【BURNOUT SYNDROMES】『ヒカリアレ
~未来への祈りを合図に火蓋を切る~
』2016年11月25日 at 渋谷CLUB QUAT
TRO

撮影:山本佳代子/取材:山口智男

 11月9日にリリースされたメジャーデビューアルバム『檸檬』を聴いてびっくりして、ライヴを観てさらにびっくりした。それが嬉しかった。女性CVをフィーチャーしたり(「エレベーターガール」)、アコースティックナンバーにDJによるラップを加えたり(「君のためのMusic」)、ギミックとも言える演出を交えながらとことんアンセミックなロックナンバーの魅力をアピールした『檸檬』の曲に、「文學少女」他の人気曲も加え、アルバムとはまた違うギミックとともに2時間たっぷりと熱演を披露。ヘッドセットマイクを付け、自ら“総合司会”と言った石川大裕(Ba&Cho)が流暢なMCで曲と曲をつなぎながら、曲間に寸劇やクイズコーナーを差し込む、ある意味シアトリカルなパフォーマンス。そこからは、ライヴの可能性を追求する挑戦とともに、そういうライヴをやってもロックバンドとしての自分たちの魅力も、アンセミックなロックナンバーのメッセージも失われることはないという自信が感じられた。結果、全21曲を演奏し終えた時、筆者が見出したのは“熱血”なんて言葉も似合うロックバンドの姿だった。「エレベーターガール」の女性CVによるナレーションを、激しいビートを叩きながら再現した廣瀬拓哉(Dr&Cho)、ベースを唸らせながらコーラスも重ねた石川ともにプレイヤーとして存在感をアピール。そして、ロックミュージシャン然とした佇まいが意外にカッコ良い熊谷和海(Vo&Gu)の歌声は曲を重ねるごとに熱を帯びていき、その個性的な歌声がバンドの大きな武器であることを改めて印象付けたのだった。



セットリスト

  1. Bottle Ship Boys
  2. エアギターガール
  3. FLY HIGH!!
  4. PIANOTUNE
  5. セツナヒコウキ
  6. むー
  7. 君は僕のRainbow
  8. 君のためのMusic
  9. エレベーターガール
  10. i am a HERO
  11. 墜落 / 上昇
  12. リフレインはもう鳴らない
  13. 文學少女
  14. ヒカリアレ
  15. 人工衛星
  16. LOSTTIME
  17. ナイトサイクリング
  18. Sign
  19. <ENCORE>
  20. 檸檬
  21. 月光サンタクロース
  22. ラブレター。

BURNOUT SYNDROMES

バーンアウトシンドロームズ:関西在住の3ピースロックバンド。2005年結成。日本語の響き、美しさを大切にした文學的な歌詞やヴォーカル、その世界を彩る緻密に計算されたアレンジで、スリーピースの限界に常に挑戦している。16年3月にシングル「FLY HIGH!!」でメジャーデビューを果たす。

アーティスト