟見佳子

まず表題曲の「ヒカリ」についてですが。

この曲はパンテーンのCMソングで、そのために歌詞も書き下ろしていった感じですね。シャンプーのCMなので、女性をテーマにして書こうかなと思って。私は、女性のことを“花”だと思っていて…いろんな花があると思うんですけど、お花屋さんに咲いてるような店先を彩る色鮮やかな花もあれば、雑草の中に紛れてる花もあるわけじゃないですか。でも、それぞれにそれぞれの美しさがある。女性もきっとそういう存在じゃないかなと思ってるんです。で、自分も自分の心に花の種をまいて、毎日ちょっとずつ水やりをして、いろいろ失敗したり…花だって雨に打たれたり、雑草に紛れてたら踏まれたりとか、いろいろあるかもしれない。でも、そういうのを乗り越えて、雨だって栄養になって、いつか大きい花を咲かせる。そういう曲が書けたらなぁと思って書いた曲ですね。

歌詞の中の《ヒカリの種》っていう部分が印象的でした。“ヒカリ”がカタカナなのも興味深いです。

カタカナだともっと広い意味に取れるような気がして。太陽とかの光だけではなく、希望の光だったり、いろんな人の優しさの心の光だったり。そんなイメージもあって。

「風をつかまえて」は代々木ゼミナールのCM曲ですね。

“受験に行く前にiPodとかで聴きたいと思える音楽を!”っていうお話もうかがったので、自分が高校受験した時の気持ちを思い出したり…あと、身近に大学受験のためにすごく頑張ってる友達がいたので、周りの友達のことを想いながら書きました。今まで自分が一生懸命勉強してきたこと、積み重ねてきたことを信じて、その気持をぶつけてってほしいっていうような思いを込めて書きましたね。みんな結構迷いとかもあると思うんですよ。いっぱい勉強してきたけど、勉強しなかったところが出たらどうしようとか、時間が足りなかったらどうしようとか。後ろ向きになってしまう自分がどこかにいるはずなんですけど、でももう後戻りはできないから、今まで頑張ってきたことを信じて、挑んでいこう!っていう思いを込めました。

一方、「Voice」はとってもハッピーな曲ですね。

“歌は楽しい”っていう思いをぶつけようと思ってこの曲を書きました。こういう曲ができたら、きっとライヴで歌う時もお客さんが一緒に“ヘイ!”とか“ラララ”とか、参加してくれる部分がいっぱいあるんじゃないかなと思って、そういう期待を胸に歌いました(笑)

誰しも日々いろんなことがありますからね。いろいろな気持ちが入った人間味あるシングルになりましたね(笑)。

そうですね。実際に自分が今しか体験できないことばかり曲になってるというか、生活しながら生まれてきた曲というか。CM曲というお話しをいただいた曲でもありますが、どれもちょうどその時に自分が悩んでいたことや体験してきたことをそのまま生かせる曲だったかなぁと。結果、自分の思いがしっかりと入った曲ばかりになったので良かったなと思います。

今回のシングル、3曲とも前向きな気持ちになれる、力をもらえる曲ばかりだと思います。

3~4月って…自分もそうですけど、高校を卒業したり、社会人になったり、学年が上がったりとか、いろんなものが変わる時期ですよね。そういう時って結構いろいろな力が必要だったり、不安があったりすると思うんですよ。そういう時期を後押しできるような、応援できるようなものができたなと思ってます。

井手綾香

イデアヤカ:宮崎県出身の20歳。アメリカ人の母と日本人の父を持ち、4歳からピアノを始める。2011年3月にメジャーデビューし、翌年4月に発表した1stアルバム『atelier』がロングセールスを記録中。13年7月には両A面シングル「235/消えてなくなれ、夕暮れ」を発売した。

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