【CLIFF EDGE】ここからCLIFF EDGEの
第二幕が始まる
L→R DJ GEORGIA(DJ)、JUN(MC)、SHIN(MC)
デビュー5周年記念のベストアルバム後の新作は、楽曲ごとにプロデューサーを迎えたコンセプトミニアルバム。しかも、その楽曲のもととなっているのは、過去曲に散りばめられたワードたち。そんな同作についてメンバーが語ってくれる。
取材:石田博嗣
全曲に外部プロデューサーを立てた本作は、デビュー5周年記念のベストアルバム『THE BEST ~ You're the only one~』後のアクションとなるわけですが、やはり今までと違ったことをやろうと?
JUN
というか、ベストアルバムを出す時に過去曲をいろいろ聴いたんですね。その時に“あぁ~、こんなワードあったなぁ”とかリリックの部分で改めて見直す点が出てきて…例えば“5月20日”のような曲にできそうだなっていうワードがたくさんあったんですよ。だから、そのスピンオフ企画みたいなアルバムをやりたいなって、ベストのタイミングで考えていたんです。でも、そういうワードって自分たち的にすごく思い入れが強かったりするし、意味合いが染み付いちゃってるから、それらを外部のプロデューサーさんたちにフラットな目で見てもらって、解釈してもらったら、新たな扉が開くんじゃないかなって。そう思ったことがきっかけで出来上がったアルバムですね。あと、セルフでずっとやってきたから、外部のプロデューサーさんと一緒に楽曲を作ってみたいという思いもありました。
今までセルフでやってきただけに、そこを外部の人に委ねることに抵抗はなかったのですか?
JUN
そういうものはなかったですね。この経験をしてからの次のオリジナルアルバムとかは、きっと新たなCLIFF EDGEというものを見せられる気がすでにしていたので。
曲数的にシングルでもフルアルバムでもなく、6曲というコンパクトなミニアルバムにした狙いは?
JUN
この企画ってファン向けだけにはしたくなかったんですよ。伝え方によっては、ひとつのワードをさらに掘り下げたアナザーストーリーというところで、ファン向けに思えちゃうんですけど、全然間口を広く作れると思っていたし。そういうところでフルアルバムのボリュームにしちゃうより、6曲くらいがちょうどいいのかなって。
では、他のメンバーはこのスピンオフ企画については?
SHIN
企画の段階から俺はノリノリになっていましたね。さっきの“5月20日”ってファンの子から何度もその意味を質問されてきたんで、それはちゃんと曲で語りたいなと思ってたんですよ。綴るなら小説を読むような感じでっていうイメージもあったし。音の面に関しても新しいサウンドでやってみた時に、自分が絶対に変わるだろうなってワクワクもあったので、企画の時からダイヤモンドみたいにキラキラしてました(笑)。
DJ GEORGIA
この案が出た時、俺も“めっちゃいいじゃん! 最高だよね、それ”としか思わなかったですね。完成する前から絶対にいいものができるって思ったというか。だから、プロデューサーさんを選ぶ時も、候補の人がたくさんいる中で“この方にお願いしたい!”ってすごく話し合ったし、ワードの選出にしてもディベートを繰り返して(笑)。
JUN
ワードの選出はすごい大変でしたね。5曲目以外はモチーフとなっているワードは過去曲の中にありますからね。
逆に5曲目の「Diamond Days」はどのように?
JUN
この曲のプロデューサーの松尾潔さんとは“生まれてきてくれてありがとう”というワードで曲を作りたいって話をしていたんですね。そこから松尾さんは“僕とCLIFF EDGEとでやるんだったらどんなものにしようかな? いろいろ考えさせて”ってすごい真剣に考えてくれて。先日のワンマンライヴ(8月10日@渋谷WWW)も観に来てくれたり。実は“Diamond Stars”という今作のタイトルは先に決まってたんですよ。“ダイヤの原石”って言葉があるように、今までのリリックの中に星のように散らばっているワードたち…ダイヤの原石たちを一個ピックアップして、またさらに輝きを増そうじゃないかっていうことで。あと、CLIFF EDGEのシンボルが星だったりもするし。で、ワンマンライヴの時に、今回のアルバムのタイトルが“Diamond Stars”だってことを発表したんですけど、その時に松尾さんが“あ、それだ! ”と思われたみたいで。“Diamond”ってワードに引っかかって、この曲ができたんです。
そんな松尾さんをはじめとする、今回のプロデューサーの選出というのは?
JUN
親交のある人をベースにしながら、松尾潔さんやNAOKI-Tさん、SHOWくんは初めましてでしたね。やっぱり“この人の音で歌ってみたい”や“この人と曲を作ることで学びたい”…それだけの理由かもしれないです。
実際の制作はどのようにされたのですか?
JUN
それぞれのプロデューサーさんにそれぞれのワードを提示しました。例えば、「ろくでなしメモリーズ」のmitsuyuki miyake(mihimaru GT)くんだったら、“駅前のロータリー”って言葉を提示して、友情ソングみたいなものでって。デビュー5周年記念のベストを出したタイミングってことで、CLIFF EDGEの誕生物語みたいなものとか。“そういう男臭くもあり、ちょっと泣きもありっていうものをみっくんなりに書いてよ”っていうようなオファーでしたね。
トラック面では「エリカの花」のアコギは曲に温もりを与えているようで、今までのCLIFF EDGEにないアプローチだなと思いました。
JUN
そうですね。そこは最初に話してました。やっぱり人間味が出てくるじゃないですか。NAOKI-Tさんはギタリスト出身だし。でも、曲調としてはCLIFF EDGEなので、いい化学反応が起きたなと思いますね。
前述の「Diamond Days」ですが、トラックはすごくシンプルだし、コーラスワークも新鮮で今までにないものになりましたね。
JUN
音の積み重ね方とかはそうですね、確かに。今回の制作ですごく思ったのは、人それぞれサビの作り方が違うなっていう。まったく声を重ねないで一本だけで勝負をしている曲もあれば、すごくコーラスを重ねている曲もあるし、ミックスエンジニアさんの声の処理の仕方にしてもいろんな特色があるなって。
最後の「ナポリタンとスーパーカー」のトラックもやさしい感じがいいですね。
JUN
これは「DAYS~You're the only one Pt.3〜feat.MAY'S」をSHOWくんに聴いてもらって、SHOWくんなりに表現してもらった曲ですね。イントロの時点から“うわ、いいのきた!”って、デモなのに涙がジーンときたんです。っていうのは初めての経験かもしれないですね。家族、親への感謝っていうのはたかだか5年前に書いた詞であっても、やっぱり5年って大きくて。
そういうプロデューサーの方々との制作はどうでした? どんな発見がありましたか?
JUN
これは語り出したらキリがないんですけど…僕的には1曲に対するモチベーションの高さが一番刺激的でしたね。その姿勢が改めてすごいなって。もちろん自分たちも高いですけど、いろいろ触発されて、さらに高くなったというか。作詞の面でも、トラックの部分でも本当にいろいろ勉強になりましたね。ここからCLIFF EDGEの第二幕が始まるみたいな気持ちになっています。
SHIN
自分たちが持ってるけど気付かないものってあると思うんですよ。だから、プロデューサーさんが外からCLIFF EDGEを見て“これを持ってるのになんで使わないの?”っていうようなことが結構ありましたね。分かりやすいことで言うと、JUNのところに俺のハモりを入れてみたら良くなったとか。そういう新鮮な発見がたくさんあったんで、今後使える武器を手にさせてもらっちゃったなぁって。あと、自分の長所短所が明確に分かったのも大きいですね。長所だと“じゃあ、この声色をもっと使ってこう”って自信にもなるし、“もっとココをやんないとな”って弱点を知れちゃったというか、“次にいくためにはコレが必要だよ”ってのを見せてもらえた。“足んねえんだ、ここ”ってものが分かったから、そこを強化すればもっと大きいステージに行けるって思ってます。
DJ GEORGIA
それぞれ日本のJ-POPを作ってきた人たちなので、どんな仕事の仕方をするのかなって見てたんですけど…それこそJUNくんのようにモチベーションのすごさもそうなんですけど、本当に音楽の力を信じてる人たちなんだなって。で、それぞれの方が自分の武器が何かを知っている。「Diamond Days」や「エリカの花」は音的に真似できないですからね。「Diamond Days」なんて鳴ってる音の一音一音全部歴史があるぞって。経験値が高くないと絶対作れないですよ。「エリカの花」に関しても極上のJ-POP だなっていう。あのアコギの音には温かさだったり、艶だったりがあって、本当にすごいなって。自分の武器は何かというのを突き詰めていくのってすごく大切なことなんだなと思わされました。
スピンオフ的で企画盤的なところがありますけど、今後のことを考えるとターニングポイントになるような作品ですね。
JUN
そうですね。近いうちにオリジナルアルバムをリリースすることになると思うんですけど、ここで得た経験を踏まえて今あるいろんなアイデアたちがかたちになる瞬間の第一弾なんで、自分たち的にもワクワクしています。
アーティスト
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