【Lil'B】心の底から泣ける極上の失
恋ソングス

AILAが卒業し、MIEのソロプロジェクトとなったLil'B。新しい出発として選んだテーマはなんと“失恋”。全曲にあふれる切なさと強さを味わってほしい。
取材:吉田可奈

2011年にAILAさんが留学準備のために卒業し、MIEさんのソロプロジェクトとなって初の作品がついに完成しましたね。今の心境を聞かせてください。

ふたりで活動していた時にも、何度も“心機一転”と思うことはあったんですが、それには比べものにならないくらい新境地に向かう感覚がありました。でも、いざ制作に入ってみると、ソロになったことで悩んでいたことや力んでいたことが驚くほどほぐれて、もっと楽しいことを、ソロだからできることをやってみたいと思えるようになったんです。

最初は不安があったとはいえ、すごくポジティブな展開だったんですね。そんな気持ちとは裏腹に、全曲“失恋曲”という構成には驚きました。

Lil’Bはデビューから今まで、たくさんのラブソングを歌ってきて、どちらかと言うとハッピーなイメージが強いと思うんですね。でも、今回AILAが卒業して、MIEのソロプロジェクトになるタイミングだし、新しいことに挑戦するという意味も込めて、反対の“失恋”をテーマにしたら面白いんじゃないかと思ったんです。

“Lil’B”という名前が小さな裏切りやサプライズという意味だと思うと、由来通りのいいアイデアですね!

そうなんです。それに、全曲失恋って、他のアーティストさんでもしているのを聞いたことがないし、これは斬新なアイデアだと思って作り始めたんです。

失恋とひと言で言っても、曲ごとにたくさんの種類の失恋が詰め込まれていて、本当に心から共感できました。

ありがとうございます! あまり嬉しくないことなんですが、私に失恋の経験が多いため、ネタはたくさんあったんです(笑)。とはいえ、歌詞がしっかりリアルになるように、失恋当時に思いを馳せながら、辛い思いを引っ張り出してきて言葉にしていたので、苦しい作業でしたね。でも、この作業をしたおかげで、全ての失恋が今の私を作っていることに改めて気が付いたし、当時の気持ちに整理がついたりと、自分自身が成長できるいいきっかけになったので、今はすごく充実感に満ちているんです。

MIEさんが書くリリックと、フィーチャリングで参加された男性アーティストの方たちのリリックの差がまた面白かったです。

そうなんですよ(笑)。今までLil’Bはフィーチャリングがほとんどなかったんですが、ソロになってみて他のアーティストさんと作品を作ることで、曲の世界観を広げることができたんです。それが如実に出たのが、やはり男性のリリックで。男性のリアルな気持ちと、女性のリアルな気持ちを1曲に乗せられることができるのが、フィーチャリングのいいところだと思うんですよ。なので、ぜひカップルで聴いて女性は共感を、男性は勉強をしてもらいたいですね(笑)。

では、アルバム『ナミダラブレター』を聴いてくれる、恋する全ての人にメッセージをお願いします。

恋をした時に、一番してほしくないのが自分自身に嘘をつくこと。うまくいかないかも…という結果を考えて自分の気持ちを曲げると、一生後悔するんです。例え自分が我慢をしてその時は良いと思えても、ずっと心の奥にしこりとなって残ってしまうんですよね。それならば、自分が思うように納得ができる恋をしてほしい。思ったように気持ちを伝えて、思ったように行動すれば、その時が失恋で終わったとしても涙は無駄にならないし、その涙が優しさや強さに変わると思うんです。全力で恋をして、もし失恋してしまったら、このアルバムに癒されてください(笑)。

『ナミダラブレター』 2013年03月13日発売
Venus-B / KING RECORDS

  • 初回盤(DVD付)
    KICS-91894 2500円

  • 通常盤
    KICS-1894 2000円

Lil'B

キュートな女性ソウル・ユニットとして注目を集めるLil'Bは、MIE(ミエ/vo)とAILA(アイラ/rap)の2人組。TLCやローリン・ヒルに影響を受け、10才からリリックを書き広島で活動していたAILAと、東京近郊でライヴ活動を行っていたMIEが音楽プロデューサーを介しユニットを結成。ユニット名はLIL(LITTLE)+B(BETRAY=裏切り)から取られ、常に小さな裏切り(サプライズ)を用意して世に放つ、という意味を持っている。08年6月にシングル「オレンジ」でメジャー・デビュー。“渡せなかった最後のラブレター”をテーマに制作された2ndシングル「キミに歌ったラブソング」がスマッシュ・ヒットを記録、その後タイトルに“キミ”を挿入した3rdシングル「願いごと一つキミへ/JET★GIRL」、4thシングル「キミが好きで」と続く“キミうた3部作”が高い評価を得た。満を持して発売した1stアルバム『今、キミへ…』もヒットを記録している。

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