【Crossfaith】マイナスの作業によっ
て獲得した新機軸
L→R Hiroki Ikegawa(Ba)、Kazuki Takemura(Gu)、Kenta Koie (Vo)、Tatsuya Amano(Dr)、Terufumi Tamano (Program/Vision)
数々の海外の大規模フェスでメインステージに登場し、圧倒的なライヴパフォーマンスで、本場のメタルマニアの心を掴み取ってきたCrossfaith。新曲「MADNESS」で、新たな地平線を描こうと企む。
取材:金澤隆志
Crossfaithと言うと海外を主戦場にしている印象が強いのですが、2006年の結成当初から海外での展開を描いていたのですか?
Ken
自分たちがずっと海外のバンドを聴いて育ってきたので、自然な流れで海外で勝負したいと思うようになって。野球をやってる奴がメジャーリーグに行きたいと考えるのと同じかもしれないですね。
Hiro
戦略とかよりは、単純に“行きたい!”という(笑)。
Ken
ライヴには自信があったので、海外で観せたいという夢がようやく叶った、と。
2012年以来、数々の海外でのツアーに参加していますが、10月からのUKツアーではついにヘッドライナーですね。Crossfaithがここまで海外で受け入れられている理由は何だと思います?
Hiro
一番はやはりライヴじゃないですか。
Ken
日本にもカッコ良いバンドはたくさんいるし、日本人だからどうだというのはあまり関係ないと思うんです。もちろん日本人という目新しさはあるかもしれないけど、それだけではキャパ1500人の会場を埋めることはできない。まず毎回全力でライヴをやること。そして、それをサポートしてくれる日本のスタッフ、パートナーの海外のマネージメントグループとガッツリとコネクトできていること。その積み重ねだと思っています。この2年でイギリスにはサポートアクトとして8回行っているので、ようやくヘッドライナーとして回れるようになったのは本当に嬉しいです。
さて、今作の「Madness」ですが、Crossfaithにとっては新機軸とも呼べるサウンドに仕上がっていますね。
Teru
今回のプロデューサー、デイヴィッド・ベンデスの音源に対する音楽美学というのが“音楽的で、ビルドアップがあるもの”ということで、押し一辺倒ではなく引くところもあって、際立つような展開がある。そういうメリハリは意識して作りました。その意味では、今までと少し違ったメリハリ感が感じられるかも。
ここまでクリーン・ヴォーカルをフィーチャーしている曲は初めてでは?
Ken
ここまでは初めてですね。難しかったのは発音。クリーンになることでよりシビアになるので、録っている間ずっとアシスタントの奴にマンツーマンでアドバイスをもらってました。これからクリーン・ヴォーカルをやっていきたいという気持ちがあったので、クリーン・ヴォーカルのバンドを多く手掛けた実績を持つデイヴィッドを選んだというのもありますね。
Kazuki
これまでの僕たちの曲は、詰め込んで派手に作り込んでいく曲が多かったけど、デイヴィッドの“詰め込みすぎると分かりにくくなる。シンプルがベスト!”という考えが反映されています。
Tatsuya
デイヴィッドは人間のリアルなノリを大事にする人で、各パートの演奏を最初から最後まで1曲丸ごと録ることに強いこだわりを持っているんです。そのこだわりが影響した部分は大きかったかも。
Hiro
エディットが主流のバンドがシーンでひしめく中、僕はデイヴィッドの音に対して“ベースとドラムが心地良い”という印象があって。スタジオで夜中に僕とTatsuyaが合わせているとデイヴィッドがやってきて、僕のベースを手渡すとTatsuyaのドラムに合わせて“これが後ノリ、これが前ノリ、これがジャスト”と、弾きながら教えてくれるんですよ。今回初めてその気持ち良さを教えてもらった気がしました。
「Dance With The Enemy」は疾走感とキャッチーさが際立った曲で、フェスの大観衆が目に浮かびます。
Kazuki
海外での大きなステージを経験するようになり、初見のお客さんが増えていく中で、速くて圧倒的な曲だけでは爆発力が足りないと感じるようになってきたんです。次のステップに行くためには、よりビッグなビートで分かりやすく、入ってきやすくするのがライヴでは効果的かなと。僕なりの、次のCrossfaithのライヴソングですね。
Ken
キャッチーさはこれまでもずっと意識していることで、スクリームにしても曲のそれぞれの場所に適したヴォーカルを入れること、よりキャッチーにすることを強く意識してます。ドシッとしてるけど、速いパートもあって、サビはキャッチーで…というすごくシンプルな作り。海外でのライヴから得たインスピレーションが大きいですね。今回の3曲の中では一番これまでのCrossfaithっぽい曲ではあります。
切ないメロディーが胸を打つ「S.O.S.」もまた、クリーン・ヴォーカルが印象的でした。
Teru
メロディーが入ってもこれまでのCrossfaithらしさを保ったまま、というのを意識して作った曲です。
Ken
ヴォーカル的には、今までとは違う歌い方をいろいろと実験できた曲。デモの中で一番最初に手掛けた曲だったので、プリプロダクションの段階でもコーラスワークなどを作り込むことができました。デイヴィッドとも“この歌はこの演奏に合っていない”といったやりとりがあって、いろんな歌い方を試したり、とても時間をかけた曲です。
初回限定盤には、『DOWNLOAD FESTIVAL 2014』のメインステージに出演した際の映像を収録したDVDが付属されますね。
Ken
俺らの中では『DOWNLOAD FESTIVAL』はメタル界最強のフェスという思いがあって結成当時からの大きな目標で、出るのが決まった時も、出た時も、出た後ももうアガりっぱなしで。俺たちがリアルに海外でガッツリやってるというのを観てもらうには十分すぎるぐらいのアイテムになってます。
Hiro
『DOWNLOAD FESTIVAL』のヘッドライナーになるというのがバンドとしての最大の目標だったので、そのメインステージに出演するということは、本当に大きな意味がある通過点なんです。その強い思いを感じてもらえれば。
アーティスト
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