【宮野真守】逃げずに立ち向かうとい
う意思表明!
昨年、自身初となる日本武道館公演を成功させた宮野真守が、約10カ月振りのシングル「NEW ORDER」をリリース。アーティストとしてさらなる飛躍を感じさせる一枚になった。
取材:榑林史章
「NEW ORDER」はアルバムをリリースしてから初の、そして今年一発目のシングル。そういう意味では、今年の活動を示唆するようなものになったのでは?
はい。それに、ちょうど10枚目のシングルでもあります。今回はアニメ作品の主題歌になるということで、その作品のイメージからポップな感じがいいかなと最初は思っていたんですが、アニメ制作側の方から“宮野さんの楽曲らしい、カッコ良い曲でお願いします”と言っていただいて。それなら自分の思うカッコ良いことを全て注ぎ込んだ、記念すべき10枚目のシングルにしようと。それで、これまでに何曲も一緒に作ってきてくださって信頼を寄せているSTYさんに、とびっきりカッコ良い曲を作りましょう!と、声をかけさせてもらいました。
宮野さんから具体的に提案したのはどんなことでしたか?
エレクトロのダンスミュージックで、ミュージックビデオでもガツガツ踊れるものがいいです、と。気持ちの部分としては、自分の中にある新たな想い、新たに打ち出したいもの、新たに生まれるもの、覚醒、目覚め…ということをテーマにしたいとお話をして。そこでSTYさんから提示していただいたキーワードが、“新体制(NEW ORDER)”というものだったんです。デモを聴いた時は、度肝を抜かれるほどカッコ良くて。驚きと同時にすごくワクワクしましたね。
ヴォーカルやコーラスがすごく複雑でカッコ良いと同時に、技術的な面でもすごく難しい曲だと思いますが。
今までの自分にはない要素が満載で、ハードルは高く、カッコ良く攻めている楽曲で、これはSTYさんからの挑戦状なんじゃないか!と思ったくらいです(笑)。でも、僕なら歌えると思って作ってくれた、それに対してチャレンジできるということがとても嬉しくて。かなり気合いが入りました。
1曲の中でさまざまな声質のヴォーカルが出てきますが、それは自分の中でイメージ分けみたいなものがあったのですか?
声を変えるとかは意識していないですが、確かにとても艶っぽいところもあるし、ウィスパー気味のところ、大人の魅力を発揮する部分もあれば、サビでは突き抜けるような力強さもあって…そこはSTYさんとのやりとりの中でディレクションしていただきました。声をサンプリングして使っているところは、スタジオでアドリブっぽいものもやってみようか、という話になって。僕が思うがままに歌ったフェイクやスキャットを、STYさんに預けて今のかたちになりました。そういう部分では 、すごくリアルなセッションができたんじゃないかって思います。
タイトルの“NEW ORDER”は“新体制”という意味とのことですが、そこに対して宮野さんが思ったことは?
“宮野真守の新たな体勢”として打ち出していこうという力強いメッセージを感じて、それによって自分の中で抽象的だったビジョンが、より明確なものになりました。今までのものを捨てるわけではないけど、それを壊してでも新たなものを見つけにいく力強い意思を感じて。それがその時に抱えていた自分の中の想いと、とてもリンクしました。
前に進むためには、今まで築き上げてきたものを壊してでも、新たな気持ちを持つことが大切だ、と。
はい。そこに対して逃げていないことが、もっとも共感したところです。歌詞に《ムリしても止めないで》というフレーズがあるんですが、それがとても僕の胸に突き刺さりました。新しく浮かんだアイデア、自分がやりたいこと、これは絶対にやるべきだと思ったことに対して、逃げずに立ち向かっていくんだという。“俺はこれから、こういう気持ちで行きます!”という、意思表明になったと思います。
2曲目「覚醒エタニティ」は、一転して和テイストのロックサウンドになっていますね。
作詞作曲と編曲は「ULTRA FLY」(8thシングル)と「DREAM FIGHTER」(7th シングル)と同じ方ですが、今回はゲームの主題歌ということで、その世界観に沿ったものを第一に目指しながら、その2曲とは違った新たな方向性で制作しました。ゲームの主人公がロックバンドをやっていて、世界観的に、いにしえからの因縁もあるということで、ヘヴィなロックサウンドでありながら、尺八や琴の和楽器の音色を妖艶に絡めていったサウンドになっています。歌詞は禁断の愛がゲームの根底にあるので、それを壊したいとか想いを貫きたいという力強いものを表現しました。
そして、3曲目の「Happy Happy Birthday」は宮野さんご自身の作詞曲ですね。
バースデーソングって毎日誰かに聴いたり歌ったりしてもらえる曲で、それってとても素敵でハッピーなことだから、いつか歌ってみたいと思っていたんです。今回のツアーには、僕の誕 生日の6月8日も含まれるので、いい機会だと思って。
すごく温かい気持ちのこもった曲ですね。生まれてくる命の素晴らしさというものもすごく感じました。
この仕事を始めてから、毎年誕生日にたくさんのメッセージをいただくのですが、“生まれてきてくれて、ありがとう”という、とても素敵な言葉をたくさんの人からいただいて、その言葉が自分の糧になっています。自分にとって大切な言葉だし、自分自身そういう立場にいられることへの感謝の気持ちも含めて、今度は僕からみんなに届けたいと思いました。そして、この曲を聴いた人がまた別の誰かにこの曲を届けたいと思ってくれたら嬉しいなって。
5月からツアーが始まりますね。
今回は“MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2014 ~WAKEN ING! ~”というライヴタイトルになりました。僕にとってまたひとつ、新たな挑戦となるツアーにしたいと思っていますので、楽しみにしていてほしいです。
アーティスト
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