【モルグモルマルモ】ふざけているよ
うで、
やっぱりふざけていたり、
実はちょっぴり真面目

L→R 藤谷祐太(Vo&Gu)、サトタツ(Gu&Cho)、深田和良(Dr&Cho)


取材:土内 昇

プロフィールにある“ホイチョイチョイ”というのは、どういう意味なのでしょうか?

藤谷

自分ではJ-POPだと思ってやっているんですけど、どうやらそうでもないようで。かと言って、“ロック”じゃないし、“パンク”でもなくて、どのジャンルを名乗ってもおちょくっているような感じになってしまうなぁと気付いたんです。

深田

まぁ、おちょくってるよな?

藤谷

おちょくってないよ。

深田

いや、おちょくってるやろ!

藤谷

おちょくってないってば!

深田

やんのかコラ!

藤谷

表出ろ!

深田

上等じゃ!

(30秒後)

藤谷

すみません。おちょくってます(泣)。

深田

せやろ? 分かったらええねん。ふざけているようで、やっぱりふざけていたり、実はちょっぴり真面目やったりするねんな?

藤谷

いや、それは…そうです(脅え)。

屈折したポップ感が癖になるのですが、モルグモルマルモが目指す音楽というのは?

藤谷

グッとくる人にはグッとくるけど、さっぱり分からん!みたいな人もいるような音楽をのらりくらりとやりたいです。本当は全ての人にグッとくるものが作れたらいいんですけど。でも、そんな器じゃないので。

深田

逃げてるやんけ!

藤谷

じゃあ、僕が“愛してるよ~。好きだよ~。一生一緒にいてくれや~”とか歌って、成り立つと思う?

深田

…俺が悪かった。

藤谷

ね? 器じゃないんですよ。

歌詞はピュアな感情や儚い想いが綴られているのですが、それをかなり独創的な世界で表現されているという。歌詞を書く時に、意識していることは?

藤谷

ピュアな感情はなるべくオブラートに包んでいるつもりですが、バレてしまいましたか。僕は身の丈に合ったことしか歌えないなぁと思っています。普段からカッコ良い生活をしていればいいんですけど、そうではないので、カッコ良いことを歌ったら途端に胡散臭くなってしまうんです。もう、ハードディスクに入っている僕がひとりで録音してボツにした曲とか、残念ですよ。

深田

いきなり君に“世界は~”とか言われても困るしなぁ(元気!)。

藤谷

よし、じゃあ、“世界は云々”って歌う曲を作るわ。たぶんハードディスクという名の永久凍土に埋まったまま、26世紀ぐらいに未来人に見つけられて“サッブー!”って言われると思うけど。

深田

だーっはっはっは!(元気!)

前作『モルグモルマルモ』から1年振りのアルバム『おなかのなかみ』を発表されましたが、どんなアルバムにしたいという構想を持って、制作に臨まれたのでしょうか?

藤谷

とにかく曲がたくさんあったので、とりあえず東京にライヴに行くたびにレコーディングをして、“毎回レコ発にしよう!”みたいなことになって、少しずつ録り始めたので、最初は特に構想とかはなかったです。それから全国流通音源をリリースすることが決まって、それでも構想は特になかったんですけど、エンジニアのSIMPOスタジオの小泉大輔さん(ママスタジヲ)がプロデュース的なことをしてくださって、それでなんとかなりましたね。

深田

まぁ、初めて藤谷と小泉さんが一緒に飲みに行った時、藤谷はくだを巻いて小泉さんに絡んでて、帰りの電車で小泉さんに“アイツ、面倒臭いな!”って言われてましたけどね。

藤谷

そりゃ、面倒臭い奴ですよ! 曲聴けば分かるでしょ。

深田

納得!(元気!)

『おなかのなかみ』はどんな作品が作れた手応えがありますか?

藤谷

最高の作品ができたと思っています。僕の曲も、バンドのアレンジも、小泉さんの録音とプロデュース的な仕事も。次が大変だな、こりゃ、と思ってます。もっと良いものを作らないといけないので。

深田

あ~、せやわ(切実に)

モルグモルマルモをどんなバンドにしたいと思っていますか?

藤谷

究極のホイチョイチョイバンドにしたいです。期待には応えない、みたいな。

深田

それあかんやん!

藤谷;いや、期待されているところとは別のところでとんでもない成果を出したいんですよ。

深田

ひねくれ者か! 期待してくれてるんやから、そこでも成果出してくれよ!

藤谷

はぁ、まぁ、じゃあ、たまにはそういう期待にも応えるようにします。狙ってできるかわからないですけど。

深田

煮え切らへんねん! ちょ、表出ろや!

藤谷

望むところじゃ!

(5秒後)

藤谷

すみません。みなさまの期待に応えられるようにがんばります(涙)。

深田

わかればええねん!(不敵な笑みを浮かべながら)

(その時、深夜2時の窓の外に眩い光が差し込んだ…)

続く…(嘘)

モルグモルマルモ

モルグモルマルモ:ポップ? ロック? ニューウェイブ? プログレ?…どれでもいいけど、どれも違う。ひと言で表すと、“ホイチョイチョイ”! ふざけているようで、実は案外どうにもならない“もののあはれ”を歌っていたり…というような意味を持つ“ホイチョイチョイ”。京都のみならず、全国区で注目を集めるバンドだ。

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